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「Quanto Basta」がおいしさの秘訣。

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イタリアの田舎のマンマたちに習ってきた料理を、料理教室で披露できるレシピにするまでには、ちょっとした練習が何度か必要となる。
というのも、マンマたちの料理はたいてい「Quanto Bastaクワント バスタ」=「適量」なものだから、きちんとレシピに落とすまでには分量を割り出す必要があったりするからだ。

こうして我が家の台所で再現してみたマンマの料理は、だいたい夫に実験台になってもらい「これを人様にお教えするに値するか否か」を問うのだが、聞こえるか聞こえないかわかんないような声で「いいんじゃない?」しか言わないので、正直あんまり当てにはならないのだが、とりあえず大きな嘘をつく人ではないことだけは確かなので、ま、いいんじゃないってことで、新レシピに昇格させてしまうというわけだ。

それでも、よく料理教室に初めていらっしゃった方から
「リッツさん、適量って、どれくらい?」
とご質問を受けるように、私のレシピを読み返してみると「適量」だらけだったりする。
それでも足しげく通ってくださるうちに、イタリアの「Quanto Basta」、すなわち適量文化にすっかり慣れてしまうらしく、そのうち、ご自宅で料理を再現なさるときも「適量」で全く問題なくおいしく作っていただいてるとか。
そんな話を聞くと、正直、心底イタリアマンマの味を、その真髄からご伝授できた気がして大変うれしいものである。

さて、毎月一度来てくださるイタリア仲間の料理教室は、まさしくそんなような人ばかりだ。
私のような、サラリーマンが片手間にやっているいい加減な料理教室だというのに、見放すことなく毎月集まってくれる面々。ところが、ゆえにこちらも手持ちのレシピが追い付かない。
というのも理由の一つではあるけれど、何より、一番年下の私が、私よりもイタリア通な皆さんの寛大な懐を借りられるような気もして、新しいレシピはいつもここで披露している。

さて、今回の新メニューは…
冒頭写真の、前菜「揚げナスの巻き物」。これは昨夏シチリアに行った際、アグリジェントのアグリトゥーリズモの女主人、キアラに習った料理。
一度素揚げしたナスで、パン粉にペコリーノチーズや香草を和えたものを巻き込んで、それを耐熱皿に並べ、ちょこっとトマトソースをかけてオーブンで焼き上げる。


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メインの「Cotoletta Palermitanaパレルモ風カツレツ」。これもシチリアはシラクーサのレモン農家の宿にとまった際に、ここのマンマに教わったもの。何をもってパレルモ風なのかは勉強不足でいまだ明らかではないものの、レモン農家ならではの、たっぷり搾りたてレモン汁にオリーブオイルを混ぜたものに仔牛の薄切り肉をマリネ、しっかりレモンの味をしみ込ませておいてからパン粉をつけて、なんと揚げるのではなく「焼く」。しかもオイルすら敷かないで焼くのがポイント。
カリっと仕上がったら、最後は上にピスタチオの砕いたものをふりかけて頂く。もちろん、今日のこの日のために、シチリアの中でも世界に名高い高級ピスタチオの産地「Pistacchi di Bronte(ブロンテ産)」のものを買って帰ってきたのでさっそく開封して使用する。

さて、ドルチェは、三笠会館のJ子さんから差し入れ頂いた高級チョコレートケーキがあるので、私がお教えするものは今日はお持ち帰り可能な軽めのものに。
ということで、ノッチョーレ(ヘーゼルナッツ)を使用して、ピエモンテではおなじみのノッチョーレの焼き菓子を作る。
実はこのノッチョーレも、同じくJ子さんの差し入れで、昨年ピエモンテに行った際にお土産に買ってきてくださったもの。これが、トーストしてきれいに皮をむいたものを真空パックにしてあるという優れもの。
私など、ピエモンテの田舎のリストランテで修行していた頃は、ヘーゼルナッツをひたすら火の上であぶっては、皮をむいて…をどれだけ繰り返したことか。そのときに下宿していたヘーゼルナッツ農家のマンマが、お土産に山ほどヘーゼルナッツを持たせてくれたけど、これまた家で炙って剥くだけで精一杯で、ついぞケーキに応用するまでに至らなかった覚えがある。
というわけで、10年前にこの農家のおばちゃんに教わったノッチョーレを粉状に砕いて焼きこむスポンジケーキを、なんと10年ぶりに再現してみることに成功。

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豪華な三笠会館のチョコレートケーキ、その名も「ボンバ」=チョコレートの爆弾。その脇で、今日はさりげなくノッチョーレの焼き菓子もチョコレートチップのトッピング。
バレンタイン気分が盛り上がってきたところで、アラフォー&アラフィー&アラ還“ギャル”の押せよ押せよの写メ大会に。
我らがジョルジオ岡田さん、レフ板役、ご苦労さまでした。

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…ってことで、今回も新メニューは昇格試験クリアかな?次回から他の面々のお料理教室にも登場するかも。
相変わらず「Quanto Basta」だらけのレシピだけど、ま、いっか。
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コメント

naocci

わーナスおいしそうー! 
わたしも自分のブログで作る料理にレシピをつけないのはすべて「適量」だし、毎回作り方が決まってないから。です^^; 

それにしても↓の温泉がひっじょーーーにステキです。浅間山、おばーちゃんちに行くときによく見えるんです。 あーーーーーーー温泉に行きたい!!次に冬の日本に帰れるのはいつだろうか・・・・・

P.S リンク張りまーす。

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Naocciさま
おおお、とっくにイタリアに帰ってしまわれていたのですね。
長いようで短いお里帰りだったと思います。
それにしてもお写真で拝見する限りのNarちゃん、ますますNaocciさんに似てきたような気がします。
拙宅でご一緒できた楽しいひとときをさっそくブログに書いてくださって恐縮(しかもリンクまで。涙)です。
おばあちゃんち、長野なの?
今度お目にかかったら、いろいろお話聞かせてください。

ところで、うちの愚息もいまだに一人で寝られません。
お背中とんとん、懐かしいなあ。
でも一緒に添い寝できるのもあと数年、と思うと貴重な時間ですよ~。

ryuji_s1

Cotoletta Palermitanaパレルモ風カツレツ 美味しそうです

素敵なマンマの味を 素晴らしいです

今後もよろしくお願いいたします

ritz

DRAGON ryuji様

温かいお言葉、痛み入ります。
コツコツとですが、マンマの味普及活動、地道にがんばります。笑。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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