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イタリアスマホ通信2012夏⑤


シチリアの東玄関カターニャから島の下半分をぐるっとまわり、最後の滞在先は西の突端トラーパニ。
今回のシチリア、実は3年前に旅した軌跡を逆方向で辿っていることになる。同じ宿を拠点にしていているのは前回のお礼参りかたがた、再び同じ人たちに料理を習いたいから。でも昼間の過ごし方に関しては、何回来ても新たなシチリアの魅力を楽しめるから全く飽きない、それくらい貴重な資料や壮大な歴史が至る町に、いや野っ原にでさえも眠っているのがシチリアのすごいところだと思う。
トラーパニでの最終日は、日帰りで船で30分のファヴィニャーニャ島へ。マッタンツァと呼ばれるまぐろ漁で有名だったこの島、のどかな島と手つかずの海辺がにわかに話題を呼び、今では夏はB&Bに長期滞在するのがこの島に来る観光客の常識的なスタイル。さてそんな島になんと日帰り強行軍でという私たちの無謀な行動も、日頃お世話になってるOさんの取引先のマグロ屋アントニオがいろいろ手配してくれたおかげで、思いのほか満喫できてしまった。

海辺でのんびり…のはずが、寝てる間におちんちんをかきむしったM、海水がしみるしみると大騒ぎであっという間にリタイヤ、

昼ご飯を食べたあと小さな島をタクシーで一周してもらうことに。きっと最近始まったばかりなんだろうな~と思しきタクシー業者、急に予約が重なり始めたようで、ずいぶんと駆け足、説明も超早口&シチリアなまりのイタリア語で6割くらいしか理解できず。とほほ。
最後にアントニオの店に寄り挨拶。「Cala Rossaは行ったか?」「ううん、徒歩じゃないといけないからって、隣の岸壁スポットから見ただけ」「なに?!ダメだよ、最低だな、奴ら。水が透き通りすぎてて、水が見えない、だから空中に浮いてるみたいに感じるんだ。ああっ…それを見ないなんて、なんてこった。帰りの船の便は何時だ?変更できるか?店を閉めた夕方なら俺が連れて行ってやるんだが」
そこまで言ってくれたけれど、夕方は早めに宿に戻って料理を習うことになっているため、断腸の思いで島を後にする。

タクシーの兄ちゃん、あとの客が控えてたから端折っちゃったんだろうけど、それにしても一番大事なスポットを飛ばすなんて。それでも、Tufoと呼ばれる凝灰岩で栄えた時代の面影をそのまま残す石切り場の跡を案内してくれてファビニャーナのもう一つの本当の素顔を知る機会をくれたこと、それから最後にグラニータがおいしい店を教えてくれたこと(これ、ほんとに美味しかった!ちなみにピスタチオとアーモンドのグラニータのもりあわせはさらに絶品であった)は評価に値するので、まあ良しとしよう。

宿に帰り、厨房にお邪魔する。
この宿はレストランとしてもスローフードからも評価を受けていて、宿泊客以外にも連日大勢の客で賑わっている。
3年前はたったと一泊で素通り同然だった私たちのことを、若女将のジョヴァンナが覚えていてくれた。「どうぜ覚えてないよな、きっと」と思いながらも毎年出していた我が家の年賀状が、なんと事務所の壁に二枚並びで貼ってあるではないか。ちょっと感激。


レストランを仕切るのは一番の古株ニーノ。Grande cuoco Nino!まさに体も小錦クラス。ニーノ以下、8人の厨房スタッフもすべて男性。男だけの厨房はイタリアではまず見たことがない。
この日は宿泊客以外に、地元の卒業パーティーと誕生会の予約も入り、いつもの3倍の客、8人の男子が厨房で一時も休む間もなく動き回っているというのも、イタリアでは貴重な光景に違いない。
そんな忙しいさなかでも、丁寧にレシピを教えてくれたセコンドシェフのToni、そして、ときどき厨房を除いては「味見してる?前菜も全部味見してみて、わからないことがあったら何でも彼らに聞いて」と片っ端から味見させてくれたジョヴァンナにも感謝。


トラーパニにはシチリアでもここでしか食べられない珍しいメニューが多くある。アラブの影響を色濃く残す港町ならではのクスクスもそう。ブジャーテと呼ばれる、タリアテッレにくるくるとパーマをかけたみたいなパスタもそう。トラーパニ風と名がつけば、トマトとアーモンド、ニンニクでつくったトラパニ風ペーストで煮込んだか、もしくは上にかかってるもの。つい、トラーパニと名がついたものを頼みすぎて、なんだ、みんな同じ味じゃないかと後悔したこともある。

東から西へ駆け抜けたシチリアの旅、ああ、とにかく時間がたりなかった。
それでも3年前よりは確実にシチリアが、もっと好きになっている。
また来なくっちゃ、だな。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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