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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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Andiamo avanti

2011_3_22_armani

この3連休も家に籠ってすごす。
天気も良かったし、夫も家にいたし、Mなんて有り余るほど元気。なのにどこかに外出しようという気にもならない。
こんなときだから空いてる行楽地に行こうという人もいただろう。
せめておいしいワインでもあけて元気になろうと努力した人もいただろう。
けれど、どうしても腰が上がらない。
朝から晩まで、家族全員、あれ?そういえばパジャマのまま、夜になっちゃったね…。
朝ごはん食べて、何もしないで昼になり、冷蔵庫の中のものでチャーハン作って、また何もしないで夜になり、冷蔵庫の余りものでパスタつくって…で、お風呂入って寝る。
それでも、冷蔵庫に電気が通っていて、その中にたくさん食材があって、料理もできて、お風呂も入れて、温かい布団で寝ることができる。
被災地の人に比べたらなんて幸せな生活を送ってるんだと思うと、結局、こうして家にいたって、喪に服してるどころか、ただ傲慢な生活を送ってるだけなのかもしれん。

日本中が震え上がった日から10日間ちょっと。
最初の一週間は、続く余震の恐怖に、放射線の大げさな情報に、はっきりしない計画停電に、学校も休校、合唱もサッカーもみ~んな急遽お休み…
こんなとき育児休暇中で本当によかったと思う反面、家から一歩も出ずに母子で過ごしていたがゆえに、誤情報や噂に見事にはまりかける。トイレットペーパーを買占めたくなったり本気で東京脱出しようかと一瞬でも思った自分が、今となっては恥ずかしい。危うく自分を見失うところだった。
本来の自分は社会と毎日接していたことで、それは母としての自分でさえも、適度にバランスが取れていたことを改めて痛感する。
だから、わずか1週間後から職場復帰することの不安を、もしかしたら克服するきっかけも、復帰することにあるのかもしれない。

と、言い聞かせてはみたものの、3連休もこの始末。
日本国史上最大の自然災害の犠牲になった被災地の人たちと悲しみをともにする気持ち。
他人事ではなく日本人の誰もが初めて真剣に自分たちの身にも覚え始めたとてつもなく大きな不安と危機感。
自分の中ではもしかしたら前者のより後者のほうが上回っているのではないか。
そんな思いにさいなまれてみたり…。

しつこいようだけど、そんな私が、いまやるべきことって、できることって何なのだろうと、そんなことばかり考えている。安室奈美恵やゴジラ松井、久米宏みたいに、数千万、あるいは億単位でどどーんと寄付することもできないし、著名なミュージシャンや芸能人みたいに人を募ってチャリティ募金だってできない。
お小遣い程度の義援金、節電、祈りをささげること…は当然のこととして、もっと他に何かないんだろうか。

考えて考えて、たどり着くのはやっぱり、与えられた生活を淡々とする、ということしかないのかな。
いつも通りの私の生活をして、世の中を前へ、前へ、まわしていくことの一端を担うこと、かな。

連休明けの今日、夫を見送ってから、画用紙を取り出してMと静物画大会。
エスプレッソの入った缶、バルサミコのボトルから、チロルチョコまで家じゅうのものを描きまくる。
息子と朝からこんな風にテーブルに向かい合って絵を描くなんて、それこそ育休中だからこそできること。今の私だからできる生活、私と子供の与えられた時間の過ごし方だ。
2011_3_22_tirol

この10日間で、Mは本棚で埋もれていた読みかけの本をすべて読破した。あやとりに開眼し「蝶」「亀」までできるようになった。絵も、ずいぶんうまくなった。
災害の映像を見ても、いまひとつ危機としてとらえることのできない8歳児だけど、未曽有の非常事態の日々に、家の中でこんな風に母と過ごしたことを、その時の日本が負った大きな傷を、ずっと忘れないでいてくれたらと切に願う。

東京の放射性物質も、雨のせいで今日は平常値を大きく超え、いつもの3倍。それでも、まだローマの半分だ。
さて、そんな放射線交じりの雨ニモ負ケズ、午後はNの予防接種を受けに原宿の病院へ。
私の母、そしてMもついてくる。
帰りは千疋屋でイチゴパフェを食べ、クルマをとめた表参道ヒルズに戻ってきたところで、母がぼそっとつぶやく。
「ここには子供服って、ないの?」
人もまばらな表参道ヒルズ、インフォメーションで「子供服売り場って、ありますか?」と尋ねたら、3人いたお姉さんが一斉に立ち上がって案内してくれる。
そうして、自分でさえ着たことも買ったこともないアルマーニの子供服売り場で、なぜか始まったNとMの服探し。
いいよいいよ、私が払うから、というも、結局、母が払ってしまう。
いつも通りの生活を、一日でも早く。
そんな思いはきっと、孫の予防接種ごときにくっついてきた私の母も一緒だったのかもしれない。

帰宅して早々に包装紙から服を取り出すM。Nにも白いロンパースを胸にあててやると手足をバタバタさせて喜んでいる。
日用品以外で買い物したのなんて本当に久しぶり。
日本の経済復興に、貢献。かな。

Andiamo avanti 前に進もう。
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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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