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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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パルミジャーノの金塊を山分けだ!

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20日(日)午後1時。イタリアに再び舞い戻ったかのような錯覚に陥る、からっとした晴天の昼下がり、拙宅を会場に、とびきり魅力的な企画が開かれた。

勝手に「パルミジャーノの会」と名づけてしまおう。
長年商社関係のお仕事をしていて自らもイタリア在住経験のある「K村」さんの呼びかけのもと、イタリア食材直輸入会社Piatti(http://www.piatti.jp/)の「O田」さんのご尽力で実現した今回の企画は、パルミジャーノを仲間内で丸ごと購入して、みんなで切り分けようというもの。
私は、場所のご提供と、新鮮パルミジャーノをガシガシかけて食べるのにふさわしいお料理のご提供ということでご協力したまでだけど、
パルミジャーノといえば、私のイタリア料理道の原点であるエミリア・ロマーニャ州が産地。はやる気持ちをおさえられずにいられない。
三日前に、あらかじめウチに届けられたパルミジャーノの塊は、41キロ。この、岩よりも思い塊の入ったダンボール箱を見つめながら、指折り数えてこの日を待った。

この日、K村さんが召集した人数は、な、な、なんと18人。ristorante-ritz.com始まって以来の最多来客数は、永遠に不倒記録として残ること間違いない。
K村さんからは、事前に、自前のワインと、それから、なんと「スリッパ10足」が届いた。そう、確かに、うちにはスリッパは8客分しかない。うっかりしていた。本当に細かいことにまで気がつくK村さんにはいつも頭が下がる。
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さて、そんなK村さんが今回の企画の立役者ならば、主役は「Piatti」のO田さんだ。
O田さんがエッチラオッチラ転がしてきたスーツケースの中に入っていたのは、「切り分け道具」一式。巨大なまな板、パルミジャーノ協会の白衣、カットしたチーズを真空パックする道具、そして10種類もの専用包丁…。
包丁といっても、台所包丁やノコギリのようなものではない。テーブルでハードチーズをグサっと砕いて食べるときに使うようなやつ、といえばいいだろうか。役割的、そして構造的には、むしろ、斧やクサビに等しい。要は、「チーズを切る」のではなく「石を砕いていく」要領なのだ。
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三々五々、参加者も集まって、玄関先にあんなに並んだ18足のスリッパが、気がつけばひとつ残らずなくなった。いよいよ、カッティング開始だ。
O田さんが、この「くさび」を広げただけで、まず最初の歓声が湧く。
そして、パルミジャーノのど真ん中に、ガツンと最初の一刺し。二つ目の歓声。
じわじわと切り目を入れながら、巨大な塊が、ついに真っ二つに切り裂かれると、いちばん大きな歓声。と、同時に、ごつごつと荒々しい、でも、美しい黄金色を放つ断面からは、今まで嗅いだこともないような、新鮮な乳の香りがふわーっと放たれ、半径5メートルもの人間を完全に虜にする。
そこから先は、チーズの状態をプロの感で察知しながら、大きさも形も微妙に違う「くさび」を正確に使い分け、24等分に切っていく。まさに職人芸としかいいようがない。
野性味あふれる断面が新たに現れるたびに、どよめく歓声とシャッター音の嵐、嵐、嵐。こうした光景もまた、参加者の気分をもりあげる。チーズ代だけでなく、鑑賞代も払いたくなるくらいだ。
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カットするたびに断面からこぼれ落ちる、世界一新鮮な状態のパルミジャーノの破片に、みんなで群がりつまみぐい。
ううう、うまーい!あまーい!おいしーい!今まで食べていたパルミジャーノは、いったいなんだったのよ?

あくまでもパルミジャーノが主役ということで、今回用意したのは、できるだけシンプルな料理。簡単な前菜の後、パスタは、セロリだけを使って軽くクリーム状に仕上げたソースと、ズッキーニと小エビのソース。18人分とあって、ほんの試食程度の量しかお出しできなかったのが心残りだけど、新鮮パルミジャーノを惜しみなくガシガシと、雪のようにつもらせて食べる、こんな贅沢が味わえる機会は、あとにも先にもこれっきりかもしれない。
もちろん、パルミジャーノの破片を、熟成年数の比較的高いバルサミコ酢につける、エミリア・ロマーニャ式の食べ方も、もちろん忘れない。ああ、こんな食生活が、毎日続けばいいのに。

24等分にしたパルミジャーノは、K村さんとO田さんが、ひとつひとつ、量りに乗せて値段を計算。まさに、金塊を山分けしているような気分。
それぞれが、好きな大きさの金塊を選んで、お持ち帰り。どうか、帰り道には十分お気をつけください。
さて、私はといえば、いちばん大きな2キロの金塊を購入させていただいたうえに、試食と料理用に使用した1カット分の残りの金塊まで頂戴してしまった。身に余るギャラである。
しばらくは、黄金色のパルミジャーノを食べ続ける、まさに黄金色の日々が続くことを考えただけで、向こう一週間の夕餉のメニューが、ぱーっと頭の中をかけめぐる。幸せだ。

4時間に及ぶ興奮と熱気に包まれた部屋にも、気がつけば西日がさしている。皆さんを見送りつつ外に出て、日本とは思えないほどカラっとした気持ちの良い風に、ほてったカラダを冷まされてから部屋に戻ると、
…あっ! 息子が、私の「ギャラ」である金塊に、むさぼりついているではないかっ。や、やめてーっ!
彼は、お店でパルミジャーノが出てくると、目を離したスキに共用スプーンをそのまま口に入れて、パルミジャーノを食べつくしてしまうほどの、パルミジャーノ好きなのだ。

金塊をめぐる新たな家庭内争いが、しばらく続きそうである。
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コメント

うわぁ~、美味しそう!
Mく~ん、一片でいいから食べさせて~!!
この1週間以内にRitz邸のcenaに招待されたいです!!!

どうぞどうぞ、いらしてください!しかし、こんなに毎日食べているのに、意外と減らないものです。(うれしい悲鳴!)

N宅での夕食の際、Mくんが削りたてのパルミッジャーノチーズをまるで白ご飯を食べるように頬張っていたのを思い出します。それにしても今回は塊をそのままですか!次回来伊時には、是非チーズ工場見学に参りましょう!!

ぜひ!

tsuさんの赤ちゃんは、パルミジャーノはもちろん、生ハムまるごといっちゃいそうなグルメになりそうですね。二家族合同見学会、楽しみにしてます!
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Profilo

ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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