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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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ジャリ喰うジャリども。

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2月14日が土日にあたるとホッとする。
男性に限らず女性でもそう思う人は少なからずいるのではなかろうか。
しかし私の場合、義理チョコを買わずに済むから、というのともちょっと違う。
もともと、やたらとチョコレートを配る性格でもないので、ほとんど手ぶらで会社に来るのが常なのだが、甲斐甲斐しく上司や同僚にチョコレートを配る若い女子社員に囲まれていると妙に肩身の狭い思いをする。チョコを一つももらえない上司よりも小さくなっていなくちゃいけないような…そんな感じが否めない。

バレンタイン・デー。イタリア語ではSan Valentino。
もともとはローマの司祭、聖バレンティーノにちなんだ記念日だが、イタリアでも愛する人と共に時間を過ごす日には変わりはない。
去年のちょうど今頃、そんな恋人たちにとっての大切な日に、私は、イタリア人のカップルの中に、しかも子連れで割り込んで、オルヴィエートのエレガントなリストランテで4人で食事をしていたのだった。
http://ristoranteritz.blog92.fc2.com/blog-date-20090215.html
あれからもう1年か。時の経つのは本当に早い。
そんなわけで、バレンタインに息子と旅に出ていたくらいだから、身内の男性にチョコレートをプレゼントすることなど、ここのところずいぶんご無沙汰している。

おととい14日、日曜も、バレンタインの「バ」の字も忘れて家族で森美術館で開催中の「医学と芸術」展へ。その帰り、家の近所のデパートへ寄り、息子は夫の手を引っ張って本売り場へ、私は夕飯の材料を調達しに地下の食品売り場にいき別行動。
小さな街のデパートなのに、意外にも都内の有名どころのチョコレートショップがほんの3~4軒ほどだけど出店していて、駆け込みバレンタインとばかりにオバサマたちが次々と在庫をかっさらっていく。
…そんな売り場の目の前にいて、わざわざ買わないで通り過ぎるのもなんだか不自然な気がしてきた。久々に夫に、そして息子にも、お洒落なチョコレートでも買ってやるか。

私が足を止めた店の名は、テオブロマ。
息子が0歳児の時に通っていた保育園のすぐそばに店があって、早めに退社しては迎えに直行せずにこっそり一人でお茶していた懐かしい思い出がある。
息子には「ジュリア」という名の猫の絵が描かれたミルクチョコレートを。
夫に買ったのは、その名も「ジャリ」というチョコレート。なんでも、ここのパティシェが公園を散歩しているときに砂利を見てひらめいたとか。大小さまざまな色と形の、本当に、細かくて美しい砂利そのもののようなのだが、以前、父親に買ってあげたら「うまい、うまい。見た目が面白いだけかと思ったが味もイケる」と大好評だったのを思い出してこれにした。

さて、家に帰ってから、
「ふふ、ママ、実はね、二人にチョコレート買ったのよ」
と息子と夫にチョコレートを渡すも…
夫は無反応のまま、チョコは袋ごとテーブルに置きっぱなし。ちぇっ。
かたや息子は一箱700円のお上品な包装紙を、いくら大きさが一緒だからってポケモンカードを開封するがごとくベリベリと破り、ブラックサンダーを食べる時と同じ勢いで頬張り始める。ああ、もったいなっ。
…まあ、私にとっては、どちらも想定の範囲内である。

しかし、息子に買った3~4センチ四方のカレ型のミルクチョコ、私も1枚味見をと思い、台所の手を休めてリビングに行くも、ほんの5分の間に息子は6枚すべてをテレビ見ながらあっという間に完食。がっくり。言いたかないが1枚あたり約120円だっつうの。

ま、いいわ。テオブロマの本領はむしろ「ジャリ」の方が味わえるわけだし。
と、夕食後、見向きもしない夫に代わり今度は私が率先してテーブルの上の「ジャリ」の化粧箱を開封。
すると、ほれほれ、テレビの前にいた我が家の男どもが群がってくるわ、くるわ。食卓へ来て2~3粒手にとってはテレビの前へ…と行ったり来たりしはじめた。
夫は相変わらず一言もしゃべらないが、やっぱりおいしいものはわかるらしい。と我ながら悦に入るのも束の間、息子の痛撃の一言を浴びる。
「ママ。これおいしいね。要はマーブルチョコだよね」
そのあとに続いて、
「あーあ、言っちゃったよ…」
これが、今夜初めて聞く夫の声であった。

ああ、やはり我が家の男どもに高級チョコレートなど必要なかったのかもしれない。
がっくり肩を落としてるところへ、たたみかけるように
バッシャーン!
無数のビーズが転がっていくような音が部屋に響く。息子が“ジャリ”を手につかんでテレビのもとに戻ろうとした瞬間、袖をチョコの箱にひっかけたらしい。箱ごと見事に床の上に、しかも、タンスの脇の、もろ埃の吹き溜まりみたいなところにひっくり返っているではないか。

あああああ、「ジャリ」が、本当にジャリになっちまった。
悪びれる様子もなく、背中丸めてジャリを拾い集め、箱に戻す息子。
そして、それを責めようとも叱ろうともせずテレビを見つづける夫。
「おし、これで全部拾えたぞー」
そして再び、何事もなかったように、わずか12cm×8cmの箱に群がり、つかみとってはテレビの前へ、を繰り返す父と子。
その光景は、まさに、ジャリ喰うジャリたち…。

私は、おそらくもう二度と、バレンタインに彼らに「ジャリ」を買うことはないだろう。
ばらまかれても支障ない、いっそ、個包装のチロルチョコにでもしてやろうかと真剣に考えている。ジャリ一箱の値段で100個も買えるしね。

ところで、イタリアでは男性から女性に贈り物をするのが一般的という。
我が家の場合、この際バレンタインもイタリア式にした方が、家内安全、無病息災だと思うのだが、いかがだろう…。
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コメント

ご主人相変わらず渋いですね~。先日バザーで買った林真理子のエッセイを読んでいてふと思ったんですが、M氏ってモロ彼女のタイプですよね~。端正な顔立ちに知性と品が備わっていてやや神経質そうっていうのが彼女の好みだそうです。お気をつけ遊ばせ~。
毎年素敵な年賀状をありがとうございます。昨日届きました。

tsu様
相変わらず、のんびりもいいとこ年賀状でスミマセンでした。
えーっ!?端正な顔立ちに知性と品ですか!?それはゼロですね。
やや神経質ってのはアタリだけど。笑。
東京も雪が舞っております。ボローニャの比ではないけれど。
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Profilo

ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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