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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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もうすぐ母の日。

08_5_9hahanohi(1)

 夕食後、息子と夫が居間で見ていたNHKニュース。
 私は食卓で携帯メールをしながらなんとなく耳で聞いていただけだけど、母の日が近いからだろうか、母親にちなんだある特集を組んでいた。高校時代に母親がうつ病で自殺したり、あるいは母親を癌で亡くしたりした女の子たちが、成人してようやく亡き母を素直にしのぶことができるようになった、といたような内容だったと思う。
 突然、息子がスタスタと私のもとに歩み寄り、蚊の鳴くような声で
 「…ママ、死なないでね…」
 そして、みるみるうちに目から大粒の涙がポロポロポロ。
 う、泣ける。
 「やだー、まだまだ死ぬわけないじゃん。Mがおじいさんになっても、きっとママ生きてるよ。よぼよぼになって自分でごはんが食べられなくなっても、きっと生きてるよ。おしっこもひとりで行けなくなったら、ママのおしっこ手伝ってね!」
 「い…、いやだ、そんなのいやだ」
 う、今度は笑える。

 どうせあと6~7年もすれば、“うるせえババア、あっちいけっ”とか言われるんだろうし、さらに40年もすりゃ嫁さんから“お義母さんの老人ホームのことだけど”なんて切り出されるに違いないんだろうけど、ああ、できることなら、今この瞬間をそっくりそのまま永久保存したい。
 私にしがみつき、ヒックヒックと涙が止まらない息子を見て、夫がうらめしそうに、そそっと近寄ってきて、
 「パパも…、すぐ死んじゃうかもしれない…なあ」と割って入る。
 うるさいなー、あっちいけ。母子の世界を邪魔しないでよ。今だけなんだからさー。

 しかし、思い起こせば、私も幼少時代、はじめて親の死というものを「想像」する時期に「ああ、ママやパパが死んだらどうしよう」と、悲しくて仕方がなかった日々があった。息子の、不安に包まれる気持ちもよくわかる。
 母というものを、今までにない角度から認識した息子にとって、今年の母の日はどんな風にうつるのだろう。

 とはいえ、息子からのプレゼントは、おそらくすでに決まっている。
 先週末のこと。
 「ねえ、ママ。もうすぐ母の日だからさ、あれ買ってよ。ほら、もうずっと前から買ってくれるって言ってたのに、まだだったじゃない」
 母の日だから、買って。とは理不尽な。
 「ほら、紐にさ、玉とかビーズとか通してネックレス作るやつ。ママに作ってあげるから!」 
 おおお!そういうことであったか。そうね、買おうね~。
 まんまと乗せられている母は、デパートのオモチャ売場で、ドイツのカラフルな木製のいろんな形のものと糸がセットになったキット、そのうえ、貝風に仕上げた魚や貝のビーズまで買い与えてしまう。

 そして早速、翌日の長野旅行に持参。一泊だけした温泉宿に到着するなり、夫は昼寝、息子はビーズセットを広げて、せっせと紐に通し始める。
 部屋の中が静まり返る。すごい集中力だ。夫のいびきと、息子の鼻息しか聞こえない。
08_5_9hahanohi(2)

 ちなみにこの宿、塩尻の高台に位置していて、部屋からは雪を抱く北アルプスの山々が、その裾野の塩尻市内と安曇野の南部までが一望できる。
 というのに、景色にはめもくれず、西陽を一身に浴びてネックレスづくり。
 せっかくいろんな形の、色のピースがあふれているというのに、こういう作業って、子供はつい、同じ大きさや色をたてつづけに通したがる傾向があるようだ。まるで安っぽい数珠ができつつある。あまりの芸のなさに、つい口出し。
 「バラバラにいろんなものを通した方が面白いんじゃない?」と促すも、この、バランスよく「バラバラ」という感じが、子供にはつかめないらしい。
 そこで、順列に、ママとMの「ヒミツのルール」を作って通してみよう、ということにした。
 まず、大きな丸→中くらいの丸→小さな丸→さらにチビ丸→お魚→なんでもいいから細長の形…これを1サイクルとして繰り返すことに。
 「あ、ママ、お魚さんの番のときさ、タツノオトシゴも使わない?」
 「いいね。じゃ、お魚、タツノオトシゴはかわりばんこに登場することにしよう」
 やってるうちに、順列にはいろんな「ルール」が加わって、そして30分かけてついにできたのが、冒頭写真のネックレス。
 色彩的には、オモチャということもありかなり強烈だが、でもバランスという意味では、我ながら(我々ながら)よくできているではないか。
 しかし、このネックレスが、母の日に本当にプレゼントされちゃうんだろうかと思うと、ちょっと恐怖…。

 ちなみにこの順列組み合わせの中には、他にも2つほどルールがある。さあ、おわかりだろうか。
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コメント

まったく自信ないんだけど…
このネックレス「青ダマ」と「ピンク玉」になにか
何か作為を感じるのだが…違うか?

いいな~Mちゃんに抱きつかれたの?
そして「母の日」にネックレス…。
あぁ~羨ましい。
母として最高じゃない。
うちのGさんときたらまるきり関心なしですよ。
もう7歳だよ。
一度でいいから「お母さんアリガトウ」とか言われてみたい。
いいなぁ~。
でも、これって父親のせいだよねー
絶対そうだよねー。
こういうのって
旦那がそっと息子に教え込んだりするもんじゃないのー。
全く気がきかない奴め!

あーあ、
私はそんな言葉も聞けないまま、
数年後には
「ババァーうぜーよー」とか言われちゃうのかな…。
何だか悲しくなってくるよ…。

青玉と赤玉、確かに強烈な色だけど、でも作為はありません。
ちなみに、1つの答えは、魚(またはタツノオトシゴ)のあとの
「なんでもいいから細長の形」が、ピンク、白、黄色の順で出てくるということでした~。

確かに、父親の根回しによるところも大きいけど
Gちゃん、シャイな性格だから「母の日」とわかっちゃいても
口には出せないんじゃないの?

今度遊びに行ったら
よ~く言って聞かせましょう。
もちろん、「父親」の方にね!
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Profilo

ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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