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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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BEN VENUTO ダニエーレ!



デジカメなのにファインダー覗いてるこの人の名は、ダニエーレ。
朝から急にデジカメの液晶が乱れて見られなくなっちゃったとか。こんなに古いデジカメだから、もう寿命かもね。

ダニエーレが日本にやってきた。
去年のバレンタインはORVIETOのロレッラの宿に押しかけて、ロレッラ&ダニエーレの間に割って入ってオシャレなリストランテでご馳走になっていた私と息子だが、まるでそのお返しみたいに、今年はそのダニエーレがバレンタインの日に日本にやってきた。
といっても遊びではない。
地元では名高いカンティーナ、Falesco社でマーケッターをしているダニエーレ。今回は日本の某商社からの招聘での来日だ。たった2週間で北は吹雪の札幌から、南は梅ほころぶ福岡までみっちり仕事行脚。しかも、商談だ販促会だと、朝から晩までとにかく休む間もなし。
そんなハードな日程のちょうど真ん中あたりが東京での仕事、ラッキーなことに土曜はまるまる一日まったくフリーだという。

というわけでダニエーレを知るみんなで、久々の再会をかみしめつつ、ゆっくり一日を過ごせることになった。
とりあえず渋谷のホテルを出て、我が家のおんぼろワーゲンにみんなで乗り込み出発。
どこに行きたい?と尋ねても
「みんなと一緒にいることに意味がある。別にどこもいかなくたっていいさ。あ、ひとつだけ!食事は日本食にしてくれよ」
聞くと、昼ごはんも夜ごはんも、クライアントとのディナーや試飲会でずーっとイタリア料理だという。…京都まで行かされるってのに、かわいそうに…。

というわけで、とりあえず夜は、我が家がもう20年近く通っている浅草の焼き鳥と釜飯のお店を予約。ならば山の手より下町めざして行動したほうがよさそうだ。
今日も相変わらず寒いけれど久々に雲ひとつない青空が広がって気持ちがいい。んじゃ、浜離宮でも行って、そうそうそこから船に乗るのもいいよね…と日本人だけが盛り上がり…とりあえず浜離宮へ。
新橋に到着してから、時計を見ればすでに12時。夜ごはんから逆算すると、ここらへんで軽くランチをしておいた方がいいよね?そうね、そうよね、浜離宮に入ってしまうとランチできる店もないしね、と汐留に駐車したあと方向転換して銀座へ繰り出す。
「お、GINZAか。昔来た覚えがあるぞ」
久々の天気に恵まれた銀座の歩行者天国。パラソルや椅子も出ていて家族連れや観光客で賑わっている銀座の風景がダニエーレが気に入った様子。
職業柄、ワインを売る店は素通りできない性格らしくENOTECAなどを寄り道ばかり。そんなこんなしたあとで、蕎麦「よし田」に連れて行き、お座敷でくつろいでいたら、あれ、もう2時半じゃん!
大変大変、ここでウチらはちょっと失礼し、息子のMを合唱のレッスンに連れていかねばらならい。じゃ、あとで浅草で集合ね。
「Mの合唱のレッスン!?それ、見学したいな!」
え?見学? なにしろ親だって見学は固く禁じられているくらいほど。入団希望者でも音楽関係者でもないのに許されるだろうか。
ダメもとで電話で尋ねてみるとしかし、「まあ、そういうことならぜんぜん構いませんよ」と意外にも快諾してくださる。

急いで蕎麦屋を後にして、結局再び皆でクルマに乗りこみ、今度はMが所属する少年合唱団のある半蔵門へ。
開始時間の3時ぎりぎりに到着。しかし見学は発声練習を終えたくらいの30分後に入ってほしいということで、Mだけ稽古場に入らせて、さて30分何する?
「皇居見に行く?それともカフェする?」の問いに、迷わず「カフェ」のダニエーレ。で、近くのタリーズへ。
海外旅行中の日本人だったら、こんな時間の無駄づかいさせたら怒られちゃうところだけど、なかなか時間通りに、計画通りに運ばないところが、まるでイタリアを旅してるようで不思議と大らかな気持ちになってくる。そんな風を運んできてくれたのもまたダニエーレならではだ。

トークに華が咲かせるも束の間、あっという目に30分が過ぎて合唱団へ。
「お母様だけは、子供たちから見えないところにいてくださった方が…」ということで、私にとってはまさに潜入といった感じ。
小学生の男子たちが“キリエ”“トゥーランドット”などを次々に歌っていく子供たち。彼らはコトバの意味もわからず覚えこまされてるだけなんだけど、
「すごいな、ラテン語もイタリア語も歌うのか!」
とびっくりしているダニエーレ。
思えば、親だって普段はコンサートでしか子供たちの歌声は聞けないというのに、こうして先生方に厳しくしごかれる子供たちの素顔が見られたのは、母にとってはちょっとした収穫でもあり、なんだか得した気分になってきた。こんな機会に恵まれたのも、一重にダニエーレのおかげなんだよな…。こんなことを他のお母様たちに知れたら…とふと不安をよぎったが、子供たちはどうやら突然現れた外国人ダニエーレの姿にくぎ付けで私のことなど目に入っていないらしい。
あとで息子に聞いた話だが「あの人、えらい人っぽいね」「音楽のせんもんかじゃないの?」なんて話で持ちきりだったとか。笑える…。

