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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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ことしもまた、年忘れ、年明けて。

ソーテルヌ貴腐ワイン
「りっちゃーん、すんごいワイン買って来ちゃったよ。なんたって今日は忘年会だからさ。あたしの人生において買った中でいちばん高いワインよ、これ」
大学時代の女友達Nが、コートを脱ぐ間も惜しんで取り出したワインは、なんとも高級そうな貴腐ワイン。
「なんかさー、見るからに旨そうだったからさー。デザートワインだと思うんだけど、ちょっとだけでいいからさ、ね、ね、今、飲んでみたくない?」
さっそくコルクを抜いてみんなで一口ずつ味見。う、うまーい!
ラベルを見るとソーテルヌ地区の白ワイン。えーっと、これってこれって、あれだよ、ほれ、あれ。なんとか川の流域ならではの、えーっと、えーっと…。
アラフォーの錆びた脳をあんなに酷使してまで取得したワインアドバイザーの資格だが、悲しいかな、フランスワインからは程遠い所帯じみた生活を送っていると、しょせん数ヶ月のにわか仕込みで詰め込んだ知識なんぞは見事に忘却の彼方…。
ま、旨いんだから、いっか。

12月30日。年の瀬も押しに押し迫った日の4時すぎから、大学時代の友人4人が拙宅に集まった。こうして同級生が集まるのは、実に2年ぶりくらいじゃなかろうか。その時も確か年末だった。
うち二人のH実とK君は夫婦。お子ちゃま二人もいっしょ。そして某デパートのバイヤーをつとめる同級生女子の一番の出世頭でありながら美食の女王N。もうひとりは11月にふとしたきっかけで20年ぶりに再会することができたR。
世界中を飛び回るバリバリのキャリアウーマンも、日々育児に追われる主婦も、受験生の子を持つ母も、意外なことに大晦日の前の日の、しかも夕刻ってのは、ぽっかり時間ができたりするものであることを、なんとなくみんなわかっていたのかもしれない。

子供は子供でひたすら遊びまくり、大人は大人で飲みまくり食べまくり喋りまくり…。
日頃、会いたいのになかなか会えなかった人たちと、こうして一年を締めくくることができるのは、なんともいい気分。

みんなが帰ってから、ちょいと酔いも醒めかけたところで、さっきの貴腐ワインの詳細を知るべくさっそくワイン学校の教科書で復習。
そうだ、シロン川だ。赤ワインで有名なボルドー地区において、ただ二つ白ワインで有名な地区、それがバルザックとソーテルヌ。シロン川から出る霧によってブドウにボトリティス菌がつくことで、まるで干しブドウのごとくブドウの糖分が凝縮し、極上の甘口ワインになる。しかも、一つひとつ手摘みしなくては収穫できないため、下手なボルドーの赤ワインより値段も高価になるわけだ。そういや、ソーテルヌ・バルザックのシャトーの格付けだって暗記したよな…でも何一つ覚えちゃいない。日本ソムリエ協会から資格を剥奪されても仕方ないくらい、これが見事に覚えていないのであった。

誰がつけたか知らないが、「忘年会」って言葉はなかなかいい。
この1年で起きた嫌なことはすべて酒に流して忘れようという意味でもあり、こうして物忘れがどんどんひどくなっていく自分の年齢自体をも忘れようという、そんな意味も込められているような気がするのは私だけだろうか。

