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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

10

「ぶあいそう」な記念日。

07.11.1武相荘-1


11月1日。十年前の今日のことを、今年は久々に思い出す。
「あんた、晴れてよかったわねー!あたしゃ、もう、そればっかり心配してたわよー」
私より先に起きていた母の開口一番が、これ。
前日の天気予報でも晴れだったし、そうも気にかけなくてもと思うものの、母の気持ちもわかる。
なんたって、ただでさえ三連休の初日というヒンシュクな日取りのうえに、
まずは上野毛の教会で式を挙げたのちに、今度は都心のホテルに戻って披露宴という
ご足労いただく招待客にとっては迷惑はなはだしいスケジュール。雨でもふったら合わせる顔がなかった。
しかしおかげさまで、秋深い、抜けるような晴天の下、式も披露宴も無事終了。
披露宴では、夫の高校の同級生(男)が夫への愛をほのめかすスピーチをしている最中にぶっ倒れたり、
私の叔父が突然前に出てなぜか「同期の桜」を歌いだし、それに私の上司が参加したり、
他にも挙げたらキリのないハプニング続出だったけれど、まあ、ある意味、どんな余興より楽しんでいただけたかもしれない。

あれから10年。
今年こそは忘れてなるものかと迎えた、満10年目の結婚記念日。
夫が休みを取ってもいいと言い出した。雪やヒョウでも降るんじゃないだろうか。
こんなこと、この先たとえあったとしても銀婚式だろう。
それまで持つとも限らない、と思い、息子を保育園へ送ったあと、二人で会社を休むことに。
で、どこ行く?
情けないことに、二人とも、何一つ思いつかない。

テーマは、「子供がいると行けないところ」。
映画?ううむ、別に今観たい映画もないしなあ。
どこかのレストランでランチ?これも、何も一日休んで行くことじゃないしなあ。
ふと、夫がずっと以前に
「一度行ってみたいんだけど、小学生以下は入場禁止なんだよな」と言っていた場所を思い出す。

「武相荘」。ぶあいそう、と読む。
鶴川にある、旧白洲邸。白洲次郎・正子夫婦が移り住んだ田舎家だ。
朝の渋滞に逆行して、すいすい車を走らせると、ほんの40分くらいで着いてしまった。
07.11.1武相荘-2

都心からほんのわずかしか離れていないのに、山林に囲まれた白洲邸は、別天地のように静か。
母屋も、庭も、裏山へと続く道も、そして家具や書棚、調度品も、当時のままに保存されている。
牛が住んでいた土間にはタイルを張り、ペルシャ絨毯をしいて、黒い革張りのソファと骨董家具。
北側に面した小部屋は、書棚に囲まれた書斎。突き当りの窓に面し、小さな炉を切った一人分の掘りごたつ付きのちゃぶ台がある。
大自然の息遣いを日々感じながら、骨董と本に囲まれ、酒を飲み、畑を耕してまた本を読む…
こんな家に、住めたらいいなあ…。こんな生活ができたらいいなあ…。

ふと、自分たちの結婚生活10年を振りかえる。
うちの夫は10年通じて日々「ぶあいそう」であったけれど、自分たちの毎日が「武相荘」とはあまりにもギャップがあることに凹む。
もちろん、上流貴族だからこそ辿り着くことができた、極上の暮らしには違いないけれど、
何十年かけてでもいいから、こんな本物に囲まれて過ごす夫婦生活に近づくことができるだろうか。
相変わらず「ぶあいそう」な夫は何を考えているかわからないけれど
こっちの「武相荘」からは、新たな夫婦生活の課題を投げかけれた気がしてならなかった。

旧白洲邸をゆっくり見ても、時刻はまだ昼前。
周囲になんにもないので、とりあえず横浜まで出る。
何食う?中華街?
中華街だったら、それこそ息子と一緒に着たら、さぞ喜ぶだろうしな~。
なんてやってると、入る店すら決まらない。
結局、「子供が一緒だったら、肩身の狭い思いをしそうだから」という理由をこじつけて、
ニュー・グランドのフランス料理へ。地元の老夫婦に混じって昼食を摂る。

息子がいると、「んもー、もっとゆっくり食べさせてよ!」
「うるさいなー、今ママはパパとお話してるんだからっ」なんて文句ばかり言ってるはずなんだけど、
いざ息子がいないと、何も話題がない。
どこにも行くところが見つからない。
結局、まだまだ昼過ぎだというのに、早々に家に帰って、大いびきで昼寝。である。

将来子供が巣立ったら、毎日がこうなるんだろうか。
いろんな意味で、この先の夫婦生活に大きな課題を投げかけられた、記念すべき10年目の結婚記念日。
結婚は、スタートであって、ゴールではない。とよく言うけれど、
10年前のあの日、教会から披露宴と、長時間つきあってくださった上司、友だち、親戚の
ひとりひとりに感謝しつつ、まだまだ中「締め」にも達していないことをつくづく痛感する。

そうそう、懸案のスイート・テン・ダイヤモンド。
スイートなテンのダイヤンドではなかったけれど夫からは思いがけなく贈り物があった。
「ダイヤモンドをあげなくちゃいけないのは、あんたの方なんじゃないの?」という周囲の声にはこの際耳をふさいで、
素直に夫に感謝したいと思う。

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コメント

おめでとう!

