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イタリアスマホ通信(2011秋)5


後半は、料理修行原点の地であるボローニャ、モデナへの里帰りの旅。それはつまり挨拶周りの旅でもある。

ボローニャの父と母、フランコ&ネリーナ夫妻は、私が12年前に初めてイタリアに料理修行をしにきたときに居候をしていた家。
彼らの親友、アンナも、なんとポルペッテ持参で駆けつけてくれた。
歯車の噛み合わない漫才夫婦みたいな彼らに代わり、当時、慣れない私を精神的にささえてくれたのが、高校で心理学の先生をしていたアンナ。そして、拙著の一番最初の章に登場するのが、このアンナのポルペッテ(肉団子)。
子供ができる前は、早くつくりなさい!と叱られ、Mが生まれてからは、早く二人めつくりなさい!と叱られ、やっと叱られないで会えるかと思ったら、
なんでこれっぽっちしかボローニャにいないの!と叱られる。

フランコは暖炉で焼き栗をつくってくれた。
なんだか12年前にタイムスリップしたみたい。
私も含めて、みんな確実に年だけはとっているけれど…



ネリーナの家での、過去最高記録の五時間のランチタイムのあとは、ボローニャで最も有名な料理人姉妹、ヴァレリア&マルゲリータ姉妹の家へ。当時の“同窓生”である、外科医のマリオも誘って一緒に押し掛ける。
Mが、前回暖炉に松の実をぶちこむ作業を率先してやっていたのを覚えていてくれて、山ほどの松の実を用意して待っていてくれた。もちろん、私たちにはお手製の焼き菓子を。
今では閉めてしまったが、姉妹の料理教室には、頑な伝統料理の真髄を学ぶべく、地元の主婦もかよいつめていた。もちろん、アメリカ人やドイツ人、日本人も。
「でも、こうして今でも訪ねてきてくれる日本人の生徒はあなたくらいよ」とヴァレリア。残念な話だ。


さて、そんなこんなでモデナにつくのもすっかり遅くなってしまったが、後半の四泊お世話になるパオロの家では、あつあつのトルテッリーニが私たちを迎えてくれる。
私が12年前にホームステイしていたおばあちゃん、ミレーナの息子がパオロ。耳の遠い彼女と、まだイタリア語がほとんど話せなかった私の間に入って、何から何まで世話を焼いてくれたのがパオロ。以来、こうして家族ぐるみのつきあいがつづいている。当時、8歳と4歳の兄妹だったヤコポとオッターヴィアも、いまや20歳と16歳。
彼らからしてみれば、私なぞ、日本からちょくちょくやってくる変なおばさん、てな感じなんだろうけど、あいさつは欠かさないし、コーヒーも入れてくれるし、NやMとも遊んでくれるし、何より、彼女や彼氏とデートの日でもこうして夜ごはんには家に帰ってくる。
どうしたらこんないい子に育つのか、パオロたちの子育てもみっちり習いたいくらいだ。



さて、こちらはトルテッリーニの巨匠、イリスおばあちゃん87歳。
毎回行くたびに「あんたと会えるのはこれで最後かもしれないよ」とうっすら涙。最後になんかしてやるものかと、いつもこうしてしつこく押しかけている。
お願いだから100歳過ぎるまで、いやもっとずっと、元気でいてほしい。
私のことはいつも「ニンニ」と子供よばわりだけど、「でかした、でかした!たいしたもんだ」とNの誕生を喜んでくれた。



畳を縦にふたつ並べたくらいのスペースしかない厨房で、毎日新鮮な食材たちと戦いを繰り広げるのは、アダ。
12年前、私が初めて、右も左もわかないモデナで、真っ先にこの厨房に招き入れてくれたのが、彼女。
ここでみっちり一ヶ月、誰も教えてくれなかったイタリア料理の意外な常識や、彼女が編み出した料理マジックを叩きこまれた当時の思い出が、ここにくるといつも、昨日のことみたいに蘇る。

モデナの恩師や知り合いたちに挨拶まわりしていたら、あっという間に最後の一日。
時間が足りなさすぎるぅぅ。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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