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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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イタリアスマホ通信(2011秋)1


「んまあ!ぴったり二時!あなたたち、スイス人みたいに時間きっかりだわ!」
クルマからMが飛び出してくるのをまるで待ち構えてたかのようにピヌッチャが出迎えてくれた。
北イタリアのピエモンテ州にある小さな町、アルバからさらに丘陵地帯を行った中にあるこの宿についたのは、ナビが示した通りのぴったり二時。
いやあ、とにかく、長い長い道のりだった。

今回、Mの学校の兼ね合いもあり、一日でも日程を稼ぐべく、朝一にイタリアに着けるよう、日本から夜便のあるエールフランスにしたのだが、なんと、出発当日の昼になってパリ~トリノ便がストライキで突然キャンセル。
代わりの便は、どう頑張ってもジェノバ行き、しかも当初のトリノ便より三時間も遅い出発。トリノからなら宿までクルマで三十分で着くところ、一時間半かけて行くことになる。
まだ夜があける気配もない冷たいドゴール空港。他のイタリアの都市にはどんどん飛んでいくのを横目に、ああ、やっぱり先にボローニャ行くことにしときゃよかったなどと、自らのカンの無さに旅の先々に不安定を抱きつつ乳児かかえて待つこと六時間。
やっとこさジェノバに到着し、パスタジェノベーゼにも目もくれずピヌッチャの宿めざしてぶっ飛ばしてきたのだった。

「…で、この子がNね!んまあ!やっぱり髪の毛が上に逆立ってる!でもMのときほどじゃないわね。色も少し茶色がかってるし…」
ピヌッチャはMがNと同じ月齢の11ヶ月のときにここに来たときのことを、つぶさに覚えている。
なんと、そのときに滞在していたスイス人の常連客がたまたま今回も滞在しているとか。
「Mの弟がくるって、みんな楽しみにしてたのよ!」
この宿もまた、いつ来てもこうして何年も通う常連客がいる。

「で、お腹はすいてるの?」
ピヌッチャの問いに、うん、うん、と大きく首を縦にふってしまう私たち。
「じゃ、軽くパスタを用意するわ」
本当は朝食しか提供してない宿なのに、いつもこうして甘えてしまう。しかも、軽くパスタどころか、ふと気付けばテーブルには、ハムやサラミの盛り合わせ、クロスティーニから、肉料理、Nのためにジャガイモをすりつぶした離乳食まで。

長い道のりの果てにようやく辿りついたピヌッチャの料理。特別なご馳走ではないけれど、今の私たちには何より染みるご馳走だ。
ガツガツとがっつく私たちをみてピヌッチャが笑っている。
「でも、マリート(旦那)が一緒のときでよかったわね、本当に」
今回はひさびさに夫も一緒の旅。確かに、これが母子だけの旅だったらとおもうとゾッとするけど、夫かいるときのほうがなぜかトラブルに遭遇しがちな気がするのは気のせいだろうか…。

遅いお昼を食べ終えるとすでに四時。休む間もなく、丘の上のカステッロへ。この地での、もう一つの私の故郷、今から11年前に初めてピエモンテに料理の勉強に来た際、働かせてもらったリストランテだ。
実は、そのときにカステッロの女主人が斡旋してくれたのが、ピヌッチャの宿。だから私にとっては、カステッロが恩師な
ら、いつも夜中にくたくたになって帰ってくるわたしを毎晩起きて待っていてくれたピヌッチャの宿は、まるで実家みたいなものなのだ。

さて、その実家ではまたあとでのんびりするとして、親方のほにまずは挨拶へ。
ところが、ここでも、またまたケーキにクッキーにと、美味しいものづくしでゆっくりしてしまい、結局実家に帰宅するのも夕飯どきになってしまう。
お腹ふくれすぎて苦しい…。

で、ちょっと横になっただけのつもりが、一家四人いつのまにか熟睡してしまい、気がついたら10時!子供たちは起きる気配なし。叩き起こした夫も食べすぎて胃がもたれると言い出すし…
結局、ピヌッチャに、魔法瓶に温かいミルク、クッキーやタルトやフルーツを夜食用に用意してもらい、そのまま床に就く。

飛行機のトラブルを克服すべくせっかく昼ごはんも全うしたのに、がっついたツケがまわってこの始末。
「まあまあ、いいじゃないの。明日からサマータイム終わって一時間得するわけだし、ゆっくり眠りなさい」
とピヌッチャ。そうだった。ヨーロッパの夏時間は、10月29日で終了。あしたから、時計の針は一時間巻き戻すことになる。
そう思ったら、鬼畜エールフランスのせいで損した時間も少しは取り戻せるというもの。私も思い切り寝てやろう。

さて、ところが、時差のせいかNは12時以降一時間おきに目をさますわ、Mも明けがたに目覚めてパワー炸裂だわ、夫は大イビキで寝続けるわで、ああ、早く朝になっておくれ状態の私。
時計の針をいっそ進めたい気分…

そんなこんなで二日めの朝を迎えつつあります。
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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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