FC2ブログ

9月17日。初めて譲って頂きました。

気がつけば、来週から妊娠9カ月目に突入してしまう。あっという間だ。
さて、今回は10月頭からめいっぱい産休をとって、日ごろなかなか集中できなかった活動にいそしむぞ、なあんて思い描いていたのに、この期に及んでもう一本テレビCMのお仕事。
で、今日は再び静岡出張。
本当は夕方は会社に戻らなくちゃいけなかったのだけど、こういう日に限って、半年前にチケットを早々に購入していたオペラの日だ。

東京駅で新幹線を降りた後、重大な用事のあるふりをして、いそいそと上野へ向かうべく山手線に乗り換える。ちょうどラッシュの時間帯で車内は混み混み。
中ほどに移動し、吊革に手をやった瞬間、突然背後からトントンと肩をたたかれる。
いや、ドン!って一瞬突き飛ばされたんじゃないかとおもうくらいの力強さだった。
打ち合わせをすっぽかしてオペラに向かっている罪悪感もあり、とっさに
「ヤバいっ、誰か知ってる人か?!」と思わずビクビクしながら振り返ると…
「ここ、ここ」と50代のおっさんが、自分の座っていた席を指差して、私を手招きしているではないか。

なんと…座席を譲ってくれたのである。
今回の妊娠生活の中で、これが初めてだ。
私、よほど深い疲労が顔に刻まれていたのだろうか。よほど肩を落としてお腹を突き出して立っていたのだろうか。
今まで、自分からはっきりと言わない限り、妊娠してることも周囲にはバレないでここまで来た。
というくらいだから当然電車の中でも席を譲ってもらったこともないし、そんなに自分でもつらいと思ったこともなかったから恨めしい目線で座ってる人をにらんだこともなかったのだが…。
しかしこうして実際に席を譲ってもらうと、嬉しいようでもあり、しかし一方で、ああついに完全なる“妊婦”になってしまったのねと複雑な心境でもあり。

それにしても、いざ譲ってもらって座ってみると、ちょっと肩身が狭い思いをするのも事実。
まずは初めて「おなかに赤ちゃんがいます」キーホルダーの存在意義を痛感。というのも、自ら「ちょっとアタシ妊婦だから席譲ってよー」とアピールしてる気がしてついつい身につけるのを回避しつづけてきたキーホルダーだが、これって、譲ってほしくてふりかざすというより、座ってる自分が、たとえ年配者が目の前に乗ってきたとしても「私は妊婦だから譲れません」あるいは「私は妊婦だからシルバーシートに座ってます」という免罪符、言い訳としては、やっぱり大いに必要な気がしてならないからだ。
それともうひとつ。譲ってもらったそばから、いきなり携帯取り出してピコピコやるのもなんとなく気が引けてならない。疲れた顔してしおらしく座っていないといけないような、そんな居心地の悪さも大いにある。

なあんてことを考えていたら、あっという間に上野についてしまった。
やっぱり私は、このままキーホルダーはつけずにいるんだろうな。その方がどんだけ気楽かわからない。
ま、そうこうしてるうちに、腹もぐんぐんでかくなって、そのうち付ける必要もなくなるだろう。
そんでもって、「どっから見ても私は妊婦だってのに、最近の若いもんは、みんな見て見ぬふりをして譲ってくれない!」などと文句を言うんだろうな、私。

スポンサーサイト



コメント

tsu

「おなかに赤ちゃんがいます」キーホルダーって何だろう?と思って検索しちゃいました。
日本にはそんなものがあるんですね~。
イタリアでは、妊婦さんにバスの席を譲るのは当然(子連れでも譲ってもらえる)ですし、子供劇場のチケット売り場やスーパーのレジなども全て優先です。
それに対して“譲ってあげてる”とか“譲ってもらってる”という意識を持ってる人なんていないんじゃないかなあ。わざわざ「おなかに赤ちゃんがいます」キーホルダーなるものを作り出す日本社会って…。やっぱり複雑。

ritz

tsuさま
いやあ、おっしゃる通り!日本はすさんでいます。
私も、0歳児のMを連れてイタリアに行った時、バスに乗れば乗客全員がいっせいに席を譲ろうと立ちあがる、そんな光景に、感謝を通り越して、日本との違いに愕然としたものです。
「おなかに赤ちゃんがいます」キーホルダーも異常だけど、
先日クルマを運転していたら、「赤ちゃんが乗っています」ではなく「妊婦が乗っています」というステッカーを貼ってるクルマが。
「だから、私にどうしろっていうのよっ」と思わず独り言をつぶやきながら、
アクセルべた踏みで追い越した、妊婦の私でした…。
日本はどんどんおかしい方向に行ってますよ。
非公開コメント

ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

Profilo

ritz

Author:ritz
広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

Calendario

01 | 2020/02 | 03
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム