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イタリア2013年春 回顧録⑥

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モデナを拠点にしながら、実はもう一カ所、いや二カ所、行くべきところがあった。
一つはボローニャ。これまた、もうひとつの私の原点をめぐるため。もう一つはヴェネツィア。料理修行とはまったく関係がないヴェネツィアになぜ行くことになったかはまたあとで。

パオロの家に荷物を散らかしたまま、取り急ぎ二泊分の荷物を持ち、ローカル線でモデナからボローニャへ。今夜、泊めてもらうことになっているジリオーラとジョルジョに駅まで迎えに来てもらい、彼らの家に荷物だけ置いて、まずは休む間もなくT子さんの家へ。
T子さんとは、14年前の私の料理の師、マリアの息子さんに8年ほど前に嫁いだお嫁さん。息子が日本人と付き合い始めた!と大興奮の手紙がマリアからはるばる日本に届いた時のことを私は今でも忘れられない。今では二人の孫にも恵まれとっても仲のいい嫁姑。そのマリアは病気のお兄さんの看病でヴェネト州の実家に帰っていて会えなかったけれど、同じくボローニャ在住の日本人妻N子さんが子連れでかけつけてくれた。このN子さん、偶然にも実は私の友達の旧友でもあり、まったく関係のないところからこうして友達と友達とがつながっていることを思うと世界は本当に狭い。でもそれは、ボローニャに住む日本人のママたちの結束がとっても強いことの証でもあるんだと思う。
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久々に思う存分日本語を話すとやっぱりほっとする。でも、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎて、T子さんの長男ロレンツォくんを幼稚園にお迎えにいく時間。興味本位で、みんなでぞろぞろとくっついて行く。ロレンツォくんの幼稚園と同じサレジオ会の学校に通っているM、今回の旅も、学校から2日ほどお休みをお願いして来ている旅ゆえ、まずはドン・ボスコにごめんなさいのご挨拶。
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あら、お友達?とおばあちゃんのシスターが出て来たので、日本でサレジオ会の学校に通ってるんです、と言うと、たいそう喜んでくださって、「私もいずれ日本に赴任することもあるかも!」なんて言ってのける、どうみても90歳近いシスター、あっぱれだ。お迎えにぞくぞくとやってくるお母さんたちを片っ端からとっつかまえておしゃべりしてる様子は、シスターの格好さえしてなければ、私がいつも料理を習うようなイタリアの元気なマンマと一緒。こんなシスターが学校にいたら、楽しいだろうな。
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さて、ロレンツォくんをピックアップした後、今度はバスでシミリおばあちゃん姉妹の家へ向かう。正確にいうとT子さんに連れて行ってもらったという方が正しいが。夕方のラッシュアワーにさしかかり混雑するバスに、うちのと、鶴子さんのところとベビーカー二台。日本みたいにベビーカーをくくりつけないといけない座席があるわけでもなく、当然だけどノンステップバスなんか存在せず、これといって子育て世代に配慮がある構造にも決まりにもなっていないのだけど、子供を乗せたベビーカーを髪の毛振り乱して抱え込んで乗ってくる母と子には、誰が言い出すでもなく、すっと席が譲られる。かさばるベビーカーで迷惑かけてもなぜか肩身の狭い思いをしない。それこそ、優先席にも何にもまさる有り難さだ。子連れで旅するようになってあらためて、イタリアという国の、弱者へ対する包容力のようなものを毎回痛感する。

バスを二回乗り継いで、シミリ姉妹の家へ到着。
マルゲリータ・シミリとバレリア・シミリという二人のおばあちゃん姉妹であるシミリ姉妹は、ボローニャ料理の生き字引、言わずと知れた重鎮。今ではその料理教室も閉めてしまったけれど、ボローニャに来るたびに元気な姿を拝みにこないとなんだかバチがあたりそうでつい押しかけてしまう。
「んまあ!モ〜ンド、大きくなって!ネオもすっかりたくましくなって!そしてリツコ…」のあとは毎回必ず同じセリフがつづく。
「今回も訪ねて来てくれてありがとう。大勢の生徒を送り出したけれど、こうして欠かさず顔を見せてくれるのはあなただけよ」
そういわれると、一度足りとて素通りできずに、また来てしまうのである。

バレリアが、私が料理教室に通っていたときの「同窓生」であるマリオに声をかけていてくれた。
「子供二人連れて来たのか?!たったひとりでか!?」と半ばあきれ顔のマリオ。ボローニャの高級住宅地に住んでる外科医で、リタイヤしてからはボランティアでアフリカに行ってることが多いのだけど、会えてよかった!趣味人で料理も上手、今回も姉妹に自然酵母の質問をしていたかと思えば、いつのまにか、料理教室さながらの生地作りが始まってしまった。
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鶴子さんの子供たち、うちの子供たち、計4人の子供が、シミリ姉妹のひろ〜い大理石の高級アパートをかけずり回る。こっちに来てからというもの、イタリア人にははしゃげばはしゃぐほど誉めてもらえることに味をしめたNは悪ガキぶり全開。日本に帰ったら、またしめなおさないとっ。
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帰り際、バレリアが私の背中をさすりながら言う。
「リツコ、やせすぎよ。パスタを食べなさい!パスタを!」
はい。肝に銘じます。次に来る時までの課題をしっかり言い渡されてシミリ家をあとにしたのだった。


夜はジリオーラとジュリオ夫妻の家でゆっくり夜ごはん。子供のいない二人暮らしの夫婦、小さなアパートで客間もないのだけど、いつも自分たちの書斎にベッドを用意してくれて私たち母子を迎え入れてくれる。
ひとり入ればいっぱいになってしまう小さな台所も私は大好き。ここから生まれるジリオーラのごはんは、時間も手間もかけないけど、さりげない中にセンスのある、それはそれは美味しい料理。二年前にリタイヤするまでずっとお勤めしていた彼女ならではの手際の良さがめいっぱい生かされる台所だ。
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夕飯には、ネリーナとフランコ夫妻が来てくれた。彼らは、私が初めてイタリアに単身で来た時のステイ先の夫婦。右も左もわからない、イタリア語もろくにしゃべれない、そして無謀にも二ヶ月の有休休暇を取得して会社をほっぽってきてしまった私を、実の娘のように心配してくれて、そして応援してくれた。言ってみれば、イタリアでの私の父と母だ。
しかしあれから14年、彼らも年を取り、健康問題などいろいろとあって、難しい局面を迎えている。それもあってここ数年はもっぱら彼らの親友夫婦であるジリオーラとジュリオの家に身を寄せてもらってるのだけど、イタリアの父と母がやっぱり心配でならない私のために、こうして必ずジリオーラが彼らを夕食に誘ってくれるのだ。
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彼らの中にいると、子供たちもろとも、無防備でいられるというか、弱音も弱みもさらけ出せるというか、無理してしゃべったり笑ったりしなくてもいいというか。父と母と、そして叔父叔母に囲まれているかのような、不思議な安堵感を覚えるのは、いつ会っても変わらない。
ボローニャの一日はあっという間に終了。明日は朝早い電車で、ヴェネツィアへ…。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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ritz

Author:ritz
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