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スタート。

2011_4_1
多くの国が9月から新年度が始まるのに、どうして日本は4月なんだろう。
イタリア人に「なぜ?」と聞かれても答えられないでいたが、ふと「それは桜が咲く時期に、古来から物事の始まりを合わせてきたからに違いない」と思えてきた。

4月1日。ついにこの日がやってきてしまった。
半年弱の産休・育休もあっという間に終わり、私は会社復帰、次男Nは4か月にして保育園デビュー。
お寺の山を抜けていく保育園への近道、今日からこれが私の新しい通勤路になる。
抱っこ紐がずしんと腰に食い込む階段がつづく。それでもベビーカーだとうんと遠回りをしなくちゃいけないし、なにより、出勤前のつかの間のひと時は我が子の温もりを胸でしっかりと感じ取っておきたいし、などと珍しくセンチメンタルになってみたりして。
着替えやシーツの入ったホイクエン・バッグを肩に、足を踏み外さないように注意しながら階段を一歩一歩……
ゼーゼーしながら最後の一段を登り終え、本堂を見上げたら、なんとまあ、見事な桜が迎えてくれた。

他はまだまだツボミなのに、この木だけは満開といってもいいくらい。
思えば、産後ウツから抜け出せないまま、長い冬に突入し、やっと春が来たかと思ったら、東日本大震災。津波に原発、放射線。水道水が乳児に危ない、次は野菜がダメ、風評がひと段落したら今度は日本経済がやばい…
気が付けば、産後ウツなんて言ってられない世の中になっていて、いつの間にか必死でわが子たちを守ってる自分がいて、そうして早くも職場復帰を迎えている自分がいる。

ただただオッパイあげて、食べて寝るだけの廃人みたいな半年間に、急に光が差し込んで、目が覚めたような、そんな気持ち。
人はこうして、いろんなできごとを受け止めて、考えて、乗り越えて、
桜の花が咲くごとに、一年一年、一歩一歩、前に進んでいく生き物なんだな。

早咲きの桜の花に、背中を押されるように保育園へ。そして会社へ。
身軽になって、ふと自分の風体をみてみれば、抱っこ紐対策のぺったんこ靴に、散歩用ずた袋、いくら屈んで膝が出てもOKのレギンスに、授乳しやすいシャツに、胸にはNのよだれのシミがついてるし…おいおい、育休仕様のまんまやないの。

駅までの道のりも、ベビーカー押さずに一人で歩くのがなんだか新鮮。
久々に乗った山手線がいきなり真っ暗だったのは節電のせいだろうか。
会社の回転ドア、入るタイミングってこんなに難しかったっけ。
なんだかすべてが、まるで新入社員状態、と思いながらエレベータホールまで辿りつたら、汗臭い新入社員でごったがえしていた。そうか、こいつらも、今日が初日か。
いつもなら「鬱陶しいな」と思うんだけど、今年に限ってはちょっと親近感がわく。

さて、慣らし保育のNの迎え時間はあっという間にやってくる。
いい子にしてたかな、哺乳瓶いやがらなかったかな、泣きわめいたりしたかな、さみしくなかったかな、などなど思いめぐらせながら駆けつけるも、
「Nちゃん、ママとさよならしてからも、ず~っと、ず~~~と、よく笑ってゴキゲンでしたよ~」

なんだか私よりよっぽど肝が据わっている様子。
テンパったり悩んだり心配したりするのは親ばかりで、子供は勝手に大きくなっていくんだな。

母子の新生活、悪くないスタートです。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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