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母さんが連れて行く下田③~父さん乱入す~

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温泉にくると、パキっと目を覚ますM。いつもの不機嫌な朝が嘘のようだ。
「ねえ、早くお風呂行こうよ。ご飯始まっちゃうよ」
そう、今朝のためにとっておいた、最後の貸し切り露天風呂は、Mが一番入りたがっていたちょっと風変わりな露天風呂だ。
こういうの、半露天とでもいうのだろうか。湯船は一つなのに、小さな開口部をくぐって外湯に行けるという…子供心を大いにくすぐる構造になっている。
ここも、洗い場が6~7つあり、普通の宿なら「大浴場」と名前がついていてもおかしくない。

ところで、朝起きれば、きっと夫から「いま家を出た」的なメールが携帯に入っているかと思いきや、なんの着信もなし。留守電にもメッセージはなし。
やっぱり起きられなかったに違いない。

ゆっくり湯に浸かったあとは、そうそう、朝食用の温泉卵を作るのを忘れていた。
各部屋の冷蔵庫には新鮮な生卵が置かれていて、これを各人が好きなときに、源泉を引いた小さな岩の中で温泉卵を作ればいいことになっている。
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70度のお湯で20分。8時半からの朝食に、ぎりぎり間に合って、私たちの温泉卵はできあがる。
ところで、朝ご飯のメニューもこれまたすごい。朝食にまでお品書きまでついてくる宿は初めてだ。
一口サイズのおかずが、大きな漆盆にきれいに盛りつけられた、ちょっとしたミニ懐石料理のような朝ご飯。お味噌汁もご飯もうまい。
「パパから連絡ないの?」
そういえば、夫からは一向に、うんともすんとも言って来ない。
まあいいや。下田までタクシーで出て、昨日訪れる時間のなかった寝姿山でも登って伊豆七島の眺めでも見て伊豆急に乗ればいいや。
…なんて思っているところへ
「あの…、お見えになったみたいですよ。あのクルマじゃないかと…」と女中さんのお姉さんが。

あ、来た!
時刻はまだ8時45分。ちょっと早すぎるんじゃないのっ?!ってくらいお早いお着き。
「え、パパ、クルマで来たの? じゃあ、スーパービュー乗れないじゃん」
しーっ。それは言っちゃだめ。確かに、踊り子に乗れないのは惜しいが、下田駅までのタクシー代(4~5000円はしたと思う)が浮くと思えば、なにより有り難いではないか。
夫いわく、なんと5時前には家を出て来たという。
結局、チェックアウトの10時までの間、全ての風呂をMと制覇した夫であった。

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図々しい家族に、最後まで笑顔で接してくださった女将さん、ありがとうございました。
「今度お見えになるときは、もう一人家族が増えてるのね~」
本当に、またすぐにでも訪れたい、そんなお宿にめぐりあえたことに感謝。

宿から下田に向かう途中、せっかくクルマなのだから、クルマでしか行かれないところに寄っていこう。そう思って目指したのが、昨日、宿まで送ってもらったタクシーの運転手さんが教えてくれた場所。なんでも「龍馬伝」で吉田松陰が密航を企て沖の黒船目指して小船を漕ぎ出すシーンのロケで使われた浜があるという。
しかし、8月最後の週末にさしかかろうとするこの日、海辺という海辺は海水浴客で大賑わい。やっとその浜の名を見つけるも、海水浴客への駐車場と化した手前の空き地で行き止まり。で、「はい、一日2,000円ね」とくるものだから、車を停めて浜に近づこうにも近づけない。それに行ってみたところで水着姿の人でごったがえす浜を見ても仕方がないだろう。というわけであっさり断念。
代わりに、これも運転手さんに聞いていたのだが、その近くにある「竜宮窟」なるスポットへ。
海沿いの県道から洞窟の中の階段を下りていくと、突然広がる幻想的な空間。なんでも波の浸食で長い歳月をかけてできた自然洞窟なんだそうな。
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天井にぽっかり空いた穴からはキラキラと太陽が降り注ぎ、正面には海につながっている小さな穴。ぐっと絞られる光の演出で、この穴の下は特に、まさに青の洞窟のように青緑の翡翠のように光っている。一歩足を踏み入れるごとに、足元からフナ虫がささーっと散っていくのも、気持ち悪いのを通り越して、なんだか宮崎映画に出てくる一シーンに紛れ込んでしまったよう。

