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日帰り茨城紀行

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気を取り直して、GWの話など。

連休最終日。こどもの日ではあるけれど、たまには父を外に連れ出そうと「ジージの日」とすることに。
空いてそうな高速はどこだろう。なにか特別なイベントをやってるところはないかな。季節柄、花がきれいで、しかもバリアフリーの公園とかないかな。お昼はおいしいものも食べたいし…。なあんてことを考えつつネットでいろいろ調べた結果、常磐道で茨城方面へ行くことに。

まずは、焼き物や稲荷神社で有名な笠間へ。
芸術の森公園内で毎年GW中に開催しているという陶器市へと直行してみる。
先祖が笠間藩出身らしいということもあり、その昔、私も家族で訪れたことがあるけれど、さすがに最近できたばかりのこの公園の存在は知らなかった。
丘の起伏を利用した広い園内はきちんと整備され、近代的な陶芸美術館まである。
「ひまつり」と称する陶器市にはいったいいくつの窯元が参加してるのだろう。イベント会場を遠くに見下ろす広場に出た瞬間、想像していたより莫大な数のテントにびっくりする。
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大体この手の陶器市というと、日常使い用の安価な陶器が並びがちだけど、笠間のそれは、これまた予想外にレベルが高い。食器やぐい飲みから、茶器、花瓶、オブジェまで。値段も数百円の掘り出し物から、数十万円の壺までピンキリ。各テントには個性あふれる作風が並び、出展社もベテランの作家から若い作家まで活気に満ちている。陶器の安売市というより、全作家の展示会といったところか。

さながらテントのアーケードの中を、人混みにも、悪い足場にもめげずに父の車椅子を交代で押し続け、片っ端からテントの中を物色。私は、ずっと探していた大きくてぽってりとした花瓶を発見。テントの奥の日陰で居眠りしていた作家さんを叩き起こし、一万円を8500円にしてもらって購入。
ジリジリと焼けつくような日差しにジージとMはぐったりしてきたので、買い物好きのバーバも物色を切り上げて、後ろ髪惹かれつつ会場を後にする。


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せっかく笠間まで来ておきながら、笠間稲荷を素通りしては、お稲荷さんのバチがあたりそうなので、つづいて笠間稲荷神社へ。ここは来たことがあったはずなんだけど…まるで記憶がない。
境内には、ちょうど藤の花が咲き乱れていて、思わぬお花見までできてしまった。

この時点で時刻は12時半。このあたりで昼ごはんを食べてもいいが、名物といったらせいぜい稲荷寿司?でも、せっかくなら旨いものが食べたい。旅先で、食べ物に妥協すると、ろくな思い出にならない、というのが我が家の鉄則でもある。
よーし、ならば海までひとっ走りしてしまおう!

北関東道路を突っ走り、50分走って那珂港に到着。
市場のそばでおいしい魚をたらふく…と思ってきたものの、13時半だというのにすごいクルマにすごい人。県営駐車場に入るにも大渋滞だ。市場の中の店はどこも大行列の上、回転寿司なんかになってた日にゃ、一気に興ざめというもの。それに、車椅子でさすがにこの中は入って行けない。
そこで市場を早々にあきらめ、ちょいと路地に入ってみると…ほらほら、あるじゃない。磯料理のお店が!
「どうぞどうぞ、クルマは店の前に止めちゃっていいですよ」
感じのいい女将さんに招かれるようにして入ってしまう。
父を連れて出かけると、選択肢が狭まるのも事実だけど、限られた選択肢だからこそ予想外の収穫に出会うこともまた事実なのだ。
カウンターに5人横並びで、那珂港にあがる地元の魚を中心にした「地魚寿司」なる握りを注文。私や父があまり得意としない貝類が1つもなく、まぐろと白身数種類に、ウニにエビにサーモン。中でも、「金頭(カナガシラ)」という白身が絶品で、モチモチとした歯ごたえととろけるような甘さに思わず顔がにやけてしまう。サーモンの握りも自分じゃ絶対に注文しないけど、鮭の臭みがまったくなくて、目を瞑って食べればマグロと言われてもいいくらいでこれまたビックリだ。

お腹が一杯になったところで、15時。帰るのはまだ早いし、腹ごなしもしたいので、すぐ近くの「国営ひたち海浜公園」へ行ってみる。
2~3日前のニュースでほんの一瞬、ちょうどなんとかっていう花が見ごろだととりあげられて初めてこの公園の存在を知ったのだけど、一瞬だけ見た映像の、そのなんとかって花の景色がとにかくきれいだった。

