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イタリア スマホ通信 ④山奥のパラダイス。






パオロとマンマの妥協なき料理を習うために足繁く通うようになったくらいだから、いつもは午後2時くらいから夕飯の始まる8時までずーっと台所に入り浸っているが常なのだが、さすがに乳児連れの、おまけに旦那も同行しない旅では、離乳食や昼寝の世話で手一杯。ただのお客さんに思いきり甘んじている。

でも、これがまた至極新鮮で、料理だけではないこの宿の魅力に気づいたり、イタリア人のバカンスの過ごし方をつくづく羨ましく思ったり。

今日は宿泊客四組で近くの町のメルカートへ行き、ブラブラ歩き。ピッツェリアで昼食までともにする。
毎晩テーブルでも盛り上がってるのに、飽きもせず笑いが絶えず、はたから見たら昔からの仲間か親戚同士にしか見えない
ほど。

冗談ばかりで、中学生の娘とまるで漫才でもしてるみたいな父娘。ベネチア近郊から来ている子供のいない夫婦はインテリそうだけど気さくで子供の扱いもものすごく上手。レイラちゃん一家もガールズトーク全開のママにマイペースだけど気が利くパパがいつも場を盛り上げてくれる。

午後はおのおの宿に戻り休んでから、今日も三々五々プールにあつまる。

私がNの午睡にかかりきりになる時間帯、
あーあ、パパがいればな…と、最初のうちは不機嫌にしていたMもすっかり馴染んてしまったようで、バチャーンと誰かがプールに飛び込む音がしただけで、海パン履いて飛び出していく。

母屋のてっぺんにあるこの部屋の窓を全開にしていると、そよそよと午後の風。そして、Mの名前を呼びながら戯れてくれる“パパたち”の声が私を安心させてくれる。
耳元ではNのやすらかな寝息。外からは、言葉もわからないのに大はしゃぎしてるMの笑い声。そして私はウトウト…。
極上の時間だ。

今夜の夕飯はテラスで。
山並みに沈んでいく太陽もごちそうのひとつ。
グイドが家から娘の使っている食事用の椅子を、Nのために持ってきてくれた。
今日のプリモはストロンゴッツィといううどんみたいに太いパスタに、サルシッチャやポルチーニ、オリーブを煮込んだソース。
メインはウサギのロースト。
Nはせっかく用意した離乳食にはまったく興味しめさず、ウサギが気に入ったようで、くちゃくちゃしながら飲み込んでいる。

そして今夜も、テラスには、彼方の山並みにひびかんばかりの笑いがあふれる。
人里はなれた山奥に、知る人のみ集う隠れたパラディーゾ。
十年、二十年越しで通い詰める常連客の気持ちを、今回こうしてはじめて朝から晩までのんびりすごしてみて改めて体感できた気がする。

お父さんがなくなって以来、お姉さん夫婦にアグリゆずったりと、ここのところ元気がなかったロレッラも、彼らにすっかり溶けこんでいる。彼女が声を出して笑うのもひさびさに聞いた気がする。
夫が来れないことでなし崩し的にこうなった今回の旅だけど、だからこそ味わえる楽しさや見えてくるものもある。
今となっては、夫を休ませてくれなかった仕事に感謝、かな。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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