その後は、一度下田市内を通り過ぎ、今度は「龍馬伝」で龍馬と桂小五郎が目前を黒船が走りすぎ腰を抜かして驚くシーンで使われたという岸壁めざして爪木崎へ。しかし、これまた何度地元の人に聞いても「さー、そんなところあったっけか?」と知らない様子で、手がかりつかめず断念。
結局、再び下田駅前にもどり、駅のすぐ裏手にある「寝姿山」にロープウェイで登る。
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頂上からの眺めは文句なく美しい。
昨日、黒船に乗ったときに乗務員のおじさんが言ってたけど、晴れたら晴れたでガスがかかって伊豆七島は見えにくい、こんなに快晴で、こんなに七島がくっきりと見渡せる日は、一年でほんの数日しかないんだそうな。
遊覧船で流れていたアナウンス、吉田松陰が身を潜めて密航の機をうかがっていた小島、ペリーが上陸するまえに錨を下ろしていた場所…が、こうして俯瞰で確認できるのもまた楽しい。

2週間後の報告になってしまったが、こうして8月最後の週に強行した「龍馬の足跡をたどる旅in 下田」もなんとか無事に終了。たくさん勉強して、いい温泉宿に出会って、おいしいものを食べて、なにより、イタリアの旅同様に親切で優しい人々に温かい手をさくさん差し伸べてもらったことに感謝。日本も、まだまだ捨てたもんじゃないと実感できた母子二人旅。
この先、Mと二人だけで旅に出ることは、おそらくもう二度とないかもしれないけれど、今度は下の子供と「母子3人」で、イタリアや日本を旅することだってできるかもしれない。今回の旅で、ますますそんな自信をつけてもらったような気がする。

**********
さてさて、下田を後にした我々が向かった先の話も最後にちょこっとご紹介。もともと夫ともここで合流することになっていたのだが、それは伊豆熱川に住むヒッシー夫妻の家。
ヒッシーは、私の元同僚で、アートディレクターをやっていたのだが、その後退社し、尾道の美大教授を経て、現在は熱川に立てた新居で陶芸家及び漆塗り職人。奥様の真理さんは一級建築士で設計事務所を開いている。
http://hishida.design.officelive.com/aboutus.aspx
http://pub.ne.jp/kenjihishida/
高台に立つ緑に囲まれたお宅も、もちろん真理さんの設計。海に向かった緩やかな傾斜を利用して突き出るように設けられたデッキは、展望台でもあり、リビングでもあり、応接間でもある。この家のまさに中核スペース。気持ちがいい。
長野別荘計画進行中の我が家としては、真理さんのお話すべてがとっても貴重な情報源。メモ、メモ…っと。
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敷地内のお隣には、二人のスタジオが。
ヒッシーの新作をくまなくチェック。陶器に漆を塗るという、ヒッシーの新領域は、熱い物を盛るのもよし、また冷酒などを飲むにも口当たりがよくぴったり。
最近は、一人晩酌用の片口に凝ってるとか。ひよこみたいでとってもかわいい。
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伊豆にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。と、いまだhpも持たず商売っ気のないヒッシーに代わって宣伝しておきます。

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コメント

菱田 賢治

律子さま。お体の具合はいかがですか?伊豆旅行おつかれさまでした。建築の件、またいつでもご相談くださいね!
そうそう、つたないですがhp作りました。『陶と漆』http://kenjihishida.web.officelive.com/default.aspx作品はこちらでご覧になれます。また展覧会の折りにはご案内させて頂きます。 それではおげんきでーーー!!!

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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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