いやー、しかし広い。広すぎる。公園の敷地を右手にみながら延々と走ってようやく駐車場に辿りつくも、駐車場がこれまた広すぎる。
公園の入口い一番近い障害者用の駐車枠に止めさせてもらったけれど、公園に入ってから再びその広さを知って愕然とする。
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ネモフィラ。
その花の名前はネモフィラだった。
「案内表示に沿って海に向かって15分ほど歩けばネモフィラの丘です」
入口のお姉さんにそう教わったときは、車椅子だからちょっと多めに言ってるだけで、せいぜい7~8分も歩きゃつくだろう。と思ったが、どっこい、本当に15分、いや20分は歩いた。

「Mがジージの車椅子押すの~っ!!」とぐずって聞かない息子のM。危ないからと、後ろから一緒に支えてやろうとすると「どいてーっ。一人で押せる、押せるのーっ」。
あまりにもキーキーうるさいので、「おい、大丈夫か…」と不安そうな父を無視して思い切って任せてみると、これが結構役に立つ。
父譲りのガニマタで勢いよく車椅子を押していき、スタスタと先に行ってしまう。

二人をおいかけるようにして小走りで歩いて行くと、
え?海?
遠くの正面にいきなりブルーの壁がたちはだかる。
目をこらしてもう一度見ると、なんと、花いちめんの丘である。ネモフィラの丘である。
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すごーい!これはすごい!
もちろん人工的に植えられたものだろうけれど、それでも丘の起伏を埋め尽くす小さなブルーの花は、まさに圧巻。
ここから先は、車椅子を押す係りは夫にバトンタッチ。よいしょ、うんしょと全体重をかけてる様子…ご苦労様です。
手ぶらで昇っていてもけっこうしんどい。ちょっと息切れしながら丘を上りつめると…、
うわー、海だー!
あいにく霞がかかって水平線まで見渡せないけれど、丘の上のベンチに皆で座って、ネモフィラの花畑を撫でながら吹き上げてくる穏やかな潮風に吹かれていると、ああ、このまま眠ってしまいそうになる。
「いい公園だなー。最初からここに来りゃよかったなー、おい」
誰もが言いたかったけど言わずにいたセリフを、なんのためらいもなく言ってしまう父。
まったく、笠間の陶器市であんなに汗まみれになって車椅子を押してやったのに、それを言っちゃおしまいだろう。
と思うものの、確かに、この公園には他にもアスレチックやサイクリングコースはもちろん、子供の遊べる施設もレストランもたくさん整っていて、一日かけても制覇できないくらいだ。
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ひとしきり花畑を堪能すると、閉園時間の5時まであとわずか。再び20分かけて、来た道を戻る。
「ばいてん、ばいてん行こうよ。なんか買おうよ」とうるさいM、今日は活躍したしな、つきあってやるか、と、私と息子はさらに遠回りして露店が立ち並ぶ広場を経由する。
国営公園とあって、出展する出店も、地元のお菓子屋やレストランに限られているので安心できる。息子が、焼鳥屋でつくねを値引きしてもらっているのを横目に、私は和菓子屋の出店で小倉のソフトクリームを購入。これがまた、注文を受けてから1つ1つパケージされた一人分の「ネタ」を機械に投入して作るので、衛生的で嬉しい。味のほうも、申し分なく、う、うま~い。子供のわがままにつきあってやるのも、思わぬ収穫に出会う秘訣なのかもしれない。

照りつけるような昼間の日差しから一転して、涼しい夕方の風が吹いてきた。
なんだか、夏の日の夕暮どきみたいな、幼い頃に家族で海水浴に来た日の夕方みたいな、懐かしい感覚におそわれつつ公園を後にした。

「いやー、今日は本当に楽しかった。本当にありがとう」
偏屈な父の口が珍しく殊勝に喜んでいるのを見ると、逆に、おいおい大丈夫か?と心配になってしまうが、まあ、久々に遠出して、シャバの空気も吸って、心から楽しんでくれたのだろうと、こちらも素直に受け取るとしょう。
車椅子を押す方も、押される方も、だいぶ自信もついたので、次は温泉でも連れていってやるかな。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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