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イタリア携帯通信(11) 締めは魚貝づくしで。


ついに最後の一日。
こういうクライマックスの時に限って突然具合が悪くなるのはいつも夫。
今回の旅はそんなに長距離の運転も強いなかったし、妊婦と子供の旅に付きあってもらうくらいの穏やかな旅だったつもりでいたんだけど…やっぱり私と息子が元気すぎるんだろうか…。

そんな病人はお構いなしに、今日はカチューシャに案内してもらいながら女、子供でチェチナの街へ繰り出す。
いつもはのんびりと買物する地元の人しかいないのに、夏のシーズン真っ盛りに来てみると、スイス人、オランダ人などなどバカンス客の多いこと。
近辺のアパートを一ヶ月くらい借りて夏をまるまる過ごしてるらしい。
スーパーにいけば食料品を買い込む彼らでごっがえしているし、町中が活気に溢れている。

息子が夫に似ないでくれて本当によかったと思う点は多々あれど、中でも一番うれしいのは買物に前向きにつきあってくれることだ。
私が迷ってると
「こっちの方がいいんじゃない?ね、買いなよ。買わないの?買っちゃえばいいのに」
と背中を押してくれるし、不思議と面白いものを見つけてくるし、とにかくさんざん連れ回しても、文句ひとつ言わないどころか、喜んでついてくるのが有り難い。

さて、クラウディアの家で食べる、いや今回のイタリアの最後の晩餐は、海沿いの街ならではの魚貝尽くし。夫を気遣い、クラウディアはさらにあっさりメニューにしてくれた。
イカ、ムール貝、アサリ、エビをふんだんに使ったパスタは、魚貝の方が多くてパスタが見えないくらい。
新鮮なタラはさっと茹でてあっさりとパセリのソースで。
スズキはレモンと塩だけでまるごとオーブン焼き。

優しい味が芯まで染み渡ったせいか夫も無事復活。
「今から来年が楽しみだわあ。Mの時と同じように、またイタリア式離乳食を作らないとね。復習だわ」
「来年の今ころは4人でうちに来てくれてるんだよな」
マリオもクラウディアも、今から来年を心待ちにしてくれている。
今年からクラウディアが預かって同居してる87才のおじいちゃんも、この4日ですっかりMと仲良しになって、ずっと一緒にいてくれた。
このおじいちゃんが元気でいることを確かめるためにも、また来年ここに戻ってこなくちゃ。
Mが7ヶ月の時からここで過ごしてきた月日を、また次の子供でデジャヴュのように同じ月日を彼らと繰り返すことができるなら、こんなに幸せなことはない。

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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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