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温泉デビュー@岩の湯

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(久々の温泉につき、ブログもつい長文。以下、お許しを)

毎年、冬は雪見温泉が欠かせない我が家、今年はNが生まれたおかげで東京でのおとなしい生活を強いられていたが、夫も私も長男Mも、ついに居てもたってもいられなくなる。
この週末、長野方面で用事があったのをいいことに、思い切って出かけてしまった。
先週でやっと生後3か月。ちょっと早いかなとおもいつつ、温泉デビュー(しかも雪国)だ。

栗の里、小布施からほど近い仙仁温泉「岩の湯」。
十数年来、小布施に通っている者としてはその名を知らないわけはなかったが、いかんせん、奥湯河原あたりの高級宿並みに値段が高いのと、リピーターが多くて一年先まで予約が取れないことで有名。だからうちには無縁の宿とおもっていたのだが、さすがに3か月の乳児連れとなると、いつもみたいに「宿の本領は1万円代で決まる」なんてことも言ってられない。こんなときだからと半ばNを言い訳に、試しに電話してみると…なんと、たったいまキャンセルが出たばかりというではないか。これも何かの縁かもしれないと、即決したのだった。

菅平から小布施に抜ける道沿いにある仙仁温泉「岩の湯」。
宿の前は何度か通ったことがあるけれど、のれんをくぐって一歩敷地の中に入るとそこはまるで別世界。そして、ここから一歩も外に出ずとも翌朝まで十分に、いやむしろ時間が足りないくらい、濃くて深い時間を過ごせる空間であることを、この後、何かにつけて知ることになる。

部屋は「真ん中のランクの部屋」と聞いていたけど、それだっていつもの私たちが泊まる宿に比べれば、清水の舞台から飛び降りるような価格帯。
当然、内風呂などもついてるのだろうと思いきや、シャワー室しかついていない。
しかしそれとて、風呂なんかついてなくても、宿で過ごしていくうちに、次第に「いい部屋だな~」とつくづく思うようになり、「乳児連れでも部屋風呂なんか必要ないのね」としみじみ思うようになる、それだけの素晴らしさを、何かにつけて知ることになるのだ。

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部屋のクローゼットの引き出しには、あらかじめ大、中、小と3サイズの浴衣がセットされている。しかも男女それぞれ。浴衣だけでなく作務衣までもが3セット完備だ。
「Mくんは、身長は何センチくらいかな? 足のサイズはどれくらい?」
とMのサイズを尋ねた仲居さんがその後持ってきてくれたのは、Mにぴったり合った子供用の浴衣に羽織、作務衣、そしてこれまたぴったりの草履まで。
「すごい!すごいね、この宿。羽織や作務衣まで子供用のがあるなんて。お風呂行くときは浴衣で、ご飯にいくときは作務衣かな。いや、逆かな…」
と早くもMは興奮気味。浴衣と作務衣を交互に着たり脱いだりしているその場所自体、家にだってこんな空間ありゃしない、ウオークインクローゼット並みの小部屋。
ここに細かい荷物をすべておけるから、室内は広くのびのびと使えるようになっている。
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デッキ部分とスペースを二分してるため、まるで外に突き出たようなスペースに思える奥の小さな洋間は、ベンチとソファーとデッキに面したガラスとで3辺が囲まれ、なんだか籠り部屋みたいでとっても落ち着く。テーブルの上にはさりげなく子供用の本や、宿が掲載された最近の雑誌が。そういえば部屋の中には、大げさな館内パンフレットのようなものはどこにも見当たらない。これも気配りだろうか。木張りの床の下には温泉を敷いてあるとかで、足元からポカポカと温かい空気が部屋全体を包みこむ。和室のほうに目をやると、竹をあしらった目隠しの奥にオイルヒーター発見。天然床暖房にオイルヒーター。これなら冬の温泉宿にありがちな、夜間に乾燥で悩まされる必要もなし。さらに、ナショナルの最新型加湿空気清浄器まで置いてあるから完璧だ。
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お、いけない。宿に着いたらさっそくお風呂と思っていたのに、居心地のいい空間で親子それぞれについ本に読みふけっていたら遅れをとってしまった。