ご結婚10周年、おめでとうございます。v-238
長いようで、あっというまの10年だったんでしょうね。
はっ、そういえば我が家のスイートテンも今年じゃん!
しかも、リッツ家の翌日11月2日でした。って、もう過ぎてるし~(汗)
夫婦で平日にお昼寝、穏やかで最高に幸せじゃないですか!!

すごい!

K太郎ママ&パパ様こそ、おめでとうございます。
でも奇遇ですね。たった一日違いなんて。
新婚旅行は11月3日発でした?成田ですれ違っていたりして。

確か、Y内さんちも10年目のはず。
合同で、お祝いしますか!?

ご結婚10周年、おめでとうございます。
「武相荘」、一度行ってみたいです。
クルマ馬鹿の大師匠であるばかりか人生の師であり、
同郷の彼には尊敬の念を持っています。
そんな彼にあやかり、ちょっとでも近づきたいと思い
「利休箸」、私も普段使いしています。

ここの箸を使っていたそうです。
http://kyoto.jr-central.co.jp/kyoto.nsf/spot/sp_itiharaheibei

えっ、ウチは10周年っていつだったけ?!

っていうと、兵庫県ですか?
市原平兵衛商店の京都も近くていいですね。

利休箸は、確か「武相荘」の売店にも売っていました。
でも市原平兵衛商店のではなかったと思います。
正子愛用の器の模しとかも高価な値段で販売されていたりして、
うーん、コピーを手に入れてもなあ…という
ちょっと悲しい気持ちになっていりして。

売店は目をつむり、
「武相荘」ぜひ一度いらしてみてください。

ご結婚10周年おめでとうございます。
ご主人は口数は少なくても無愛想にはとても見えませんが。超おしゃべり好きの伊男なんかよりずっと素敵じゃないでしょうか。
因みに長身で男前の白洲次郎は、3人いる私の理想の男性のひとりです。(夫は入ってません。)
今度日本に帰ったら訪れてみたいと思います。情報ありがとうございます。

ありがとうございます。
(なんだか皆さんにオメデトウを言わせているような。。。反省)
Tsuさんの、残り二人の理想の男性…誰でしょう、気になります。
「武相荘」、次回、日本にお帰りになったら、ぜひご一緒しましょう!

はじめましてritzさん。
STORYを整理していて、素敵な方だなぁ~と改めてじっくり見ていたら、ホームページが載っていたので、お訪ねしてみたら、11月1日がアニバーサリーとのブログ。
おめでとうございます!実はその日は私のお誕生日。と縁を感じながら読み進むと、
なんと「武相荘」!?知人が白洲さんの奥様正子さんと遠い親戚で一緒に行く話をしていたところでした。
いろいろな偶然が重なり、゛縁゛を感じました。
これからブログにお邪魔します。よろしくお願いします。
ご活躍、楽しみにしています。
(nameはコメントしたことないので、我が家のチワワの名前にしました)

Stella(ちゃんのご主人)様
お誕生日おめでとうございます。そして、はじめまして。
世のブログへの初めてコメントが、当ブログへのコメントと知り、
とても嬉しく思います。

一年も前の「STORY」を、お捨てになる前にもう一度お手にとることがなければ、きっとこうしてお読みいただくこともなかったわけですし、これも一つのご縁ですね。
気まぐれ更新のブログですが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

10周年おめでとうございます!
我が家は11月3日、9周年でした。来年はささやかなイベント計画中です。

7日のディミトラの舞台はご覧になられたのでしょうか?
私はイタ語の授業でした v-102

eriさま
先日は有難うございました。実は、ああいう場はあまり得意でないものでeriさまがいらしたおかげで救われました。
テオドッシュの舞台は…シゴトの予定が読めず直前までチケット購入を引っ張っていたのですが、やっぱりシゴトになってしまいました。とにかく買わないとダメですね。買ってしまえば、仕事なんて力づくでも、どうにでもするんだろうな~(いつもしている)きっと。
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Profilo

ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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