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イタリアスマホ通信改めMacBookAir通信2012夏⑧



農家のマリオとクラウディアの家に私が初めて居候したのは、まだ子供も生まれる前、身軽に料理修行をしていた11年前のこと。そのときも、まったく同様にチェチナの駅までクラウディアに送ってもらい、おそろしく高いステップをのぼらないといけないイタリアの鉄道車両にクラウディアにスーツケースを積み上げてもらいながら「いい?おりる時はそこらへんにいる人を取っ捕まえて“Mi da una mano per favore?”(ちょっと手を貸してください)と声かけまくりなさい。いいわね?」と言われたのを思い出した。
今や、身軽な一人旅のスーツケースどころか、子供ふたりぶんの荷物が入った早くもアリタリアの重量制限ぎりぎりのスーツケースと、コロコロキャリー、手荷物3個、それからローマに行ったらベビーカーがないと不便だからとクラウディアがくれた親戚の中古ベビーカー、そしてなにより一歳児という大きな荷物。“mi da una mano per favore”を一体どれくらい叫びまくることになるんだろう。たかがローマまでの旅とはいえ、傍からみたらコイツら、一体どこから出稼ぎにやってきたんだ?みたいに見えるかも。

クラウディアと駅員のおじさんにも手伝ってもらってまずはなんとか乗車。ふー。親の不安をよそに、こういうとき常に平常心なのがM。車内販売で好物のプリングルスを買い、ぼりぼりかじりながら読書にふけっている。Nは寝てくれるはずが大好きな電車で興奮気味。それでもなんとか無事に、30分送れというイタリアでは極めて正確な時間通りに、午後3時すぎにローマテルミニ駅に到着。“mi da una mano per favore”は同じコンパートメントだった口数少ないビジネスマンのおっさんにたった一回利いただけで、なんとかホームへ。「う、pesantissimo(重すぎ…)」とつぶやいてたのはこの際聞かなかったことにしよう。
「2号車だっていうから前の方で待ってたら、後ろだったのね~!!」と叫びながらロレッラが走って来た。ああ…、一気に緊張の糸が解けて、つい涙ぐんでしまう。


昨年の夏、生後8ヶ月のNとともに母子3人でオルヴィエートでお世話になったのがこのロレッラ。ローマの知人が営むB&Bをこの夏だけまかされることになって、「ローマにもよりなさい!」と言われて今回母子で訪ねることにしたのだ。
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宿に着いた早々、恒例のプレゼント交換大会!ロレッラとの再会はいつもクリスマスさながらの光景から始まる。
3部屋だけのB&B、小さいながらも小ぎれいで、なによりロレッラしか管理人がいないからまるでロレッラの家にいるみたい。他の宿泊客は使用できないキッチンも、ロレッラといっしょに料理したりできるので便利さこのうえない。無線LANも完備で持って来たマックがはじめて日の目をみることに。こうして急遽、スマホ通信あらためAirMac通信となった次第。
唯一欠点をあげるとしたら、シャワーが固定式、しかも私でさえ手が届かないほど高い位置にあること。Nを風呂に入れる際は、私がだっこして、二人して滝に打たれないと行けないので、大泣き必至。頭の上からのじゃぶじゃぶシャンプーも初体験。まさに修行である。

どこにも出かけずに部屋でひたすらゆっくりしたあと、8時過ぎに食事へ。ロレッラが連れて行ってくれたのは観光客も寄り付かないローマ大学近辺、いかにもローマらしい気さくなトラットリアが立ち並ぶ地域。近くに住むロレッラの友達も合流してくれた。
ところでヨーロッパ人が、東京のカフェなどでも外の席を好む理由を初めて理解する。日本ほど湿気がないものの、この夏は40度近い日が続いてるというローマ。でも夜になると風が吹く。だからどの店も思い切り歩道にテーブルと椅子を並べ、外で食べるのが当たり前の選択肢になるのだ。ちなみに中で食べてる人はひとりもいない。

イタリア人の長い長い食事に、当然つきあってられない1歳児は、歩道を縦横無尽に走りだす。3軒先のカフェの前で夕涼みしてるおじいさんと犬のところまで走っては「あ、わんわん」といって方向転換、今度は逆方向に走って知らない人に「ちゃおー」と挨拶、で、また戻って同じことのくりかえし…。どこまでも落ち着きのない子供でも、こっちの人は本当にあたたかく接してくれるのが救い。それどころか、あっちおっちのおばさんやおじさんに気がつけば高い高~いしてもらっている。子供のことを「テゾーロ(宝)」と総称する国、イタリア。未来の反映へとつながる子供を大人みんなが見守り、育てる。きっとそれは古代ローマ時代に築かれた彼らの精神なのかもしれない。ローマの下町の人たちを見ていると、そんな風に思えてくる。
11時半をすぎても、あっちの店のテーブルも、こっちの店のテーブルも、終わる気配なし。ローマの夜はまだまだ続く。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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