乳児連れだと今までのように家族で一度に浴場へ、というわけにもいかず、とりあえず、私とMとが先発隊と称して、いざお風呂へ。
まずは館内のもっとも高いところへ階段をのぼりながら3つ点在している貸切風呂を目指すが、どれも「使用中」。
めったに予約の取れない宿にせっかく来れたのだから、できるだけ早くチェックインしなきゃもったいない、と思う気持ちはどの客もみんな一緒のようで、出足が早い。
ならばこの宿の一番の名物風呂、洞窟風呂へ行ってみよう。

平安時代に山伏によって発見されたのが始まりで、戦国の世には上杉謙信の隠し湯だったとも言われているこの洞窟風呂。女湯の内風呂から、常備された紙パンツと湯あみ(これすらも、男の子用、女の子用、女性用、男性用と4種類あり!)をつけて、扉の向こうの混浴の洞窟風呂へと進むと…。
これはすごい!いきなり薄暗い闇の中からお湯が吹き出し、もわ~んとした天然ミストで一瞬視界がほとんど利かない。ディズニーランドの何かのアトラクションにでも迷い込んだ気分、いや、それどころかこっちはホンマもんの洞窟だ。たとえて言うなら、そう、鍾乳洞の中にお湯が沸いてるような、そんな感じでちょっとひるむ。息子の手を引いて、いや、息子に手を引かれて、一歩一歩、ゆっくりとぬるいお湯の中を進んでいく。
だんだん目が慣れてくると、あっちに滝が流れ、こっちの湯だまりではおばさんグループが輪になって湯につかっているのが見えてくる。迷路みたいで、右と左、どちらに進んでいったらいいのか迷ってしまう。うわ、今度は地面が突然ジャリになった。お湯のなかで足を取られそうになることも。
私たちの目の前を、洞窟の中で“落ち合った”カップルが仲良く手をつないで奥へ奥へと進んでいく。
「あ、あの人たちの後についていけばいいんじゃない?」
気の利かない息子は、私の手をぐいぐい引いてカップルのあとをついていってしまう。おいおい…。
洞窟は次第に細く険しく、天井も低くなっていき、前のカップルは、最後には、え~っ、ここも通り抜けできるの~?!と目をうたがうような、上から滝が流れ落ちてくる細いトンネル状の絶壁を、男の人が上から女性の手を引っ張りながらよじ登っていく。明らかに人目を避けたい行動をとっている彼らのあとをこのままついていくのも…ちょっと…ねえ…
「ママ、もうやめとこっか…」
さすがの息子も、気づいたのか、志半ばにここで断念。
さて、あの先はどうなっているのか知らないが、湯あみだけでなく紙パンツまで二重に着けさせられる理由が、よじのぼるカップルの後姿を下から見上げた時にはっきりと理解できた私であった。
それにしても、平安時代にはこの風呂の中でどんな光景が繰り広げられていたのだろう…、そんなことが気になって仕方がないのは、私だけか…。

洞窟風呂と母屋を結ぶ通路には、庭にせり出たテラスがあったり、お茶が飲める東屋があったり。手水鉢には氷も張っているほど、今の季節はふきっさらしで寒いのだけど、それでも足を止めずにいられない。
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さ、早く部屋に帰って夫と交代してあげねば…と思っていたけれど、気が付いたら貸切風呂へと続く階段を上っている私と息子。
まずは一番下の風呂をチェック。よし!ここは空いてるぞ!

