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イタリア携帯通信(8) トスカーナの下町の母のもとへ 。


ウンブリアの聖なる宿に別れを告げ、いよいよ今回の旅の最後の滞在地を目指す。
トスカーナの海を臨む小さな町、リパルベッラ。
料理好き、いや料理狂いの主婦クラウディアと農家の夫マリオの家で、今回も料理三昧が待っている。

ゆっくりと宿をでたあと、チッタ・ディ・カステッロの街でマッテオのマンマと待ち合わせして最後の挨拶。手作りのチーズのトルタを持たせてくれたうえに、お茶までご馳走してくれた。

後ろ髪をひかれる思いでウンブリアをあとにし、途中、コルトーナの街に寄り道。
久々の街歩きが楽しくて、まるで還俗した仙人が俗世間に溺れるがごとく、お土産にもならんようなくだらない買物をたくさんしてしまう。

さて、日が傾く前にクラウディアの家を目指さねば。
コルトーナからトスカーナ横切る形で西に進路をとると、まさに絵に描いたようなトスカーナ州の典型的な丘陵地帯の風景が360度広がる。
文句なく美しいのだが、なんというか、燻し銀のような魅力をひそかに湛えるディープなウンブリア州に比べると、甘すぎるというか、メルヘンぽいというか…物足りなく感じるのは私だけだろうか。

数時間に及ぶトスカーナ縦断の旅も、海沿いの街チェチナの標識が出てくればクラウディアの家ももうすぐ。海が近づき、みるみるうちに垢抜けない景色に。トスカーナの山の手から下町に下りてきたという感じだろうが、ついほっとしてしまう。

午後7時半、到着。
「きゃー、Mはなんて大きくなったのかしら!」たった2年ぶりの再開だけど、まるで10年ぶりくらいの歓迎ぶり。いつもながら実家に戻ってきたような気さえするのは、子供が生まれる前の一人料理修業の頃に始まって、息子が生まれてからは早くも生後7ヶ月の時に、その後も2年に一度はやってくる私たち親子の成長を、親のように見届けてくれているからだと思う。

しかし、こと料理に関しては容赦なくしごかれることもまた、他人とは思えない。
「大丈夫、大丈夫。ゆっくり来ればいいわ。疲れてるだろうし、今夜は簡単な料理で済まそうと思ってたのよ。私が下準備しておくから、心配しないでゆっくりいらっしゃい」
途中から電話を入れたときはそういっていたくせに、私は部屋に荷物を置きに行く間もなく、台所に直行させられ、しっかり最初から手伝わされる。
はい、あなたのエプロンはこれね。カメラは出した?ノートは?
と早くもクラウディアの料理ハイは全開だ。

トマト好きのMのために、今日のメニューはトマト尽くし。
トマトソースのラビオリに、トマトで煮込む薄切り牛肉、Mに至っては食後のデザートとばかりにトマトを丸かじり。
確かに、マリオの畑でとれたトマトは、イタリア広しといえどお世辞抜きに一番美味しいのだ。

いやあ、しかし今日は本当に疲れた。明日の昼間は海にでも行って、ゆっくりしようかな。

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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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