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秋の儀式。

07.9.24kurihiroi


身近な人には、耳にたこができるほど聞かせてるけれど、
子供が女の子だったら「栗子」と名づけようと決めていた。
予想に反して男だったため、さすがに栗太郎ではかわいそうと思いあきらめたが、
それくらい、イタ馬鹿の次に「クリ馬鹿」である。
とにかく子供の頃から、大の大の栗好き。
毎年、暑い夏が終わり、コオロギが鳴き始める季節になると自然と体がうずき出す。
そして、デパ地下の和菓子屋などで「新栗…」なんて文字をみた瞬間に、
どこからか「パーン!」とスタートピストルが聞こえ、今、このときしか食べられない秋の実りを、最後の栗が店頭から消えるまで食べまくらないと気がすまない。これはもう、病気かもしれない。
20代の頃は、おいしい栗菓子ランキングの本でも書けるんじゃないかと自分でも思うほど、
栗を使ったおいしい洋菓子、和菓子を片っ端から制覇した時代もあった。
でも、結局、おいしい栗菓子を評するときに、いつも
「おいしー!栗そのものって感じー!」って言ってる自分に気づく。
それって、栗そのものを、そのまま食べれば、それが一番幸せってことじゃん。
そう気づいてから、栗スイーツめぐりもあっさり引退。
代わって、欠かせない秋の習慣となったのが、「栗拾い」である。

茨城の水戸の手前にあるこの農園にも、子供ができるうんと前から通っているんだから、かれこれ10年くらいになるだろうか。今思えば相当恥ずかしいけれど、いい年をした夫婦が二人で栗拾いをしていたのだ。
幸い、息子も私に似て栗好きになってくれたので、今では、家族にとってますます欠かせない、秋を告げる儀式となっている。

今年は、昨日、23日に行こうと決めていた。
翌日(今日)の料理教室で、大量に栗を使う焼菓子を作ることになっていたので、どうしても調達したかったのだ。
「ママー、これ大きいよ!」「ママー、これ丸いよ!」「ママー、これ絶対おいしいよ!」
と拾ってくる栗は、片っ端から虫喰いだが、いい栗の形を見る目だけは付いてきたようだ。
実は前日の午後に、急に発熱した息子だったが、夜半から平熱に戻り、ピンピンして栗を拾いまくっている。
予報では傘マークだったけど、雨が降る気配もない。
ふっふっふ。子供も、天気も、私の味方だ。

07.9.24tortadicastagna


こうして一家3人で拾ってきたバケツ一杯の栗を、惜しみなく使った栗の焼菓子。
栗はそのまま食べるのが一番うまいという結論に辿り着いた私ではあるが、
この世に、ただ二つだけ「菓子にしてもうまい」と思える栗菓子があり、そのうちのひとつが、これ。
トスカーナで習ったこの焼菓子は、私ひとりでは決して作れない菓子でもある。
700グラムもの茹で栗の果肉を一人でむくのは無理。というのもあるけれど、
私ひとりでは剥いたそばから食べてしまうから700グラムも取っておけないのだ。
というのを口実に、今日は料理教室参加者の8人の皆さんに、栗を剥く作業を図々しくお任せ。
総出で剥いた茹で栗と、挽いたアーモンドと、砂糖と卵を併せて焼いただけのシンプルな味わいは、栗そのままでは逆に味わえないような、栗の底力に出会える魅力がある。
小麦粉もナシ、ふくらし粉もナシ。
栗のねっとりとした風味と、アーモンドのプチプチした食感が後を引く。
一口ごとに、夏の気だるさから開放されて、魂に秋の実りの活力を注いいでくれる、この焼菓子を思う存分頬張ることもまた、
栗拾いとともに大切な、秋の儀式なのだ。

さあ、秋本番。
…っと、その前に…。そういえば夏のイタリア報告がまだでした。
次回から、遅ればせながらのイタリア報告。頑張ります。

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コメント

francesca

私も大の栗好きです!
でも、まだ栗そのものを食べればいいじゃん!という風に達観できず、この時期(いえ、本当はいつもですが)会社近くのデパ地下をウロウロしながら栗スイーツ探しに励んでいます。

それにしても、昨日の栗のタルトは本当に美味しかったです♪
確かに、このドルチェを家でトライするのは大変ですよね。
あ~、もう一切れ食べておけば良かったとgolosaの私は後悔してます(笑)
今度、もう一つのレシピも、是非、教えてください。

ritz

francescaさま
月曜日は、栗むき作業、お疲れ様でした。
もう1ホール残っていたのに、みなさんにお土産にしていただくのを忘れました。ごめんなさい!

「もうひとつのドルチェ」は、実はイタリアンではないのです。
そして、自分では作れないものでもあるのです。
今週末入手する予定ですので、またご紹介しますね。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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