「風姿の湯」と名付けられたここ、扉を開けるといきなり階段、ちょっと上がって小さな脱衣場はちょっと洋風。
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石造りの丸風呂から、窓を押し開けて階段を上ると、月見台のように露天風呂が。
入り口から、脱衣場、内湯、最後の露天まで、“標高差”が飽きのこない空間をかもしだしていることを痛感する。
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部屋に戻って夫とバトンタッチ。
風呂のハシゴ?よくできるね…とばかりの呆れた表情で、ひとり洞窟風呂へとでかけていった夫だったが、戻ってくるなり
「真ん中の貸切風呂、今なら空いてる!」と別人のようなハイテンション。
Mを連れて再び出かけてしまった。自分だって、ハシゴしてるじゃん。
そしてMに至っては、入りっぱなし…。好きね~。

時間差でついでにNも入れてしまおうということで、夫と息子が体を洗い終わったころを見計らって、Nを抱いて私も、この“野守の湯”に合流。
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貸切風呂は湯船の温度も赤ちゃん向き。露天へとつづく窓も自由に開閉できるようになっているのがありがたい。
ここの温泉は、単純温泉で肌に優しいから赤ちゃんのお肌にもいいのだと聞いていたけど、一応、カラダだけシャワーで上がり湯。しかしあとで部屋に戻ってみると、上がり湯をかけそびれた顔だけが、つるつるしていたのにはびっくり。


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館内には4000冊を超える蔵書があるとかで、至る所に本棚を構えるロビーや、自由に飲めるコーヒーがおかれた書斎みたいな小部屋がいくつも点在している。
その蔵書を見ると、岩波少年文庫がずら~り、名作絵本、美術書や詩集、洋書など、つくづくセンスがいい。しかも、決して新品ではなく、まるで自分が子供の頃に読んだ当時の年代ものだったりするから、囲まれているだけで心が落ち着く。
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乳児連れでなければ、好きな本を手にとって無心に読みふけってみたいものだ。
と思ったら、乳児をオットマンに放置してよみふけっている夫…。まだ寝返りしないから、いいけどさ…。
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そうこうしているうちに、お待ちかねの夕食の時間。
案内された個室には、N用の布団まで用意してくださっていた。
懐石料理といっても、きどった内容のものではなく、どれもこれも山里の食材を使った心安らぐお料理ばかり。いつもだと、明らかに作り置きされていたと見える冷えた八寸などは、「これ、いらないから、早くメインに行きたいよ…」と思うものだが、ちょこっとずつ盛られた前菜からして、どれもこれも捨てがたい味わい。とろけるような胡桃豆腐など、デカい大鉢で食べたいくらいだ。
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こういうところって必ず川魚の刺身が出てくるのよね…と苦笑いしつつ、夫も私もあまり得意なほうではないヤマメのお刺身に手を伸ばすと…「あれ?おいしい。なんで?」
手前に盛られたのは「イトウ」の刺身。幻の魚と言われているらしいけど、近年、このあたりで養殖に成功したのだと仲居さんが教えてくれた。上質なヒラメみたいな味がする。
炭火を下に敷いたまま運ばれる山女の塩焼きは煙モクモク…。皮ごと、骨ごと、まるかじり。
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メインのお肉の石焼ステーキはいわずもがな。
分厚い赤みの牛肉なのに、なんでこんなに、ヤ、ヤハハハイ(やわらかい)の…?


大満足の夕飯のあとは、休む間もなく一番上の貸切風呂「夢想の湯」を制覇。
最初は夫とMが、そして終わったころに夫から携帯で連絡をもらい次第、私がNを抱っこして連れて行き「ママだよ」と声をかけ扉をあけてもらい、Nを夫にバトンタッチして私が脱衣場に入り再び鍵をしめて入浴。乳児連れの要領もだんだん得てきたが、ん?そういえばMだけは、つねに「入りっぱなし」ではないか。
子供のくせに、よく飽きないものだと尊敬するが、さらにMはそのあと夫と洞窟風呂に再び出かけていく。爺さんみたいな8歳児だ。

ところでこうした館内のお風呂には、すべて小タオル、バスタオルともに完備されているから、食事の帰りにそのまま、あるいは読書のあとにそのまま、気軽にお風呂にいけることも魅力。しかも、脱衣場におかれた使用済みタオルを入れる箱には、いつ行ってもタオルが入っていない。「空室」であるタイミングを狙うのすら難しいほど、頻繁に使用されている貸切風呂なのに、入ってみると、きれいに清掃されているのだ。それだけひっきりなしにスタッフが掃除に入っているのだろう。さりげないことだけど、なかなかできることじゃない。

