2007
Feb
23
1
パスタ遊び① 野沢菜とカラスミのリングイネ

人様には、正しいイタリア家庭料理を信条にお教えしてる私が、こんなことを暴露するのもお恥ずかしい話だが、何を隠そう、うちではこっそり、邪道な「パスタ遊び」にいそしんでいる。
イタリアにいたら現地の素材をつかった料理がものすごくおいしいように、
日本にいるなら、日本にしかない身近な食材を使うことだって、おいしい料理への近道だ。というと建前くさいけど、要は、曲りなりとも主婦だったら、冷蔵庫の中のあまりものを腐るまえになんとかおいしく消化したいと思ったりもするわけだ。
というわけで、私の「パスタ遊び」は、大体こんな風にして始まる。
2~3日前から気になっていた、冷蔵庫の中の野沢菜。「保存料は一切使用していないため、5日以内でお召し上がりください」って言われてたのに、今日で一週間経つことを思い出した。腐ってはいないが、ちょっと漬かり過ぎた臭いも否定できない。とはいえ捨てるのももったいないし…、油炒めにでもして食べてしまおう。
しかし、炒めただけでは、正体もばればれ。油炒めにした理由まで夫に見透かされそうだ。そんなら、パスタに絡めてしまったらどうか。リングイネならちょうど3人分くらい袋の空いたままのものがある。高菜ラーメンがあるんだから、野沢菜リングイネがおいしくないはずがない。
と自分に言い聞かせてとりかかる。
まずは国産ニンニク一片を細かいみじん切りにしてフライパンへ。オリーブオイルをたっぷりふりかけて火にかける。
野沢菜はよく汁気をしぼってみじんぎりに。ニンニクが色づいてきたところへ野沢菜を加え、しばらく炒める。
えーっと、それからそれから、どうしよっかな。さすがにこれだけじゃ寂しいよね。
味見してみても、思いのほか塩気も足りず、しまりがない。
そこで冷蔵庫の中をさらに物色。目に留まったのは、サルデーニャの土産にもらったカラスミパウダー。これ、いけるんじゃない?
まずは、ゆであがったリングイネを野沢菜を炒めたフライパンにどどーっと投入。
パスタを茹でた寸胴鍋から、塩の利いたゆで汁をお玉いっぱい拝借してふりかければさらになじみが良くなる。ここにカラスミのパウダーをたっぷり入れて、がしがし和えればできあがり。
皿にもったあと、仕上げにおいしいオリーブオイルをかければ尚、理想的。
さて、お味のほうは?
うんうん、結構いける。カラスミの微妙な生臭さも野沢菜の風味にかき消されつつ、野沢菜に足りない濃厚さはカラスミがフォローするという、期待通りの相乗効果。
ニンニクの香ばしさがさらに後押しして、ついつい後を引くではないか。
ああ、「パスタ遊び」って、なんて楽しいんだろう。
ちなみに、こんなB級パスタは料理教室ではお教えしてませんので、
生徒の皆様、どうぞご安心ください。


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