FC2ブログ

イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

0

最後の旅はやっぱり、温泉&栗

2010_10_13_roten1
こんなに毎週末ごとに旅に出ているなんて、はたから見たらなんて優雅な生活だと思われるかもしれないが、この秋に関しては許してもらおう。大好きな冬の雪見温泉だって今年はお預けになるんだから、もう嫌ってほど温泉にも浸かっておかなくっちゃ。
というわけで、今度こそ今度こそ、本当に今度こそ、出産前の最後の旅。
向かうは恒例の秋の長野。目的はもちろん「小布施参り」なのだけど、前泊する温泉も必須項目のひとつ。
今年は宿の予約にちょっと出遅れてしまい、狙っていた宿はどこもいっぱい。初めての宿にチャレンジにしてみた。

真田の里の隠し湯、角間温泉「岩屋館」。
真田一族の御膝元、上田市街から20分、菅平スキー場にほど近い…、というとなんだか便利な場所にありそうだが、どっこい、細い山道を渓谷沿いにずんずん登った行き止まり、まさに岩山にへばりつくようにして宿が立っている。携帯は圏外、テレビもBS1と2しか入らない。大女将のほかに、30代の思しき感じのいい息子さん夫妻がしっかりと後をとっている完全なる家族経営。4~5歳のお嬢ちゃんが息子のMを見つけて恐る恐る顔を出す。
すごいな~、この子は。「ピタゴラスイッチ」も「プリキュア」も見ないで育つわけだ、と、妙に感心したりして。

館内は、古い旅館といった感じでものすごく風情があるわけでもないが、隅々まで目が行き届いている感じがして決して居心地は悪くない。
何より、温泉が、いい。
内湯も露天も、茶褐色の湯と、透明な湯の二種類の浴槽が並ぶ作り。
底が見えないくらいの茶色の湯は鉄分を多く含んだ炭酸温泉で空気に触れると参加して茶色に変化するのだとか。
もうひとつの透明な湯は渓谷からの湧水を加温した湯。真田家が茶の湯用として汲みに来たという伝承が残る“真田家の銘水”として有名らしい。
ちなみにこのそれぞれの湯は、飲用温泉としても効果があるらしい。
2010_10_13_nomimizu

お風呂に関しては、混浴の露店風呂(女性専用時間もあり)が特にすばらしく、それぞれの湯船には寝湯までついている。
底すら見えない茶色の湯にまずは浸かる。鉄臭さと、どろりとした感触、肌にも茶色がまとまりついて一瞬とまどうものの、ぬるめの湯につかりながら、ほんの一部だけ紅葉した山の木を見ていると、あれよあれよという間に体が芯からあったまってきてなんともいえずいい気持ち。
じゃば~と立ち上がると、全身茶色…。これを次は隣の透明な熱めの湯に入って、色を落としつつさらに温まるという繰り返し。
土曜の夕方は、女性時間帯にMも一緒に連れて行く。まだまだ羞恥心もないどころか、おばさん好きのMとあって、あばさんたちで溢れかえる茶色の湯船に入るのを躊躇している私をさしおいて
「ちょっと、あっちのお風呂に入ってくるね」
と、とっとと入ってしまう。
「あら~、女の子かと思ったら、男の子だったのね~。下が見えないけど段差があるから気を付けてね!」
そんな風におばさんたちから揶揄されるのもまんざらでもないこの様子は、いったいあと何年続いてくれるのだろう。
ああ、女湯に連れてこれるのはこれで最後かもしれない、と、最近温泉に来るたびに毎回そう思っては、悲しくなることがある…。
2010_10_13_roten2
Mはすっかり、この「二色のプール」が気に入ったらしく、翌朝も夫と露天へ。
混浴の時間帯だったけれど、おばさんたちは当然寄り付かず、おっさんたちは前日の酒が残っているのか一人もいない。貸切だ。

部屋に帰れば、ひたすらメジャーリーグ中継と時折ニュースしかやってないNHKBSのみ。
メールも読めなけりゃ、アニメも見られないけれど、ぽっかぽかにあったまった体をごろごろさせながら、し~んとした部屋で家族で過ごす時間はむしろ貴重かもしれない。
夕食はほかの客とは別の離れの和室を用意してくださる。今シーズン初めての暖房の利いた部屋で、次から次に運ばれる山の幸を堪能。派手さこそないが、どれもこれも素朴な味わい、中でも塩焼きが鮎なのがうれしかった。
2010_10_13_yukata
浴衣の模様は「霧隠才蔵」、たま~に「真田幸村」がコアラのマーチの“あたり”みたいに混じっているが、Mの子供用浴衣には使用生地が少ないため雪村は見当たらず…残念。



さて、翌朝は、宿を出てまっさきに栗の里「小布施」へ。
長野出身の大学の同級生が最近小布施と縁があり、同じ週末に同じく東京から遊びに来ている彼女と落ち合う約束もしていた。
過去15年ほど秋の小布施に通っているが、毎回多くなっていく人に、小布施ファンとしては複雑な心境。今年もある程度覚悟はしていたけど、しかし、こんなにすごい人は見たことがない。
聞けば、日テレで小布施の栗菓子特集がオンエアされたとか、中でも「小布施堂本店」の店内でしか食べられない「朱雀」が大人気で、朝6時から整理券を求めるために人が殺到するのだという。しょえ~。

人、人、人が殺到する小布施堂で栗料理のコースを堪能したあと、その貴重な「朱雀」を、ひとえに友人のおかげで、私たちは幸運にも味わえることとなる。
2010_10_13_suzaku
実は10年ほど前にも、私と夫は食べたことがあるこの朱雀。当時は、小布施堂で食事をした人だけが「あ、食後にこんな栗のデザートもあるんだ」といった感じでメニューに気づく、隠れメニューのようなものだったと記憶している。
いつ来ても食べられると思っていただけに、その後は別の店の季節限定栗きんとんの購入にばかり躍起になっていたものだが、その「朱雀」がこんなにすごいことになっていたなんて。
しかし久々に食べてみると、確かに、うっ、うっまーい!
細くて繊細な「栗の御蕎麦」の山をかきわけていくと、中にはどっしりとした栗のあんこが。シンプルだけど、栗の味だけがしっかり生きている、まさに「まじりっけなし」の栗菓子。一人分を作るのに栗をなんと20個近く使用するらしい。しかも、1時間たつと、もう風味が損なわれてしまうらしい。
…そりゃ整理券も必要なわけだ。

というわけで今年は別の店の「茶巾絞りの栗きんとん」はあきらめたものの、これぞ行った人しか味わえないという「朱雀」を心置きなく堪能。最後は「平松農場」にも行って立派な栗も購入できたし…
お世話になった友人と、小布施堂のIさんに感謝、感謝でございます。
2010_10_13_kuri

こうして出産前最後の旅は、大好きな栗でフィニッシュ。
明日は学校&会社だし、早いところ東京へ…と思いきや、3連休の最終日とあってか関越は延べ70キロの大渋滞とか。
巻き込まれるより、渋滞が解消されるまでどっかで時間つぶしてくか、ということで、結局軽井沢のアウトレットでショッピング。
これだけ遊べば、さすがの私もしばらく我慢できるだろう。

「温泉行って、おいしいもの食べて、最後はお買物してサッカーシューズも買えたし、いやーほんと、たのしかったねー」
と気楽な息子よ。君にも、じきに丁稚のようなお手伝い生活と、赤ん坊の泣き声で宿題にも集中できない過酷な新生活がやってくるんだよぉぉぉ、ということには触れないでいてやろう。

スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

Profilo

ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

Calendario

04 | 2020/05 | 06
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索