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お風呂の行きかえりに、つい足を止めてしまう場所が、書斎以外にもたくさんある。
貸切風呂のそばのこの部屋はガラス張りの天井から星を仰ぎながら、雑記帳に思いのままに記したり、ハンモックにゆられて本を読んだり…お風呂が空くのを待つ時間までもに、こうして極上の空間が用意されているのだ。暖房もポカポカ効いているから、風呂上りによっても湯冷めしない。

部屋に戻ると、Nをひとり布団の上に放置し、天然床暖房の効いた例の小さな洋間スペースで夫が本に読みふけっている。
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テーブルの上にはプリンとフルーツが用意されているではないか。このスペース、デッキ側の窓のカーテンを閉めれば、ますます“籠り部屋”感倍増でとっても落ち着く。
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こうして、宿の至るところに、いいなあ、こういう場所がうちにもあったらいいのにな…
と思ってしまう、そんな居心地の良さがあるのは、なんでだろう。
高級宿にありがちな、バブリーな感じがまるでなく、むしろ言葉は悪いが、ちょっとダサい部分があるくらい。
たとえば椅子ひとつとってみても、スタンドひとつとってみても、決してすんごく高そうなわけでもないし、年代物のアンティークもあれば、田舎の家具屋に売っていそうなソファもある。ぴたりと統一されたわけではなく、むしろバラバラ。うまく言えないけど、古くて大きな家に昔から親子代々住んでるお宅に遊びに行ったような、そんな感じ。
宿の人たちのさりげない接客、マニュアルではない心のこもった対応、山里の料理、空間、設備、どれをとっても、高級温泉宿っぽいお高くとまった感じや嫌味なまでの完璧さが微塵も感じない。これがこの宿の、究極の居心地の良さを生み出していることに気づく。
ちょっとダサめの肘掛け椅子も、実は、むしろ計算しつくされたものなのかもしれない、と思ったりして。
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さて、翌朝も、12時のチェックアウトまでゆっくり過ごせるのがうれしい。布団も要望がない限り敷きっぱなしにしてくれる。
昨夜は星空を楽しんだ「夢想の湯」へ、今度も夫とバトンタッチ方式でトライ。
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山の傾斜を利用して建てられた館内を、上りに上って、上りつめたところにある「夢想の湯」は、明るい日差しが差し込んで解放感たっぷり。脱衣場の横にはシャワー室もあり、ここで存分に体を流した後、直接露天に出られるようにもなっていたり、構造にもちょっとした配慮がある。露天から中をみると、ここだけで立派な山小屋のようだ。
風呂上りは、例の部屋で一休み。ハンモックにゆられているとMが蕎麦茶を持ってきてくれる。ああ、極楽だ。
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朝食も昨夜の個室の同じ場所で、8時から10時までの間、好きな時間に行けばいい。
「Mくん、ゆうべはよく眠れたかな?」
初めて目にする仲居さんなのに、Mの名前を知っている。そんなホスピタリティもうれしい。親のココロ、つかんでるな~と感心してしまう。
蕎麦がゆ、白いご飯、パンの中から好きなものを選べる。と聞いて、御粥と白飯で迷ってい夫にはその両方を、私が頼んだパンについてきたカボチャのスープを羨ましげに見ていた息子にはもう一つカボチャのスープを運んできてくれた。
それどころか、おかずだけでこの量。こんな朝ごはん、見たことないぞ。
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ご飯処を出るときに、別の部屋を担当していた年配の仲居さんが、Nに気づいて足をとめる。
「あら、何か月ですか?カワイイお嬢ちゃんだこと!」
いえ、男なんですけど。
「まあ、ごめんなさい!男の子さんだったのね。おばちゃん間違えちゃって。妹さんかと思ったら弟さんだったのね。ごめんねー、お姉ちゃん。」
あの、上も、男なんですけど。

