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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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マリオおじいちゃん、来たる!2010

2010_6_12
今年もマリオおじいちゃんが仕事で日本にやってきた。
前回は2008年3月だったから(http://ristoranteritz.blog92.fc2.com/blog-date-20080314.html)、2年ぶりの来日。でも、昨夏は私たちが北イタリア・ピエモンテ州の常宿にいた際に、おじいちゃんの方が我々に会いに来てくれたから、最近は年に一度は再会が叶っていることになる。

そう、マリオおじいちゃんは、ピエモンテ州出身のイタリア人。
今からウン十年も前にスイス人の奥さんと結婚して、ピエモンテの家とスイスの家を行き来しながら、サンモリッツの有名な五つ星ホテルで重役をしている。
今から6年ほど前だろうか、ピエモンテのド田舎のカンティーナで、マリオおじいちゃんに突然「コンニーチワー」と日本語で声をかけられたときは、まさか、こんなに偉い人だとは思わなかったけど、実の顔は世界を飛びまわるホテルマン。日本にも、リーディング・ホテルズ・カンパニーのプロモーションで昔から何度も足を運んでいて、オークラや帝国など、日本の名だたる高級ホテルのVIPでもある。なんてことはずいぶん最近になって知ったくらいだ。

それなのにこうして、自分のビジネスとは何の関係もない、何のトクにもならない、庶民代表みたいな私たち家族のことを、こうしていつも心にかけてくれる。
「今回は特に自由時間がなくてね。オークラのNシェフにも実は来日することを伝えてないんだ。会える時間もないとわかっていたから、逆に申し訳ないと思って。連絡したのは、君たち家族だけだよ」
ええーっ。そうなの!?オークラのN料理長をさしおいて、うう、申し訳ない。
聞けば、昨日も一昨日も、一日に5件も打ち合わせをこなし、昼も夜も仕事メシだったそうな。
いつものように、お迎えにあがった宿泊先のホテルのロビーをなかなか離れらないほど、まずはひとしきり近況を語り合う。40歳の長男は、6月頭にやっと結婚式を挙げたらしい。よかったね、おじいちゃん、70代後半にして、きっと初孫ももうすぐだね。
「それと…これをMに渡したかったんだ。ほら、ここに前から僕が話していたカンツオーネが入ってるだろ」
息子のMに、イタリアンカンツオーネ3枚組CDのプレゼント。ジャケットを見ると、なるほど息子の名前がそのままタイトルになった歌が。くっきりとアンダーラインまで引いてくれている。
「ほら、これがMのテーマソングだよ!♪イル・モ~ン…♪」
突然歌い出すおじいちゃんのメロディに合わせて、身体をくねらせ踊り始めるはじめる息子。このままだと高級ホテルのロビーがえらいことになりそうなので、早々に夕食を食べに出かけるとしょう。

老眼鏡のネジがはずれてしまったというおじいちゃん。近所のメガネ屋の場所だけ教えておいてくれれば明日にでも自分で行くから、というものの、ごちゃごちゃした新橋界隈を一人で歩かせるも不憫なので、すぐ近くにたまたま見つけたメガネ・ドラッグに一緒に駆け込む。
ものの5分で修理完了。もちろんこのくらいのことであれば、無料が常識。でも、おじいちゃんは
「本当にタダでいいの?本当に?」と相当感激した模様。挙句、
「メガネをここでつくるとしたら、どれくらい時間がかかるか聞いてくれないか?」ときた。
結局は、翌日から週末突入でレンズの搬入が週明けになるため、おじいちゃんの滞在期間中には間に合わないことが判明したけど、これもまた、お店の人にタダでは申し訳ないという、おじいちゃんならではの気遣いがあったのだろう。

さて、その後は夫が行きつけの、造り酒屋直営の和食屋へおじいちゃんを連れて行き、日本酒を酌み交わしながら、ちょこちょことしたおばんざいをつまむ。
仕事上の間柄でもないおじいちゃんとは、もちろんビジネスの話をするわけでもなく、親子ほど年がかけ離れているから同世代トークができるわけでもない、外国人同士であるからして時事トークをするわけでもない。
それでも、たわいない話をしながら、ゆったりと流れて行く時間は本当に心地よい。
ゆっくりと一語一語選びながらしゃべってくれるおじいちゃんのイタリア語は本当に聞きやすく、イタリア語のわからない夫や息子までもを心からくつろがせてしまう不思議な優しさで満ちている。
何より、息子のMのおちゃらけぶりというか、ふざけっぷりと言ったら、まるで自分の本当のジージやバーバといるときと何一つ変わらないのではなかろうか。

束の間の再会はあっという間に時が過ぎる。翌日もクライアントと一緒に京都に日帰りという強行スケジュールが控えるおじいちゃん。酔っぱらいのサラリーマンで埋め尽くされた金曜夜の新橋繁華街を歩きながら、おじいちゃんをホテルまで送っていく。
「いいねえ。みんなこうして開放的になって。夜遅くまで繰り出して、楽しそうだね」
そう言うおじいちゃんの顔はしかし、ここ連日の激務でちょっとやつれたように見える。あしたは京都、あさってはもう帰国と、本当に今夜、この一時だけしか自由時間がなかったんだな。

年々歩くスピードが遅くなっているような気がするおじいちゃん。いや、それは気のせいだと信じよう。
ある時は日本で、ある時はイタリアで、もしかしたらそのうちスイスでも、こうしてマリオおじいちゃんとの再会が年に一度は欠かさず実現することが、永遠に永遠に続きますように。
おじいちゃんのくれたCDをかけながら、切に祈る私たちであった。
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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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