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イタリア2015夏 旅報告① 有意義すぎる序章

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【7月18日】
 イタリアから日本に帰ってくるときは損をするけど、逆に、行くときは得をする。なんのことかというと、そう、時間のこと。
 7時間の時差がある日本からイタリアに行く場合、当然だけど7時間ぶん巻き戻せることになる。お昼過ぎに飛び立って13時間も飛行機に乗っていたのに、ローマ空港にはその日のうちの、しかも19時に着いてしまう。
 しかしローマ滞在ならともかく、いきなり地方を目指さないといけない旅人にとっては、夜に着くということ自体が実はあんまり嬉しくない。というのも、ローマから車や電車で移動するにも、その日のうちに動ける範囲には限りがあるため、結局、空港に隣接した味気ないホテルで一泊したあとに翌朝移動開始なんてことも。限られた日数であちこち行脚しなくてはならないのに、なんだ、こんなことならその日に着いた意味がないじゃん。となるのである。

 今回、最初に目指すのは未だ訪れたことのないアブルッツォ州。高速道路を使って3時間とはいえ、バゲッジ受け取って、レンタカーの手続きして…なんてやってると時間も読めないし、なんたって運転するのは夫だし、強行策には出られないよな。仕方ない、空港ホテルで一泊のパターンか。
 と後ろ向きになっていたのだけど、この最初の「足踏み」一泊が、ローマ在住のダニエーレとエウジェニア夫婦のおかげで、今回、ものすごく貴重な晩となった。

 まず、「次の日アブルッツォを目指すなら、このホテルがいいよ」と、アブルッツォ方面の高速道路の入口近くにあるホリデーインを教えてくれた。…助かる。せっかく一泊するなら翌朝スムーズに移動できるに越したことはない。
 しかも、なんと、空港まで二人が出迎えに来てくれた。…嬉しい。何度旅をしても、ゲートを出た瞬間に誰かが待っていてくれるというのはホッとするものだ。
 そして、スーツケースも持ってくれてレンタカーの手続きも一緒にいってくれた。…有り難い。寝不足&13時間の長旅後の身には何より有り難い。
 それから、空港からホテルまで、ローマの煩雑な高速環状線をぐるっとまわる道のりをずっと先導してくれた。…心強い。なんと心強いことか。
 それだけじゃない、いったんホテルにチェックインしたあと、近くにあるトラットリアに連れて行ってくれて、おまけにごちそうにまでなってしまう。…うう、ここまで来ると、もう涙出る。

 しかも、この料理の、美味しいことたるや!
 正直いうと、ローマ郊外の、これといって見どころもない小さなベッドタウン。夜の町は人通りもなく交通量もまばらで寂しいくらい。ちょっとさびれていると言ってもいい。それなのに、そんな町の中にぽつりと、唯一人々の喧噪が聞こえてくるこの店の、レベルの高さったら一体何?
 私とダニエーレの頼んだレモンと小エビとバジルのトンナレッリも、Mのポルチーニとプロシュットのタリアテッレも、夫のスズキのオーブン焼きも、エウジェニアのオーソブッコも、みんなで突っつき合いっこして食べたけど、海の幸も山の幸もみんな新鮮。手打ちパスタもコシがある。味付けもローマのくせにどこまでも繊細だ。
 ちっくしょー。アリタリアの中で家畜のエサのごときガチガチのパンを、ほんの一口とはいえ食べなけりゃよかったと後悔しつつも、するすると完食してしまう。なんでも、二人は新婚当初にここの隣町に住んでいて、そのときからの常連なのだとか。観光客の知れるところとは決してなり得ないような、こういう店こそ美味しいんだよね。そしてどんな寂しい郊外の町にも、人知れずレベル高いトラットリアが存在し続ける、これまたイタリアのすごいところなんだな。

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 中でも絶妙な味わいが際立ったレモンソースのトンナレッリ。トンナレッリといえばそういえば明日から滞在するアブルッツオ州のパスタではないか。うん。なんだか幸先いい感じ。そして、アブルッツオ州といえば、エウジェニアのお母さんの出身地で今でも親戚がたくさん住んでいることも初めて知った。
「アブルッツォはいいわよ。手垢がついてない感じが。なんたって、アブルッツオの人たちは、観光客にまったく興味がないんだもの」
 とエウジェニア。ますます期待が膨らんでくる。
 「ここまで来ちゃえば、明日は高速に乗って、そして降りたらもうアブルットだよ!」とダニエーレが盛り上げてくれる。
 
 彼らとはイタリアに来る旅に欠かさず会っているというわけではないのだけど、少しでも会えそうな機会があったら、こうして必ずや都合をつけて駆けつけてくれる。今回は、Nが1歳の時に母子3人をローマのあちこちに案内してくれた時以来だから3年ぶりだろうか。この春のMの受験のことからイタリアの受験事情、ダニエーレが愛するスタジオジブリの話、同世代ならではの老眼の話題まで、話が尽きない。

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 最後にエウジェニアから、家族4人それぞれにプレゼントまで。そう、こうしていつもひとつ一つに一言メッセージをつけてくれる。私には、ローマ料理の象徴ともいえるカルチョッフィの絵が描かれたおしゃれなガラス製鍋敷き。いつもながらセンスがいい!
 共働きで、二人ともストレスフルなキャリア人生を送る身なのに、忙しさを微塵たりとも匂わせず、たった数時間のためにこんなに素晴らしいおもてなしをしてくれる、そんなダニエーレとエウジェニアに心から感謝。
 日本を出たその日の晩のうちにイタリアに着くということの本当の有り難みを初めて痛感した晩である。

 そんな翌朝は、隣の部屋の観光客の騒音で目が覚めちゃっても、中国人団体客に最後の一個のプレーンブリオッシュを取られちゃっても、寛大な気持ちで旅の第一目をスタートできちゃうのであった。
 3週間の旅も、順調な滑り出し。でもその陰には必ずやイタリアの人たちのやさしい心意気や協力があってこそを忘れてはならない。
 さあ、いざ、未踏の地アブルッツオへ!







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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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ritz

Author:ritz
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日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
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