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イタリア スマホ通信2013春②




自分が朝から深夜まで身を削って働いていた場所で、まるでお客みたいに、いや、どちらかというと身内みたいに、一日中好き勝手に過ごすというのは、これまた格別に贅沢に感じるものだ。

サヴォイア家から買い取った城を、女三姉妹がそれぞれに宿の主人、カンティーナ支配人、料理長として役割分担しながら受け継いでいるこの宿。正統派のピエモンテ料理が習いたい一心で無理やり厨房に飛び込んだあの日から、もう13年が経とうとしている。

二~三年に一度は来てるけど
「Mはいくつになったんだっけ?6歳?そんなわけないわよね、8歳か?」
違う違う、もう10歳だよ。
「えーっ。もうそんな?何年時が経ったのかしら。こっちも年をとるはずよね」
そんな会話を、今回も、朝食担当のペッペから始まって、リゼッタ、ガブリエッラ、リッリの三姉妹それぞれと、賄いのブルーナと…一日中交わしていた気がする。本当に、時の経つのは早すぎる。
世代交代がこの宿にも着々と行われていて、13年前はまだ学生だったリゼッタの長女アレッサドラが厨房を仕切り始めている、どころか、今や彼女も女の子二人の立派な母親。と思ったら、なんと三人目が生まれていた。しかも、代々女系の一族に待望の王子様だ。

トリノからわざわざ会いに来てくれた
カティとダニエーラのために、リゼッタがランチのテーブルを用意してくれた。その名も春のフルコース。






こんなオシャレなものは13年前にはメニューになかったことを思うと、頼もしいような、さみしいような複雑な気分も。

カティたちが帰ったあとは、再び身内ヅラして、一族とお茶タイム。ここで思いもよらぬ貴重なプレゼントをもらってしまう。
「私たち家族の歴史を一枚にしたクッションカバーよ」
と言ってリゼッタから手渡されたそれは92歳になるおばあちゃん、つまり一族の長が作ってくれたクッションカバー。なんと、セーターの古着をパッチワークしたもの。
「これは私が子供の頃に来てたお気に入りのセーター、これは姉妹三人が来たあと、娘たちも来たやつで…」
触ると今だにふわふわの質のいい毛糸、鮮やかな色使い、さすがイタリア。彼女たちが曾祖父の代から脈々と繋ぎ続けて来た一世紀近い歴史を、こんなふうに一枚に織り込んだものをプレゼントしてもらえるなんて、涙が出そうになる。




料理も、サービスも、ただ伝統を守るだけでは前には進めない。時代に応じて変化しながらも、でも、守り続けるものは頑固なまでに受けついでいく。そんな一族の哲学が込められたクッションカバー、そんな気がしてきた。
栄え続けるというのは、そういうことなのかもしれない。家も、会社も、政治も、国も。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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