朝食後は、Mと「家族風呂」へ。
貸切風呂と違って、本館の廊下の一角にひっそりと位置する「家族風呂」。大したお風呂ではないだろうと思っていたが、これがまた、ただの家族風呂と呼ぶにはもったいないくらい。露天こそないものの、ガラスの天窓からたっぷり日差しの入る半屋外空間にも湯船が用意され、風情たっぷりだ。
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その後、Mは夫の手をひき、洞窟風呂へ。いったいどんだけ温泉好きなんだ。結局、彼は温泉宿での最多記録を更新し計9回もお風呂に入ったことになる。

チェックアウトの12時まで、めいっぱい宿を満喫するも、それでも「ああ~連泊できたらな」と思う。そんな宿はなかなかない。
この後、今日の宿泊客がチェックインする2時まで、ほんの2時間。その間で、手つかずにおいた部屋の布団上げから掃除、お風呂をはじめ館内すべての清掃をやるのだから、相当のスタッフが稼働するに違いない。そんなことを思うにつけても、この宿の値段は、決して法外ではないことを実感する。
なにより、この一泊二日の中で、Nがただの一度も泣きわめくことなくご機嫌に過ごしていたのには驚きだ。生後3か月でも、居心地のいい「気」を肌で感じている証かもしれない。

チェックアウト時、フロントで会計をしてくれた岡田淮一似のお兄さん、ふと胸の名札をみると、部屋に置かれた掲載紙に紹介されていたこの宿の経営者と同じ苗字。二代目当主に違いない。
「あの…料金なのですが、計算してみましたら、お子様料金をいただくよりも、大人3名で計算したほうが一人あたりの料金がお安くなって1万円ほどお得なので、勝手にそうさせていただいたのですが、よろしいでしょうか」
最後の最後まで、臨機応変なうれしい気遣いに、ほとんどの客が、帰る際に次回の予約をして帰ることにつくづく納得。つい、秋ごろの予約状況を聞いてしまう。
空いてるはずがないのに、まるでこちらの気を遣うように「正確にお調べていたしますね。少々お待ちください」とおっしゃるので、それまでこの宿で唯一行きそびれていた喫茶店で待つことに。
これまたなんとも落ち着く空間で、個室が5部屋もある。そしてもちろん、ここにも選び抜かれた本が並ぶ。
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「お時間の許す限り、ゆっくりしていってくださいね」
そんな喫茶店のおばさんの一言にも、チェックアウトした後でさえも客を見放さないもてなしが。
「それにしてもおとなしい赤ちゃんですね~。よかったわね、お姉ちゃん!こんないいこの妹さんができて!」
…あのー、だから、二人とも男なんですけど…。

ほどなく、さきほどのベビーフェイスの“ジュニア”が喫茶店まで足を運んでくれる。
11月末の週末に、一日だけ、一部屋だけ空いている日があるとか。栗の季節には間に合わないが、この子たちの誕生月だし、いいんじゃない?と即決。…こうして、ますます予約の取れない宿になっていくわけね。
「あ、お誕生日でいらっしゃるんですか?」
ええ、そうなんです。二人とも。こっちは21日で、こっちは15日。
「そうなんですか~!」と言いながら、さりげなくメモっているジュニア。思わず期待してしまう。
「秋にいらっしゃる頃には、下のお子さんも一緒に洞窟風呂に入れますね」
確かに、一歳になっているNは抱っこで洞窟風呂に入れるだろう。どんな顔するかな。怖くてぎゃーっと泣き出すだろうか。
そんなことを想像しただけで、秋に戻ってくる日がますます待ち遠しくなる。
こうして、家族が過ごす歳月の、折々にこの宿に帰ってきて、子の成長や家族のきずなを見つめ合う。そんな場所にふさわしい宿であることを、きっとみんな同じように思いながら、次回の予約をして帰っていくのかもしれない。

イタリア貯蓄につづき、岩の湯貯蓄も必要だな、こりゃ。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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Author:ritz
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