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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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オカベ。

「カナダ」と聞くと、咄嗟に「カルガリーオリンピック」と言ってしまう。
年がばれる、とも言えるけど、なんでまたそんな昔のオリンピック開催地が口をついてくるんだろう。レイクプラシッド、インスブルック、サラエボ…素直にスキーが大好きだった中高時代の開催地だからだろうか、地名だけがどんどん出てくるから不思議だ。

かたや夏のオリンピックとなると、ついこないだの開催地ですら覚えていない。つまり興味がない。というか、そもそも冬の競技だってアルペン以外は興味がなかったわけだし、考えてみると、全般的に私は、特にスポーツ観戦が好きな方ではないかもしれない。
心底お熱になれる男性も、スポーツ選手の中には長い人生の中で一人もいなかったと記憶する。
誰もここで私の男性論など期待してようはずもないが、なんというか、生理的にスポーツ選手がダメなのだ。たとえ大記録を残そうが、苛酷なトレーニングを積んでいようが、毎日同じ時間に同じ味のカレーしか食べないストイックな男とか、反対にウオーッと野獣のようなガッツポーズで水面から筋肉むきむきの上半身を見せつける男とか、本当にダメなのだ。

それがどうしたことだろう。そんな私が
「す、すてき…!」と見るたびに心を奪われてしまうスポーツ選手が、去年あたりから心の中に密かに登場した。
登場したといったって、彗星のごとく現れた若い選手ではない。むしろ古株も古株。いつ引退してもおかしくない同世代のアラフォー・アスリートだ。

岡部孝信。
スポーツ選手らしくない背が低くて細面の風貌といい、暑くるしさや脂っこさが微塵もないどころかむしろカサカサした感じといい、それでいて黙々と活躍しつづけ感じといい、なんというか魂をくすぐられてしまうのだ。
キャラ受けする先輩原田、風貌受けする後輩葛西の陰に隠れてデビュー以来ずっと地味な存在。でも、長野オリンピックで日の丸飛行隊を優勝に導いたのも実はこの人の功績、それも、直前の大きな故障を乗り越えての出場だった。
日本人が活躍すると、日本人に不利なようにルール変更されるのが、いわゆる冬の競技の常。中でも長野後のルール変更は身長165センチの岡部にとってはジャンプ人生で最大の壁にぶち当たるわけだが、その11年後の昨年、テレビ露出度のほとんどない中、なんとWカップで史上最年長記録を7歳もぬりかえ5勝をあげる。これってオリンピックで一発優勝することなんかより何倍もすごい快挙(しかも日本人で)であることを、みんなわかっているのだろうか。しかしそんなことは気にも留めず黙々と飛び続けるところがまた、いい…。
今シーズン初めは腰の故障に悩まされ五輪出場も危ぶまれたが、見事に再起を果たす。
この年で、この短期間でこれだけのリカバリーを成し遂げることも、メディアは大して指摘はしてくれないけど、その裏には血がにじむような努力と、人の何倍もの精神力があってのことだろう。何より、波乱万丈の彼の長い競技生活があった上に、今のオカベがいるわけだ。
そうした背景をも、ほかの選手だったら勲章や誇りにしがちな“ナルシストさ”すらも、彼にはまるでない。インタビューでの声も、いつも力の抜けた小さな声。ウケ狙いの気の利いた発言のひとつもない。その無欲な感じに、たまらなく心を奪われてしまう。間違っても「応援よろしくお願いします!」なんてことは、この人だけは言わないだろう。
ついでにいうと、ちょっと眉毛もうすいし、ピアスもしてるし、「おれ、昔は悪さしてました」的なところも、人生の日なたも日影も知り尽くした男だけが到達できる領域にいることを物語っているような気がしてならない。

おっと、ついオカベを語っていたら熱くなってしまった。
しかし、最近「龍馬伝」を観ていてふと気づいたことがひとつ。
福山はあまり好きではないが、愛する大森南朋が出演しているがゆえに、日曜8時は毎回欠かさず息子を押しのけてテレビのまん前を陣取っている私。
「ったく、なんで福山なの?大森南朋が龍馬を演ればいいじゃないのよ」とかいいながら食い入るように大森南朋を見ていたら、ふと思った。
なんか、似てるかも。岡部孝信と大森南朋。
結局、私も風貌から入ってるのかな…

うんにゃ、それはそれ。これはこれ。
バンクーバーオリンピックはとりあえず、ジャンプは死ぬ気で応援するのだ。
羽ばたけ、オカベ!
思う存分、飛んでくれ!
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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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