Mのレッスン後のピックアップはこのまま夫に任せるとして、お次はどうしようか?
「カメラの不具合を見てもらえるところはあるかな…」とダニエーレ。
でもそのデジカメ、もういいかげん寿命なんじゃない?新しいの買っちゃえば?そうよ、そうよ、じゃ、有楽町いこっか? と次なる行先は勝手にビックカメラになっている。
最新のデジカメが並ぶ売り場では、さすがにダニエーレの目つきも真剣になってきた。
「でも…なぜなんだ!?イタリアで買うより全体的に高いぞ!」
なるほど。確かにそうかも。各メーカーがしのぎを削り、これだけ最新の機種が毎月のごとく発売される日本。ひとつのデジカメを壊れるまで大事に使う人種が住む国のマーケットの比ではないであろう。
結局、予算を大きくオーバーしつつも、昨日発売になったばかりのキャノンのコンパクトデジカメを買うことに決心したダニエーレ。

そうそう、そういやタックスフリーにもなるんじゃない?と思いきや、パスポートをホテルに置いてきたらしい。
“あ、でもポイントカードをどなたかお持ちでしたら、タックスフリーよりお得ですよ”とお店のお姉さん。
でも、そのポイントが享受できるのはダニエーレじゃないしな。
「いいよ、いいよ、34000円の5%って言ったら1500円ちょっとだろ?いいよ、そのくらい」
予算オーバーだったことを早くも忘れ、強気のダニエーレ。
いざ、お店のお姉さんとレジへ向かう…も、今度は

“SDカードはどうされますか?”とお姉さん。
「え?SDカードって何それ?」「メモリーだよ、メモリー。これからはもうSDカードが主流なの。もしかして、今持ってるデジカメって…げっ、コンパクトフラッシュ。これってもう絶滅危惧品種だよ」「そっか、じゃ、そのなんとかカードってやつも買うよ。それってイタリアにも売ってるよな」「当たり前だよ。しかもそんなに高くないし」「そっか、じゃ問題ないな。4GBもあれば、しばらくもつよね」「十分十分、あ、でもパソコンが古いと、リーダーがないと4GB読み込めないかも。」……みたいな話をイタリア語で延々と…ああ、自分のイタリア語の語彙力の貧弱さを思い知らされる。

“あのぅ、もしどなたかがポイントカードお持ちでしたら…”とまたもお姉さんのツッコミ。
そっか!ポイントカードがあれば、カメラ買った分のポイントでSDカードが買えちゃうってことね!誰か持ってない?あ、あたし、持ってます、持ってます~!よかった~!
みないなやりとりで日本人同士で盛り上がっているところへ
「意味が、…わからない。どうしてオレはタダでSDカードがもらえるんだろう…」
えーっと、それはね、ポイントってシステムがあってね…
とまたまた乏しい語彙力と奮闘しながら、女3人がかりでポイントカードのシステムを説明。そんなこんなで、いやあ、レジまでの道のりがこんなに長かったことは生まれてこのかた、初めてである。ビックカメラから出てきたら、どっぷりと日が暮れていた。

そこから銀座線で一路浅草へ。浅草寺でお参りを済ますと、ちょうどいい時間。
先に来ていた夫と息子に迎えられ、まるで綿密に計画されていたかのごとく正確な時刻に夕餉にありつけることになった。
すごく小さい店だけど二階にあるお座敷は、ここの焼き鳥屋さんちの居間を改修してつくった、まるで親戚のおばさんちに来たみたいな、そんな空間。
「この部屋、すごくいいね。なんだか落ち着くよ」
期待通り、ダニエーレも気にいってくれたみたい。
2010_2_22_2

みずえちゃん、ダニエーレのともだち光太郎さんも合流して賑やかな食卓になる。
バッテリーを充電させてもらいさっそくおニューのデジカメで撮りまくっているダニエーレ。そういや、古いカメラの修理の話はどっかにいってしまったけれど、その存在すら忘れているといってもいいくらいだ。
冒頭の、ファインダーを覗くダニエーレの写真、期せずして、貴重な写真になるかもしれないね。

あっという間の一日だったけど、なんだか楽しかったな。
行き当たりばったりの、まるでイタリアを旅してるときのような一日。
それでも次から次に不思議とやることがふってきて、気がつけばとっても充実していた、これもまるでイタリアにいるときのような一日。
イタリア人のアテンドのつもりが、イタリア人にアテンドしてもらったみたいな、そんな一日でもあった。
ダニエーレにはなぜか周囲の人間に幸せな時間をたくさん与えてくれる、そんなオーラがいつもある。
次にダニエーレに会えるのは、さあ、いつかな?


ところで、みんな忘れてると思うけど、そういや浜離宮、行かなかったね。
なんてことも、イタリアではこれまたよくある話だったりする。
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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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