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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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サルデーニャ料理で復活。

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 常日頃、仕事においても家事においても、体力を出し惜しみしているせいか
こう見えて、意外と丈夫なのである。
 かよわいイメージを周囲には振りまきつつ、実は滅多に病気しない。
そんな私の姑息な戦略に、しかし今回の一件は天罰が下ったのだと思うことにして受け止めよう。

 日曜は、イタリア研究会の面々が集う、料理教室主宰の日。
 金曜から出社許可は下りているし、人様にうつる心配もすでにない身ではあるものの、体力的に確かに不安はあった。
 でも、自分の体調のせいで教室をお休みしたことはいまだかつて一度もないし、私に勝るイタリア馬鹿な面々とともにすごすひと時こそ、病床に臥していた私が何より望んでいたこと。
 気心しれた皆さんのお言葉に甘え、ここはひとつ皆さんの懐に身をゆだねるつもりで予定通り開催することにする。

 というと聞こえはいいが、言ってみれば準備に抜かりだらけの料理教室であった。
 参加者が永遠に固定メンバーであるわけではないし、その都度各人からリクエスもあるのでなかなか思うようにはいかないが、信条として、ひとりの方が同じレシピを二度習うことはできるだけ避ける努力をしている。
 しかし、さすがに今回は、新しいレシピを精緻化する時間も体力もまったくない。
 そこで、昔書き起こしたレシピをあさってみる。
 あ、あった、あった。
 そういえばこんなお料理も教えたっけなー。
 自分でも忘れていた過去のレパートリーが、ざっくざく。
 その中から、久々につくりたい料理を集めて見たら、不思議なことにサルデーニャ料理のフルコースに。病み上がりのカラダが、自然に欲したのは、サルデーニャの太陽だったということか。

 この日は、急遽、仕事で来日中のイタリア人女性二人(二人とも、偶然にも名前がアリアンナ!)が特別参加。私につづき夫、息子がダウンしてしまったこともあり、いつになく寂しい会になってしまうと思ったが、いやいや寂しいどころか、いつもに増してパワーアップした集いとなった。


 「ボッタルガ(=カラスミ)のパスタ」。
 カリアリに住む、女友達SARAのマンマが送ってくれた立派なボラのからすみをすりおろし、パスタと和える。これだけでもいいんだけど、オリスターノ近くのレストランで食べたときのように、小エビやズッキーニも一緒にすることで、見た目にも鮮やかな一品に。
 「イワシのトマトソース重ね焼き」。
 これは、なぜかトスカーナで習ったサルデーニャ料理。サルデーニャからの移民が多いトスカーナ地方。この料理を教えてくれた主婦クラウディアの夫もサルド人。お姑さんからの直伝レシピだったらしい。
 「サルデーニャ風ドーナツ」。
 いつも居候しているパオラの家で、90歳近いおばあちゃんに習った、本当はクリスマスのお菓子。真夏だったけど、私に伝統菓子を教えてくれようと、汗をかきかき揚げてくれたおばあちゃんの、懐かしい味を再現。リコッタとセモリナ粉でつくる、あっさり味。


 しかし、イタリア人に「イタリア料理教室」だなんて、いくら20代そこそこのお嬢さんがたとはいえ、恥ずかしいのを通り越して申し訳なくなってくる。
 しかし、トレント出身のアリアンナも、サレルノ出身のアリアンナも、レシピ見るなり開口一番、
 「ボッタルガって、ナニ~? 知らな~い!」
 ええーっ。ボッタルガ知らないイタリア人なんているのっ!?サルデーニャやシチリアの一大名産品、カラスミじゃない!
 とびっくりしたが、自分だって二十歳そこそこの頃に、熊本に「からしレンコン」なるものがあるなんて知らなかった。たとえるならそんなところか。大体、日本のイタリア料理熱が異常といえば異常なのだ。

 さて、ボッタルガも知らなければ、当然、サルデーニャ風ドーナツも知らなかったようだが
 「おいしい!日本に来て初めてアルデンテのパスタ食べたよ」
 「この揚げ菓子、ブオーノ!このレシピ通りに作れば、私にも絶対作れる?」
 などと次々に熱心に質問してくれる。お世辞も入っているとはいえ、イタリア人にイタリア料理をほめられるのは、また格別に嬉しいものだ。
 
 例によって、途中からすっかり写真を撮るのを忘れてしまい、最初の一品しか写真におさめていない。こんな調子だからアンティパストの写真しかストックされないのだが、今回に限り、ドルチェの写真(のみ)をおさめることができたのにはワケがある。
 揚げ菓子という特性上、本当は揚げたてを味わいたいところ、しかし不精な私たちとしては、セコンドまで食べ終わったところで「さあ、それではドルチェを作りましょう」と腰を上げる気にはどうしてもならず、満場一致で
 「最初に揚げちゃえば~?」ということになり、結局、どの料理よりも一番早く食卓に上る。
 となったら、当然、つまみ喰いでしょう。
 若干、甘さが足りなかったので、粉砂糖を雪のようにデコレーション。さらにサルデーニャ特産のハチミツをとろーりとかける。
 久々に掘り出して4年ぶりに作ったレシピだけど、サルデーニャのおばあちゃんが、ただでさえ曲がっている腰をさらに丸めてせっせと揚げてくれた、あのときの素朴な味わいに違いはない。

 ドーナツはその後、まるでパンのよう食卓に居座り、前菜、パスタ、セコンドをすべて食べ終えたあとで、晴れて「ドルチェ」として味わう頃には、当然すっかり冷えている。しかし、みんなの第一声は
 「冷めてもおいしい~!」
 「さっきよりハチミツがしみこんで、いい感じ~!」


 病み上がりの料理教室。サルデーニャの太陽あふれる味わいと、イタ馬鹿メンツのパワーに後押しされて、カラダがどんどん元気になっていくのがわかる。
 アリアンナちゃんたちとの架け橋になってくれたYumichinaさん、いつもきめ細かな心遣いでささえてくれるMasachinaさん、粉砂糖をプロセッサーで作ってくれたり機転の利きすぎたギャグで笑わせてくれたMizettaさん、気がつくといつも洗いものをしてくれてたYokoさん、そしてそして、毎度「白」一点の参加ながら「白」であることを微塵も感じさせないオトコハナコ、Okkunおじさま。
 病み上がりのCucinaを盛り上げてくださって本当にありがとうございました。
 
 




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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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