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ザッケローニに、日本の教育現場に足りないものを見た。

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最近、毎日そのシャツ来てない?エンドーさん。
昨年のワールドカップの際に息子にせがまれて買った、日本代表のシャツ。
ばったもん買うつもりが、マジもんしか残ってなくて、息子と一緒に買いに行った夫が「タケーよ。オレの服よりタケーよ」とぶつぶつ言っていたものだが、これだけ着てくれりゃ元もとれたというもの。
しかも、息子が選んだ「ENDO」も、今回もひきつづきフル出場していたし、いやあ、高いお金を出しただけのことはある。
欲を言えば、NAGATOMOにしておけば、もっと着られたし、今頃、先行投資の価値を満喫していたかも。

そう。日本人がインテルに所属する時代が来たなんて。本当にすごいことだと思う。
街としてはチェゼーナのほうが食べ物もおいしいしサイズもコンパクトでお洒落だし暮らしやすいしとってもいい街、ひきかえミラノといったって名ばかりでグランドのあるのは郊外、大都市の郊外ほど殺風景でさみしい場所はないわけだし。それにインテルのスター選手の中で長友が埋もれてしまったらと思うと、私としてはこのままチェゼーナに残ってほしかった気持ちも大いにあるけれど、でも、もしインテルで活躍してくれたら、それこそ日本サッカー界の本当の意味での幕開けだ。

とかなんとか偉そうに、スポーツ音痴の私がサッカーを語ろうとするなんて。
それもひとえに、イタ馬鹿としては放っておけないザッケローニ監督率いる新生日本代表になってからのことだ。
今回のアジア大会、メディアも絶賛しているように、決勝リーグに入ってからのザッケローニの手腕、特に控えの選手に積極的にチャンスを与えたこと、そしてそうした選手が確実にスポットライトを浴びるだけの活躍を実際に証明してみせたこと。
サクセスストーリーとしてできすぎていなくもないが、今大会で日本が何度となく危機を乗り越えてきた大きな理由は、ここに尽きる気がする。

監督に就任してからわずか半年、しかも選手と監督といえば、ただでさえ気軽に世間話などでコミュニケーションをとったり自分の心情を理解してもらうような間柄ではないはず。
それでも、李忠成は、
「監督に信頼されていることがわかっていたからこそ、いつフィールドに立ってもプレーできるよう準備していた」
と言った。
ふと、サッカー日本代表チームを、小学校の学級に重ね合わせてみたくなる。
つまり、ザッケローニ監督を、小学校の担任の先生に、なにげなく重ね合わせてみる。
すると、なんとなく今の日本の教育現場に足りないものが見えてくる気がするのは私だけだろうか。

控えの選手にたとえてみるのは、わが愚息。
走りも早いほうなのにあと一歩というところで毎回リレーの選手にはなれない息子。
せめて背が高ければ、まだイケたくちかもしれないが、男子で一番小さいがゆえに威勢よく出ても周囲からはチビが強がってるだけにしか見えない息子。

でも本来の彼は正反対で、たとえば私とイタリアに行けば、実にのびのび明朗快活。よく寝てよく食べ、とにかくよく笑い、一点の曇りもないスカッとした性格。どこへ行っても「どうしてこんなにいい子なんだ!日本の子供はみんなこうなのか?!」とイタリア人にほめられまくり。
私としては、こっちの彼が100パーセント本当の彼だと長年思っていたが、集団の中に入ってみると、まったく違う一面が息子を大部分をしめていることを、小学校に上がってからの個人面談で知ることになる。
かたや、勉強もスポーツも万能で、絵を描けば上手で張り出され、字を書けば上手で表彰され、いつも目立っていて女子にも人気で父兄の間でも定評があって…クラスをリードするごく一部の男子生徒を、いつも輪の外からそっと見ているに違いないであろう、そんな我が息子は、行ってみればベンチスタートで試合を迎え、ずっとベンチで一生を終える選手のようなものだ。

「集団」「チーム」としてクラスが存在し、その中で人間教育をしていく以上、子供にとってはいかに集団の中で能力を開花させていくか、がすべてといっていい。子供なんて、しょせん、競争しながら生きていく生き物だ。
でも、今の学校の現場のほとんどが、目立たない児童はとりあえずおいておいて、ある特定の児童だけが開花させることができた大輪の花で、クラス全員分を引っ張っているような気がしてならない。
もちろん、個々の児童に目を向けて、個々の児童の悩みに耳を貸し、手を差し伸べてくださる先生だっている。でも、学校というチームプレーで前進していかなくちゃならない子供にとって、その前進のために自らの力が確実に貢献していること、そしてそれを周囲から認められることが一番大事なのであって、それがモチベーションにつながり、どんどんプラスのスパイラルを生んでいくんだと思う。

今回のアジア大会で、控えの選手たちが一様に感じていた
「オレだって、いまは目立ってないけど、本当はスターになれるプレーができるんだ」
「監督からだって、そう信じてもらっているんだ」
「いつ起用されても、ヒーローになれるよう準備はできている」
そんな自信やモチベーション、信念、そして何より指導者への信頼が、終わってみれば日本を優勝へと導いた。
うちの愚息にも、もしそんな気持ちを抱いてもらえたなら、“個々の才能”と“集団のポテンシャル”は、もっともっと引き出されていくに違いないのにと思わずにいられない。

ザッケローニ監督に、思わず教育者としてのあるべき姿を見てしまった気がするアジア大会。
そういえば、ザッケローニ監督の出身地、エミリア・ロマーニャ州は、世界の教育者から注目を集める自由教育「レッジョ式教育」の本拠地がある地域でもある。
エミリア・ロマーニャ州を、料理の、そしてイタリア馬鹿の原点とする私としては、ますます熱く語りたくなってしまいそうだ。

…とここまで書いておきながら、ちょうどテレビに出ていた李忠成のお父さんの言葉がささる。
サッカーするには、まずは闘争心がないとダメ。だからまず息子には柔道をやらせて闘争心を養わせた、とか。
そうだよなー、そもそも「ベンチ入り」するまでの道のりや努力が、まずもって大事なのよね。
と思っていたところへ帰宅した息子は開口一番、
「ママー。あのね、今日の剣道なんだけどさ、行かないと…ダメ…?」
と上目づかいで私を見る。ダメだ、こりゃ。

ザッケローニを語る以前に、まずは親の教育の問題ですな。反省、反省。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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