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イタリア スマホ通信④





ただでさえハプニングがつきものの子連れの旅、おまけにたった10日のイタリア行脚の中では、えー?!なにもこんなときに、そうこなくっても、というシーンも幾度有るか知れない。
ピエモンテを経つ朝も、アスティを9時に出発する電車に乗るべく、ピヌッチャが朝早くから用意してくれた朝食を急いで食べなくちゃ、というときにNが突然ゲボッ。熱もなさそうだし一過性のものだと思うけど、まったく最後の最後までドタバタでお別れの挨拶のろくにできなかったのが悔やまれる。

アスティ駅までは初日にも世話になったタクシー。余裕を見たはずなのに結局ギリギリになってしまった。当然のごとくエレベータのないイタリアの駅。運転手さんがホームまで荷物を持ってくれてまずは一安心。と言いたいところだけど、イタリアの電車はここからがまた大変。23キロのスーツケースを持って高い高〜いステップをのぼらなくちゃいけない。おっと、それからまだ問題があって何号車がどのあたりに止まるのか、もっというと先頭が1号車かそうでないのかすら事前にわからないのがイタリア。
でもこんな荷物を抱えてる母子家庭を誰も放っておかないのもまた、イタリア。今回も隣に立ってた物静かなおじさんがぼそっと「僕が手伝おう」と全部の荷物を上げてくれた。

悪名高きイタリアの国鉄も最近は意外と時間通り。新幹線まではいかないけれどフレッチェビアンカでほんの二時間でモデナに到着。駅まで迎えに来てくれることになってるパオロにひとつ手前のレッジョエミリアから、「いま、レッジョエミリアすぎたところ。次だよね?」と電話するのが後ろの座席に座っていたおじさんとおばさんに聞こえたのだろう、早々に座席を立って荷物を下ろすのを手伝う準備をしてくれている。女手ひとつで旅をしていて却って助かった、なんてシーンの連続、これもまた、イタリアならではかもしれない。

14年前にモデナで料理修行をしていた際に下宿していたミレーナおばあちゃんの息子がパオロ。当時、まだろくにイタリア語も話せなかった私は耳の遠いミレーナおばあちゃんとなかなかコミュニケーションが取れず、パオロとその妻アドリアーナにずいぶん世話になった。今ではモデナに来ると必ずパオロの家に寄せてらっている。

子供もすっかり手が離れ、それぞれ仕事に邁進してる夫妻、今回もパオロは昼休みに仕事を調整して迎えに来てくれたあと、家で私たちに昼食を準備してくれると、慌ただしく仕事に戻ってしまった。

せっかく早起きしてモデナに移動して来たのに、午後はどうしよう、チェントロに出るにもバスで行かないのか…と考えあぐねていたところへ旧友のエリザベッタから電話。
「モデナに着いた?午後は何してるの?」おお!なんというグッドタイミング!

結局、エリザベッタに迎えに来てもらい、彼女の家に押し掛ける。彼女のマンマとパパが屋根裏部屋で長年作り続けているバルサミコのアチェタイオを見せてもらう約束をしていたからだ。
マンマとパパとは実に14年ぶりの再会。パパは足が悪くなって杖をついていたけれど二人とも全然変わってない。ママにいたっては白髪にこそなったけど前よりおしゃれでエレガントに見える。「んまあ!何年ぶりかしら」と抱きしめてくれた腕は、二人ともまだまだ力強い。



一族三世帯で住んでいる4階建てのアパート。そのいちばんてっぺん、腰をかがめないと進めない屋根裏部屋、うすぐらい小部屋の中にこの家のお宝たちは眠っている。
トレッビアーノ種のぶどうの絞り汁を一日かけてじっくり煮詰めたものをまずはデカンターレしたあとに樽にうつし、あとは何年もかけながら、古い樽の中のバルサミコの使った分だけ、新しい樽の中から足して行くというのを順繰りに繰りかえし、何年もかけながら作るのがバルサミコ。若いものから古いものまで順番に味見もさせてもらって工場見学の気分。毎回会うたびにエリザエッタからもらっていたバルサミコがこんなに多くの手間と行程を経た暁のものだと思うと、今更ながら恐れ多い気持ちになる。

その後は、ちょっとお茶だけのつもりが、MとNそれぞれにたくさんのプレゼントまでもらってしまい、Nは歌って騒いでいたずらするほど「なんてインテリジェンテなの!」「活発ですばらしい!」とほめられ、そんな弟をMが軽くあしらえばあしらうほど「なんて我慢強いんだ!」「落ち着きがあってすばらしい!」とほめられ、居心地のいいことといったら。その後は70年近く前の結婚式のアルバムを持って来たパパから「ここに写ってる子供はピニンファリーナの創始者の息子で、あ、そうそう、結婚式ではパヴァロッティのお父さんに歌をうたってもらったのさ。そのお父さんってのはこの先のパン屋でね…」みたいな話が延々と続き、気がつけば一日がすっかり終わっていた。

パオロの家に帰ったのは9時過ぎ。家族みんなをすっかり待たせてしまったけど、あたたかいミネストラと豚肉のステーキで迎えてくれた。
やっぱりモデナに来ると、ほっとする。と言いたいところだけど、モデナに来ると挨拶周りしないといけないところがたくさん。きっと慌ただしく過ぎるのは目に見えている。ああ、時間と身体がもっと欲しい。
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ritz

鍵コメさま=Mちゃん!
もっちろん覚えています。それどころか折に触れて「元気かな。どうしてるかな」と思ってました。
ほんと~に嬉しい。連絡ありがとう。
でも、メルアドが貼付されてなかったのでお返事が書けないの。よかったら再度コメントにてアドレス記入してください。私しか閲覧できないのでご安心を!

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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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