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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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鳥、とり、トリ♪

2010_11_4

思い起こせば、8年前のちょうど今頃、Mを出産する間近の一か月は、この先、おいしいものを外の店で食べる機会なんて半永久的にない気がして、昼に夜にと狂ったように外食しまくっていたものだが、今回はさすがにそこまでには至っていない。
歳も取り、意地汚さが半減したこともあるけど、なにより、お金を払って料理を食べる価値が本当にある店を見極める目が、年齢ともについてきたことも大きい。
かといって、それは高級店だったり有名店だったりするわけでは全くなく、つまるところ、ひとえに店の人の人柄だったり、料理をつくる人の志だったりがそのまま料理の味に表れるだけの話。ついでにいうと、そういう店には「小さな子供お断り」というのはまずなく、なんだ、別に子供がいてもまったく問題なく通いつづけられるじゃん、と、そんな結論に至って久しい。

そんなわけで、今回の場合、焦りはまったくない。
が、引き換え、いつも家族でおいしいものを食べさせてもらっているんだから、出産間近の報告および年内はさすがに来られないことくらいは言っておかなくちゃ、と、半ばあいさつ回りの義務感に駆られずにいられない。

そんな親の行動に、Mもすっかり調子に乗ってしまい、週末のたびに
「ねえ、今日はどこに行くぅ?何食べるぅ?ママ、しばらく外食できないしさ、今のうちに行っておいたほうがいいんじゃな~い?」
子供をこんなに甘やかすつもりではなかったので非常に不本意だが、私にとっては義理を果たすことのほうが大事なので、やむなくきょう文化の日も、文化活動は一切なく、夜は外食である。

浅草の裏通りにある鳥料理と釜飯のお店も、そんな店のひとつ。
親父さんが数年前になくなってから、今はおばさんと、我々と同じ世代の息子さんが二人で切り盛りしている。
まだ夫とつきあい始めて間もないころ、初詣の帰りに偶然見つけたのがきっかけだったから、もう20年くらい経つだろうか。
そうはいっても、年に3~4回しか来てないのだけど、それでもいつも温かく迎えてくれる。Mが生まれた8年前も、まだ寝返りすらうたない生後2か月のMを隣のテーブルの上に毛布を敷き、Mをドンと置いて釜飯をかっくらったこと。ヨチヨチ歩きの頃は、私たちが食べ終わるまでの間、おばさんが抱っこして外に散歩に連れて行ってくれたこと。
親父さんと夫婦二人だけの頃は寡黙でひたすら尽くすタイプだったおばさんが、長男が会社員をやめ店を継ぐ決心をし、カウンターの中に親父さんといっしょに立ち始めてからというもの、人が変わったように明るくなったこと。親父さんが糖尿でなくなって息子と二人で切り盛りするようになってからは、お客さんとよくおしゃべりもするようになってお化粧もするようになったこと、二男がフィリピンのお嫁さんをもらって孫ができ、さらに姉妹店をオープンすると急に大女将の風格が増してきたこと、などなど…。
互いの家族の歴史を、なんとなく見守りつつこの20年を過ごしてきたと、こんなただのお客に過ぎない私が言ったら、おこがましいだろうか。

定番の焼き鳥各種盛り合わせ、鶏の柳川、シューマイなどのほかに、冬は鴨鍋、水炊きも。親父さんがなくなってからは密かに新メニューが増えているような気もする。ずっと前に、「これ、賄飯だけど」と出してもらった覚えのある鶏クリームコロッケもいつの間にか壁のメニューに書かれているし、冒頭写真のこれ「焼きカツ」も以前はなかったと思う。
カツといってももちろん鶏肉で、目の細かい衣にあらかじめソースの味がたっぷりとしみこませてある。かといって、べちょべちょではなく、食感はあくまでも、カリッ。
これだけ鶏づくりなのに、食べても食べても飽きない。それがこの店のすごいところだと思う。
最後は好みの釜飯と、鶏ガラスープにトマトと紫蘇を浮かべた特製トマトスープで締める。
ああ…今日もおいしかった。

食べ終わる頃になって、お母さんと息子さんに初めて、Mがお兄ちゃんになることを告げる。(そのくらい、今回もご無沙汰していた)
へえーっ!ほんと~!?
と、腰抜かす勢いでビックリされたけど、心から喜んでくれたお二人。
「また一からか~。大変だね。でもこれだけ歳が離れてりゃ、逆にMくんも手伝ってくれるからぜったい大丈夫だよ。がんばってね。また、待ってるからさ」
そして最後は、
「なんにもないけど、これ持ってって」と自家製の鶏味噌と、お客さんからいただいたという人形焼を袋に入れてもたせてくれた。
さすがに浅草寺が大勢の人でごったがえすお正月は無理だろうけれど、初詣客が落ち着く1月の末くらいには連れてこられるかな…。

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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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