そんなこんなで日付もかわり、いつの間にか大晦日に突入。
折りしも、先日の息子のMの合唱コンサートに来ていただいたお友達のお母さま方から、どどーんと大きな花束ならぬ、お正月飾りが届く。コンサートでは、合唱団からの御達しで花束などを頂くことを固く禁じられていたため、かえってこのような形でお気を遣わせてしまったようだけど、しかしこんな立派なお正月のアレンジを頂戴するのは初めてのこと。アパートの大家でもある両親も大喜び。でかしたぞ、M!といった気持ちで、さっそくアパートの出入り口に飾らせていただく。
お正月の花
さてお正月気分も高まってきたところで、黒豆の鍋と、雑煮用のダシ鍋の火の番は、留守番好きの夫に任せ、午後は私と息子と母とで新宿へ墓参り&デパートへお年賀なぞ買いに行き、またもや大掃除は今年も見送りと決め込んだ。
帰宅後は紅白見ながらせっせとおせち作り。「アリスに矢沢永ちゃんじゃ、今年も白組でしょう」なんて独り言をいいながらせっせと台所に立ちつづけ、11時半にやっとこさ、カタがつく。
で、休むまもなく、今度は歩いて10分のとある由緒あるお寺へ。
家のすぐ裏手に大きなお不動様があるのも無視して出向いたそのワケは…
実はこのお寺、同じ小学校のお友達のママの実家で、「Mくん、11時45分頃に来たら除夜の鐘つけるわよ!」と言われていたからなのであった。
私が子供のころは、うちの裏手の不動尊も商店街のおばちゃんたちがたくさんお手伝いで集まっていて、除夜の鐘もとっくに108つ突き終わっているのに「いいよいいよ、誰も数えてやなんかしないんだからさ、鳴らしちゃいな!」なんて具合で便乗してしまったものだが、いまやこの不動尊の鐘つきは完全予約制でしかも一人数千円も取られるという噂も。
ひきかえ、このお友達のママのご実家のお寺では、近所の人が三々五々集まった順に列をつくり、気持ちのお賽銭だけで鐘をつかせていただけるというなんとも良心的なお話。
今年はいつもより人が多いのだろうか、気がつくと私たちの後ろに大行列ができていた。
「すみませーん。できるだけみなさんに突いていただきたいので、2~3人ずつでお願いします」
代々つづくお寺らしい、立派なお計らいである。そうこうしているうちに12時が過ぎて2009年から、2010年へ突入。そしていよいよ私たちの番がやってきた。
鐘つき
私はこの写真を撮りたかったがために、夫に息子の介助役を任せ、ひとり列から離れたわけだが、すると息子たちがつきおわった直後、次に鐘つき台に登った親子、大学生くらいのお嬢さんを連れた50代半ばくらいの奥さんが、こっちを見て「いらっしゃいよー」と手招きをしている。もしかして私のこと?
「そうよ、そうよ。だって、さっきのボクのお母さんだもの。せっかく来たんだから、いっしょに突きましょうよ。ご利益あるようにさ」
なんとも江戸っ子らしい粋な気遣い。新年早々、あったかい気持ちでいっぱいになりながら、お言葉に甘えてお二人の間に入って28つ目の鐘を一緒につかせていただく。
1、2、で3度目に勢いつけてゴ~ン。
うわあ、新年早々、とってもいい気分だ。


おせち
しかし年が明けてしまうと、お正月ってのは、どうしてこうもあっさりと過ぎてしまうものなんだろ。
元旦、二日、三日とあっという間に時は過ぎ、気がつけば会社も始動、学校も明日7日から始業式だ。
おいおい、そういや防災頭巾とか、スモックとか、いろいろ持っていかなきゃいけないものもあるだろう。息子は学校のあと学童だから弁当も持たせにゃならん。
なんてバタバタしていたら、げげっ、今頃になって、冬休み前に学校で配られたプリントを夫が発見し、愕然としている。
「冬休みの計画表」だって!?
「○月○日までに、○○○○○をします」ってのを5つくらい埋めなくちゃいけなかったんじゃん。
「おいおい、どうすんだよっ!」と焦る夫。
…しかし、そんな父の焦りをよそに
「12月31日までに、おおそうじをします」とか「1月6日までにしゅくだいをします」とか、次から次へと罪悪感のかけらもなくヌケヌケと書いていく我が息子。
ああ、まるで自分を見ているようで、本当に恐ろしいと感じたのであった。

今年も家族みんな元気で楽しく暮らせれば、多くは望みません。
とキレイごとを一応言いつつ、
今年もイタリア行けますように(できれば二回)、今年は耳の病気が完治しますように、今年も息子がかわいいままでいてくれますように、今年も夫に逃げられませんように、今年も孫の面倒をまだまだ見られる元気な両親でいてくれますように…と邪心に満ちた願い事であふれかえっている私でございますが、みなさま本年もどうぞよろしくお願いします。
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コメント

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ジャカルタからの愛、しかと受け止めさせていただきました!
早くもお帰りを待ちわびてますよ~。
お土産話を(もちろん愚痴も)楽しみにしてまーす。

明けましておめでとうございます。

昨年はお目にかかれてうれしかったです。あの後、友達を呼んでランチしたときにピエモンテ風お肉の煮込みを作ったんですよ~^^  今年も妻に母に会社員に料理の先生に女に、、、より一層の活躍を期待しております!  

NAOCCIさま
日本での久々のお正月、満喫されたことと思います。
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いします。

妻と女の役割は、とっくに放棄して久しいですが
それ以外とことは、なんとか頑張っていきたいと思います。

Naocciさんこそ異国の地での子育てに日々大変なこともあるかと思いますが、乗り越えて、楽しんでいってくださいね。応援してます!
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Profilo

ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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