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冬だから、北へ。


長男が中学生になってからというもの、土曜も登校日だし、ゆるーい軽音部で部活は暇だけど週末に音楽関係の習い事のレッスンが入ることが多かったりで、家族揃って連休になることなんてほとんどない。気がつけば家族旅行の機会はぐっと減ってしまった。「日本の旅」がこれだけ好きな我が家なのに、そういえばこの一年、遠出の国内旅行に関していうと、3月の北陸の旅以来、足を伸ばしていないではないか。
というわけで、子供達が冬休みに入るのを待って、クリスマス前の連休に久々の遠出旅行を思い立つ。
どこいく?冬だから、北でしょう。というわけで何度目かの岩手へ。
といっても今回は公私ともにえらく多忙が続き旅の中身を練る余裕もなく、不本意ながら夫に丸投げ。そしたら二軒の宿を抑えた以外、まったくのノーアイデア、位置関係もよくわかってないらしい。と、新幹線に飛び乗ってから知る。
さてどうやることやら。

遠野 

新花巻駅でおり、そこからレンタカー。とりあえずカッパに会いに行ってみた。
今まで足をのばずチャンスのなかったところ、遠野。
でもカッパはおろか、人っこひとりいなーい。唯一いたのは寺の猫、私たちを川まで案内してくれたあと、今度は追いかけられて逃げるように後にする。ひょっとして、おぬしの正体はカッパか!?
陸の孤島のような神話の里、遠野。ただの寂しい村ではすまない、なんともいえない神秘的なオーラが漂う。

お昼は遠野ラムにせよ。by新幹線の中で急ぎ収集した岩手出身のママ友情報。
店に入ってやっと「人間界」に降りてきた気が。近所の工場の人たちや家族づれで賑わう様子に思わずホッとする。
一口食べて、なんじゃ、こりゃ。目から鱗の羊肉。臭みが一切ない、でも風味はしっかり濃厚。
東京帰ったら絶対取り寄せるな私。遠野冷麺も旨し。
遠野ラム 


一泊めの宿は花巻からさらに山の方へ。前回もこの辺りに泊まったけれど今回は違う宿、大沢温泉山水閣。
名物は混浴の露天風呂。
夕食後に設定されているたった1時間の女性専用タイムなんて芋洗いになるに決まってる。なので…、混浴ごっつぁんになりもす。

大沢温泉山水閣

ただでさえ広大な敷地に建て増しされまくったいくつもの棟に点在する8つのお風呂を果たして明日までに制覇できるだろうか。ぬくぬくと瀟洒な新館に泊まってるけど、ディープな湯治棟もちょっと惹かれる。

大沢温泉山水閣2 


翌日は、チェックアウトしたら真っ先にここへ。
~僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる~
高村光太郎
花巻といえば宮沢賢治。前回は賢治関係を攻略したけれど、花巻は実は高村光太郎にとって重要な地でもある。
終戦後の思想的挫折、妻を亡くした悲しみ、、、傷心の中、賢治の父を頼ってこの地に移り、野っ原の中の古い廃屋に住み始め、地域の青少年のために尽力しながら、自身の息吹も取り戻していく。
初めて迎えた冬の雪景色に幸太郎は強い感動を覚えたという。
広大な雪原の中にポツンと今も残る高村山荘、そして後に建設された小さな記念館。この景色の全てが素晴らしくて、折しも雲の上から薄日がパーっと差し込んで、光太郎が感動した景色と同じ景色をこの目で見ているかのような。
この一年の、いろいろな出来事、実は悲しいこと、辛いことが次々に、そしてあまりにもドラスティックに降りかかってきた一年だったのだけど、すーっと心の底から静けさが取り戻されていく気持ちになる。
さて、今夜の宿は盛岡の先ゆえ、本当はここから北上するのがスムーズなのだけど、5年ぶりの岩手路はちょっとマニアックに、がテーマ。(無計画だったくせに、いつのまにかテーマができている。苦笑)
昨日に引き続き平泉出身アッくんママからのLINE遠隔ガイドにて、いったん南へ逆戻りして、「偉人」と「伝統工芸」の町、水沢&江刺へ。

水沢
アッくんママの「Mくん、きっとハマると思うよ」のお言葉通り、齋藤實記念館は海軍好き小学生だった奴のドツボ。
二・二六事件に至るまでの資料はもとより、もしかしたら本人より功績残したかもしれない薩摩出身の春子夫人の華々しく威厳ある遺品なども必見。記念館は展示物保護のために撮影禁止だけど、隣には旧宅や、本人が地元の若者のために東京の蔵書をすべて移し、軍艦内の52度の階段を模すなどして建造した書庫に貴重な蔵書がどっさり。

