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「鳥獣戯画がやってきた!」にいってきた!

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 京都に行ったってニセモノしか見せてもらえないっていうのに、東京でホンモノが見られるんだから、これは何としても行かなくちゃ。
 と思っていたのもつかの間、気がついたらあと二日で終わっちゃうっていうじゃないの。
 というわけで、行ってきました。サントリー美術館の「鳥獣戯画がやってきた」。

 土曜は、女友達との優雅なランチのあと、午後は息子・夫と合流してイタリア文化会館の子供コンサートに行き、そうしてすでに日もどっぷりと暮れた18時すぎに、ミッドタウンに到着。
 カップルで賑わうイルミネーションを横目に、サントリー美術館に入る。

 明日で会期終了とあって、入場制限されているほどの盛況ぶりで、20分ほど待たされる。
 早くも飽きてきた息子は、親の警告にも耳を貸さず、列を規制するポールにデレレ~っともたれかかり…、バッターン、ついに倒してしまう。
 かけつけた係の若い女性に咄嗟に謝ったあと、「ほら、お姉さんにあやまりなさい!」と息子にごめんなさいを言わせると、この女性、幼児相手に真正直な顔で
 「いえ、とんでもございません。お怪我がなくてよかったです」
 と深々と頭を下げる。
 なかなか言えることじゃない。思わず、若い係員相手に久々に感動を覚える。

 さて、肝心の、高山寺「鳥獣戯画」、人波にもまれながらも、心から堪能できた。
 ニッポン漫画の原点とよく言われるけれど、さすがにホンモノは、味わい深く、線もいきいきとしている。蛙、ウサギ、狐、猿がたわむれ、競い合い、だじゃれあう姿は、人物を題材にしたどんな絵巻より、人間模様を表現しているようだ。いろいろ謎が残る戯画だけれど、ただ見ているだけで元気が出てくる、そんな国宝もそうないだろう。
 戯画にちなんださまざまな絵巻の展示もまたよかった。中でも、来場者の心をつかんでいたのは「放屁合戦絵巻」。言ってみれば「おなら大会」といったところか。平安時代の作者不詳の絵巻を室町に入ってから模写されたものらしい。
 男たちが、まずは飲み食いしまくって腹ごしらえ(つまりおならのためのガソリン補給)。おならを袋に詰め込んで爆発させてしまったり、むき出しのお尻を揃って突き出して、遠くの扇の的を射止めたりというはちゃめちゃ絵巻。源氏物語と同じ時代の産物とは信じられない反面、言ってみればどちらも大娯楽絵巻かも。当時の上流階級、少なくとも文化の担い手たちが、こんな洒落たギャグセンスを持ち合わせていた、すばらしき心の余裕があった時代に、一度でいいから自分も生きてみたいものだと思う。
 この「おなら合戦」、息子が相当気に入ってしまい、何度もこの絵に引き返しは、覗き込み、イヒヒ、イヒヒと笑いが止まらない。おならに、おちんちんに、おしり、子供の好きなもの満載だ。

 ひとしきり堪能して出口に向かうと、その手前で、「鳥獣戯画オリジナルエコバッグ」なるものが目に入る。
 うわ、か、かわいい!欲しい!
 「ただいまオフィシャル本をお買い求めの方に、エコバッグを差し上げております。ぜひお買い求めください。ただいまオフィシャル本をお買い求めの方に…」
 なんだ、本を買わないとだめなのか。いくらだ?2300円?たかっ。買うもんかっ。と思いながらパラパラと見本の本をめくると、息子が割って入ってくる。
 「ねーねー、おならの絵が欲しいよー。おならの絵、どこに載ってるの?」
 「えー、ここには載ってないよ。載ってない載ってない」
 するとすかさず、学芸員風のセル眼鏡をかけた知的なお姉さんが
 「放屁合戦絵巻もこちらの本に載っておりますよ」
と、入り口の係員同様、幼児相手に丁寧に説明を始めるではないか。
 「大変人気の図柄でして、今回のオフィシャル本にしか掲載されてませんので、ご好評いただいております」
 そういわれると、素通りするのも気が引けるではないか。
 「あ、さようですか。じゃ…、頂いていこうかしら」
 などというセリフが突いて出て、つい買ってしまう。
 「でもさ、バッグはママにちょうだいね」
 「えー!?なんでー!?いやだよー」
 「なんでいやなのよっ。ママは、バッグがついてくるなら買ってもいいかなって思ったのよっ」
 親子の諍いを見て取ると、今度は
 「700円のおつりでございます。どうぞ、バッグも仲良く、末永くお使いくださいませ」
 と、またもや深々と頭を下げられる。
 係員の接客ひとつに、サントリー美術館の徹底した戦略すら感じるのは私だけだろうか。

 さて、息子は買ったその日から、そして翌日もバッグを手放さない。
 「お姉さんが、仲良く使ってくださいって言ってたでしょ。だからかわりばんこだよ。だから今日はMが持つよ」
 っていうか、昨日もあなたが持ってたじゃない。
 「えーちがうよー。昨日、最後にママが持ったでしょ」
 それって、クルマから降りるときに、私が持って家に入っただけじゃないのさ。
 5歳になったばかりの子供とは思えない、本当にご立派な理屈である。

 ところで、日曜に鳥獣戯画のバッグを持って出かけた先は、新宿ベスト電器。
 何を買ったか、のヒントは、写真の息子が着ている服にあり?!

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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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