2023
Sep
04
0
ITA Airwaysに乗ってみた!

【8月7日】
5月に4年ぶりに訪れたイタリアは、ほんの十日間、そして久しぶりのソロ旅だった。
でも、まわりきれなかったイタリア南北のいろんなところで「子供たちの成長がみたい」とマンマたちが待っている。
というわけで、夏休みは息子二人を連れて、そしてなんと、どどーんと3週間の休みをとることに。
当初は、5月同様、エミレーツを抑えていたのだが、今回は旅程の最初がプーリアということもあり、その日のうちにたどりつける航空会社は、アリタリアから生まれ変わったITA Airwaysのみ。
いまだITAを試した人の声は少なく、
「どうせアリタリアのペンキを塗り替えただけでしょ?」
「倒産したアリタリアの後釜航空会社なんてろくなもんじゃない」
との悪評が聞こえる中、ローマで一泊したり、一度荷物を引き取ってから再度国内線にチェックインし直したり、という、おそろしい労力と手間を天秤にかければ、サービスが悪かろうが、ペンキをぬりかえただけの汚い機内であろうが、私は前者を取る。それにもともと、CAに膝まづかれるような、うわべだけのホスピタリティは意味がないと思っている。
というわけで、ITAを選んだ私。
乗り継ぎ時間が最低1時間は確保されてないと発券できない国際ルールがある中「ローマでの乗り継ぎがたったの1時間15分」という便だけど、春に同じ便を利用して帰ったプーリア在住の姉御から「1時間15分のトランジットは人間は余裕、でも荷物は来ない。けど快適」と情報を得ていたので、それ以上は何も望むものはない。
2日分のパンツとシャツを子供たちにもそれぞれ持たせて準備万端。
ところが、出発の朝にイタリア語で「大変申し訳ありませんが」から始まる不吉なメールが。出発が30分遅れるという。これ、どうがんばっても間に合わないやつじゃん。
いつもチケットの手配をお願いしている代理店の友人に「羽田のチェックインカウンターで代替便を掛け合って!ホテル代などもプッシュするように」と言われ早めにカウンターに乗り込んだけれどチェックイン業務は別会社のスタッフ。やっと見つけたたった1人のITA職員呼びつけて問い詰めるも「大丈夫ですよ、現地は、待つって言ってますから」と無責任な反応。本当に待つのかよ。
ええい、もうどうにでもなれと機内に乗り込む。少しでも早く飛び立ってくれたらとの期待をよそに、滑走路の順番待ちでさらに20分ほど遅れての離陸。こりゃ、もうダメだ。
乗客は、日本人は数人しかいない、ほぼ全員がイタリア人。この人たちすべてがローマ在住なわけでなし、このクソ繁忙期に乗り継ぎ客全員の再手配を強いられるくらいなら、もしやホントに待つのかも…?という淡い期待だけを頼りに祈りながら過ごす、ロシアの上を避ける迂回ルート14時間半…
のはずが、あれ?もう着陸体制?着くの早くない?
結果、30分どころか、滑走路待機分の時間すら巻き返して定刻通り着陸。なんだこれ。
そうはいっても元々ギリギリなコネクトなわけで、最後まで安心できないのがイタリア。とにかく脇目もふらず、荷物検査、入国審査を掻い潜り、やたら広くなってしまったローマ空港内を走って走って…ブリンディジ行きのゲートに到着。ああ、間に合った!
様子を案じてアプリで離着陸情報を見守ってくれてた姉御から「プリンディジ行き、15分遅れるって出てるよ。もしかしたら荷物も間に合うかも?!」とメッセージが。
やった!と期待が高まるも、しかし、バスで連れて行かれたブリンディジ行きの飛行機は、真っ暗闇の空港の果ての果て。こんなところまで荷物が滞りなく運ばれてくるわけがない。これはやっぱり無理だな。


さて小一時間でブリンディジに降り立ちターンテーブルの前へ。
長男に「これ、ロストバゲージが確定するにも、荷物が全部、出し尽くされるのを待たないといけないから、ジュゼッペ待たせちゃうね」と言われ、確かにそりゃそうだと、迎えに来てくれてるジュゼッペにメッセージを書こうとした瞬間、その長男の「あ!うそだろ!出てきたよっ!」の声が。なんと、3つ目くらいに、我らのスーツケースが出てきたではないか。まさにミラクル。

旅の初っ端からトラブル勃発、でも結局トラブルじゃなかった、どころかなんだか得しちゃった?みたいなのが、よくあるのがイタリア。しかし今回ばかりはイタリア人の本気を見せてもらった気がする。
ちなみに、I機内で離陸前に流れる非常時動画みたいなやつ、航空会社のセンスや社風が反映されていて結構見ちゃうのだけど、ITAのは、CONIとのコラボがすごくよく出来ていて感心した。
今回の一件も、もしや、PR戦略の一環かも?笑
ジュセッペから「空港の出口を出て、歩道のところで待ってて!いまその前を車で通るから」
とのメッセージ。
「空港の出口を出た歩道のところ」っていったって、これ、常識的に考えたら、ぜったい待ち合わせ不可能な場所指定。
でも小さな空港は、小さな出口がたったひとつ。そこを出てみたら、ほんとだ、歩道って、ここしかないよ、という場所が。
大都会東京の空港で荷物を預けてから、ローマで乗り換えただけで、こんな小さな田舎の空港まで来れてしまう。
これはやっぱりITAの魅力だ。
ジュゼッペと娘のマリアの車に乗って、無事に宿に到着。
家を出てから実に23時間、日付変わって深夜0時45分。
こんなに遅い時間になってしまったというのに、妻のアントネッラが軽食を用意してくれて、話が弾むと7年の月日が経ったとは思えない。
ああ、今日のうちに来れて、本当によかった。
初め良ければ全て良し、の旅。はじまり、はじまり〜。



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