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今度は夏のイタリアです。

2013.7.19

クルジョニスという変わった名前のこの詰め物パスタは、サルデーニャ州の郷土料理。麦の穂を表すように綴じるのが特徴なんだけど、これがまた難しすぎる。提出日直前に宿題に手をつけて、出来が悪くて焦る子供の気分。
というわけで、春のイタリア報告がやっとし終わったばかりでなんですが、実は明日から夏のイタリアです。サルデーニャです。

毎度のことながら旅の準備は本当に一仕事で、子供二人分の荷造り、子供たちの医者のハシゴ、そうそうイタリア人へのお土産も買わなくちゃ、なんてやってるとあっという間に時は過ぎ、本当は、料理修行の旅をより実りあるものにするために自分自身のために準備しておきたかった作業は果てしなく存在しているのだけど遅々として片付かず焦るばかり。ああ、んもう、いやっ。
そしてついに前日になって、ようやく時間切れであることを自覚し、ここまできたらあとは、あした寝坊さえしなけりゃ大丈夫、とあきらめの境地に達するいつものパターン。開き直ってブログなぞに手を付けているというわけだ。

今回の旅は久々に最初から最後まで夫も一緒。しかしその仕事の都合やMの夏期講習の予定などもあり、またもやたったの10日という駆け足の行脚。
それでも今回のイタリア行きには特別の思いがある。
というのも、この先は少なくとも二年はイタリアに行かれないからだ。
またそんなこと言って~。どうせすぐ行くくせに~。なんて声が聞こえてきそうだけど、今度こそ本当に本当に、Mにとって小学生生活最後のイタリアになることは間違いない。彼ももう5年生。我家も中学受験と言う現実にそろそろ真剣に向かい合わないといけないからだ。

今年、春夏二回もの渡伊に踏み切ったのも、悔いの残らないよう行きたい場所へ行けるだけ行こうというのが本当の理由だ。春には、自分の原点の地を巡り、しばらく会えなくなるけど元気でいてほしい“親戚”を巡る旅。そして明日からのイタリアでは、“旧友”と“恋人”を巡る旅をしようと思う。
訪ねる地域は大きく分けて二つ。前半はMが1歳の時と4歳の時に料理を習いに行ったサルデーニャ島の家族の家を6年ぶりに訪ねる。観光客に人気の島の西海岸でも、高級リゾート地として有名な北東部のエメラルド海岸でもない、島の中の「盲点」にあたるような場所へは、夫という運転手がないとたどりつけない。6年という歳月の間に、達者だった90歳のおばあちゃんが亡くなったということだけは知っているけど、あとはみんな、どんなふう変わったか、あるいは変わってないのか、物理的な距離の遠さもあるけれど、Eメールをやらない家族の近況は行って確かめるしかない。それだけに、満を持しての再訪なのだ。
後半は海から一転してウンブリア州の山奥へ。2~3年に一度は訪れている秘境の宿なのだけど、とにかくここで過ごす夏はイタリアの田舎の魅力がすべて詰まっている。アラフィフで独身のいい男もいる。Mにとっての「イタリアで行きたいところ第一位」ということもあり、サルデーニャから一気に飛行機で飛んで、後半を過ごすことに。
実家や親戚のような無防備に飛び込める感じはないのだけど、サルデーニャの家もウンブリアの宿も、あと二年はイタリアに行かれないと思えばこそ、必ずや訪ねておきたい場所だ。

こんなふうに、イタリア中の片田舎の、あるときは農家の家に、あるときは小さなリストランテの厨房に、あるときは普通の家庭のマンマの家に、図々しくあがりこんでは料理を習うようになって14年。
もし純粋に料理だけを、できるだけ多くのレパートリーと高い技術を学ぼうと覚えば、有名な料理学校に行ったり、たくさんの有名シェフを日本人の中にも輩出している高級店で修業するに越したことはないだろう。卒業すれば国に帰ってから活動の場が約束される、そんな外国人向けの学校や組織だって存在する。
いま流行のマンマの家庭料理を習いたいだけならば、きょうびイタリアの果ての地にも住んでいる日本人が、地元の主婦が教える料理教室のコーディネートを生業にしてらっしゃるケースもたくさんある。

でも、私の場合、そのどちらとも、ちょっと違う。
自分で見つけた田舎の宿で出会った骨太な料理に惚れて気がつけば毎年のように通わせてもらっていたり、お世話になってるマンマが紹介してくれた友達の料理通のマンマの家に急に居候することになったり…。そんな風に縁が縁を呼び出会ってきた私の料理の師たちには、これっぽちの欲も名誉もなく、ビジネスにも無縁で、お金のやりとりもが介在しない。純粋に好意だけで教えてくれる料理、あるいは自慢したい一心で教えてくれる料理には、どんなに高いお金を積んだとしても味わえない、暑苦しいまでの愛情というエッセンスが効きまくっている。私にとってのイタリア料理の神髄は、そこにある。だから、こういう旅がやめられない。
もちろん、当然、料理のプロでもない主婦や、片田舎の食堂で料理を習ったところで、私にできることといえばせいぜい、田舎の小さな台所の味を、私の小さな台所で再現して人に教えることくらいなのかもしれない。彼ら普通のイタリア人と私との、個人的なつながりでしかないから、日本に戻っても、私に活動のチャンスを用意してくれる日本人がいるわけでもない。でも、無償で教えてもらったマンマの味なのだから、それで大きな商売をたくらんだとしたら、その時点でそれはもうマンマの味ではなくなってしまうに違いない。それもまた、私がずっとこだわりたいことの一つでもある。

そんな自分の、あるようでないような、いや、ないようであるような志を確認しながら、明日からの10日間、どうか悔いや未練を残すことのない旅になりますようにと願うばかり。

帰ってきたら、私には、この先イタリアに行かれない二年の間に、課せられる事がある。
一つは、当然だけど息子と中学受験に向かって共に歩むこと。勉強をみてあげることは難しすぎて早くもお手上げだけど、いつもMの心に、もういいよって言われるくらい寄り添って、一緒に泣いて迷って橋って、結果はどうであれ最後に一緒に笑えるところまで目指してみようと思う。
そしてもう一つは、無償で教わってるマンマたちの料理そのものを商売の道具にするつもりは相変わらずないけれど、でも、だったらいっそ文章にしてみようかと。やっと猛烈に、そんな気持ちが湧いてきた。
ん?なんだか鼻息荒い?出発前の準備鬱が一転して、ハイになっちゃった?かもしれない出発前夜、と思ったら出発日当日の午前2時半。そろそろ本当に寝坊してしまうとやばいので寝ることにします。
ああ、10日後の今頃は、もう帰りの飛行機の中か…って、早くもイタリアへの未練たらたら。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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