高野長英や後藤新平の記念館も見たかったけど後ろ髪ひかれる思いで急いで工芸品めぐり。
南部鉄器の工場地帯、その中の一つ及源さんは、2階がファクトリーショップになっている。タン、タン、タン、と工場の建物の階段を登り切ると、こんな粋なオブジェが。南部鉄器の工場地帯の空をゆく銀河鉄道だ。

中に入ると、一転しておしゃれなギャラリーのよう。鉄瓶で入れてくれたお茶をいただきながら、ゆっくりと、自分のライフスタイルにあった鍋を選ぶことができる。
さて、南部鉄器の鉄鍋と鉄瓶をゲットしたあとは、最後はアッくんママご実家の御用達、岩谷堂箪笥へ。
ちなみに「岩谷堂」というのは、店名と勘違いされがちだけど実は地名。それゆえ、昨今の人気で岩谷堂箪笥を名乗る業者は多々あるそうだが、江戸時代から続く正真正銘はこちらだけ。なのに十二代当主のご主人はその敷居の高さを微塵も感じさせない気さくであったかいお人柄。息子さんは東京でシステムエンジニアとかで、「ボクどう?箪笥作り興味ない?」と。笑

さあ、江刺からガーッと北上して今夜の宿は八幡平の秘湯。
すでに闇に包まれた山の雪道を慎重に走り無事到着。夏なのにストーブつけてる秘湯はよくあれど、冬なのに扇風機つける秘湯は初めて。「うちは地熱の暖房なので加減ができないんです。暑かったら窓でも開けて適当に調節してください」の意味を解するなり。部屋にいても温泉浸かってるみたい。さ、そして今夜も混浴いただきます。って、誰もいない。
松川温泉凌雲荘

あっという間の最終日。帰りは7時過ぎに盛岡発の新幹線、それまで丸一日あるので八幡平を少しだけドライブした後、盛岡市内へ。
派手さもないけど、傲慢さもなく、民芸品、工芸品の伝統が生活の中にしっかりと受け継がれている盛岡は大好きな街の一つ。
まずは前沢牛の焼肉と盛岡冷麺で腹ごしらえし、さあ、どこから攻めようか。

ふとホームスパン(紡ぎから染め、織りまで手作業の毛織物)を見てみたくなり、住所頼りに何気なくある家族経営の工房を訪ねてみた。いや、住所をナビに入れても明らかに違う住宅地の中へ導かれてしまい、結局、車で迎えに来ていただいたのだけど、、、。
工房というより、古い平屋の日本家屋、普通のお宅という感じ、「どうぞどうぞ」と迎え入れていただいて靴を脱いで上がると、年代物の機織り機が並ぶ作業場でいきなり糸紡ぎの指導を受けるという想定外の展開。
続いて作品を見せてもらいに奥の部屋に進むと、これまた意外なほど自由奔放なデザインと素朴な風合いの掛け算が素敵すぎて心が踊りまくり。作品の中に埋もれていたのは、カーリーヘアの仙人みたいな先代。
「お父さんは変なものばかり作るから困るよって、みんなにバカにされるのよ」と冗談ばかり言ってるけど、実はISSEY MIYAKEに気に入られてもう10年以上も取り引きがあるという、この世界では著名なすごい人だったと知る。
明治初期にイギリス人宣教師が伝えたとされる岩手のホームスパン、農家の副業として広まりながら、その後は軍服生地の国内生産を担い、大正時代には民藝運動の波に乗って高まりを見せる。
あとで調べて知ったことだけど、家族経営から会社形体の工房まで7~8軒しかないそうだけど、中にはシャネルの作品を作っている工房もあるとか。東京なんかすっとばして、地方からダイレクトに世界に発信できること、これぞ地方が栄え続けていく秘訣。世界に誇れる岩手の民藝、おそるべし。
ホームスパン

そして盛岡に来たらやっぱり行きたい光原社。好きな型染め作家の仕事展が市内で開催中と知ることができたのもラッキーだった。冷麺、ホームスパン、民藝であっというまに日が暮れて、急に底冷えしだした人気のない静かな夜。クリスマスイブの無駄な喧騒とは無縁な町。ホッとするな。さ、駅弁買って新幹線乗ろう。
光原社

えきべん

我が家のクリスマスディナー。Buon Natale a tutti みなさま、良いクリスマスを。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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ritz

Author:ritz
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