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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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料理教室に邁進

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息子のいない3月最後の週末。寂しくなるであろうことは最初から予期していたので、精力的に料理教室の予定をビッシリと入れる。
中でも、Tさんとそのお仲間への料理教室は、気心知れた長いおつきあいであることをいいことに、今回も伸ばし伸ばしになっていたから去年の夏以降だろうか。
Tさんとの出会いはもう20年近く前に遡る。入社してほどなく担当したある住宅メーカーの広告を担当してらしたTさんは、お互い男性社会の職場の中で、唯一の女性担当者同士。先輩のTさんに対してこんな言い方は完全におこがましいけれど、心のどこかでいつも支えになってくれていた。
CMの、いざ撮影現場に入ると、意外と超ヒマなのが、ペーペーだったあの頃の私とクライアントのTさん。二人でずいぶんといろんな話をする中で、一番楽しかったのがイタリアばなし。相当なイタリアマニアだったTさんと話をするうちに、「山中さん、イタリア語習ってみたら?喋れるようになると、もっと楽しいわよ」と誘って頂いたのがイタリア語だった。
ワケもわからず忙しく、上司や周囲の予定で自分のその日のスケジュールが左右されるあの頃、初心者コースといえどもまともに通えた試しがなかったイタリア語教室。当然、習得の方はサッパリだったが、それでも後にイタリアへ本格的に料理修業に行く決意ができたのも、こうして最低限のイタリア語を身につける機会を持てたからこそ。
だから、私にとってTさんは、私のイタリア馬鹿の道を決定づける人になったことに相違はない。
そのTさんが、今は私ごときの料理教室にこうして10年以上にわたりいらしてくださっているなんて、このご縁に、またその変わらぬ人徳に、改めて感謝しきりだ。

そして、さらにTさんは、いつものお仲間の他に、今日は特別ゲストを連れてきてくださった。なななんと、恵比寿にある有名イタリア料理店「ベヴィトリーチェ」のマダムである。
もともとはTさんと茶道のお友達でもあるマダムが、ご主人の敏腕シェフと切り盛りしているこのお店は、私も大好きなリストランテ。小さいお店だけれど、シェフの腕と目が隅々まで行き届き、どんな料理にも妥協がない。「Bevitrice」=「酔っぱらい女」の店名にふさわしいワイン好きのマダムと、イタリア各地で修業を積んだシェフの本物イタリアンがまさにマリアージュした素晴らしいお店なのだ。
…そんな一流リストランテのマダムを、私ごときの料理教室に誘うなんて、Tさんも殺生な…!
と当初はずいぶんと緊張の面持ちでマダムをお迎えしたわけだが、相変わらず静かな中に温かい包容力に満ちたマダムのやさしい笑顔を見ると、そんな不安もいつの間にかどこへやら。気がつけばいつも通りに自分がいちばんくつろいでいる図々しい私である。すみません…。
「鬼の居ぬ間に洗濯」の「洗濯」は、「心の洗濯」を意味するらしいが、まさに心身ともにリセットされた気分。

さて、今日のメニュー。
前菜は、冬を越したキャベツやジャガイモ、ニンジンなど、甘さと滋養に満ちた春野菜で作ったミネストラに空豆を浮かべて。
パスタは、カジキマグロとプチトマトのあっさりタイプ。
メインは子牛の薄切り焼きカツ。
ドルチェは、イチゴのジェラート。
そしてそして、最後に堪能したのは、Tさんの差し入れ、チンクエ・テッレの希少なデザートワイン「シャッケットラ」だ。
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昨夏のイタリア旅行でいらした世界遺産チンクエ・テッレでわざわざ買ってきてくださったというシロモノ。
海からでないとアプローチできない岸壁にそそり立つ小さな村が5つ並んだチンクエ(=5)テッレ(=大地)。先人たちの努力によって急斜面に築かれたブドウ畑も、当然、少量生産。中でも白ブドウを一度干して甘くしてから醸造する「シャッケットラ」というこのワイン、他の地域の同種のパッシートより何倍、何十倍もの希少価値があるのは言うまでもない。
その味は、ただ甘いだけではない芳醇な香り、どこか力強く、しっかりとした舌触り。厳しい自然の中で豊かに実った果実こそが織りなす、人を心の底からリラックスさせる奥深さに満ちているような気がする。

Tさんたちのおかげで、息子のいない寂しさを紛らわすどころか、思いっきり夜中までくつろいでしまったな。
長年ご無沙汰して不義理を申し上げていたいた「ベヴィトリーチェ」のマダムとも再会できたばかりか、今まで聞けずじまいでいたけれど「息子同伴でお店に伺っても全く問題ない」と快諾して頂いたことも大きな収穫。(ああ、これでまた「ベヴィトリーチェ」に通える!)
私が緊張しているのもお構いなしにマダムを連れてきてしまったTさんだけど、思えばこれもまた、重ね重ね感謝なのであった。



そんなこんなで週末も終わり、4日に及ぶスキー合宿から息子も無事帰還。
待ち望んでいた、息子を溺愛する日々…のはずが、早くもカミナリを落とす母になり下がることになる。

本を読んだら読みっぱなし。ノートを広げたら広げっぱなし。筆立てから取ったペンもそのまま机や床に放ったらかし。成績表でも2学期に引き続き3学期も整理整頓が「△」印だったことを思うと、正真正銘の散らかし屋だ。
誰に似たのかといえば、まぎれもなく母に似た証だからこちらも偉そうなこたあ言えた立場ではないくせに、ついつい怒鳴ってしまう。
「こりゃーっ。何度言ったらわかるのよっっ。これだからモノもすぐなくすし、忘れものも減らないんだよっ。とっとと片付けろーっっ!!」
ああ、またカミナリが始まったか、といった調子で、おびえるでもなく、落ち込むでもなく、息子は悠々と片付け始める。この、母の足元を見る感じもまた、一層ムカつくのであるが、これまた明らかに私似であることは悔しいことに否めない。

しばらく台所に立って無心で包丁を握り、10分後にリビングに戻ってくるとこの通り。
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これって片付けたと言えるんだろうか。
筆立てには「えんぴつ入れ」。
確かにその通りだけどさあ、誰がどう見たってえんぴつ入れでることは明らかだよ。なにも書く必要もなかろうし、書いたからといって片付けが今後はかどるわけでもないだろうよー。
隣の蓋付き缶には「こもの入れ」。それも見ての通りじゃん。せめて何を入れるのかを書いてくれ。
挙句、えんぴつ削りには「えんぴつけずり」→まんまやん。
「そーなんだ」のファイルにも、わざわざ「そーなんだ」って書いて貼ってある。
おいおい、それって…なんの意味があるんだよぅぅーっ!
やっぱり片付けのセンスないわ、わが愚息…。

息子を目の中に入れちゃう日々は、小言の絶えない日々でもあることを、遅ればせながら思い出す私である。
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Profilo

ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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