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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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夫婦の老後シミュレーション

20100102004532

息子は、24、25と二夜続けて合唱コンサートをこなし、翌朝からは今度はスキー合宿へと旅立って行った。
朝8時に上野集合。しかも弁当持参。結局私も、菓子作りのあとは弁当づくりで、3日続けて5時半起床。親子そろってなんともハードスケジュールであった。

同じ団体が主催している忍者合宿なるものに、夏休みに初めてのお泊りに出してみたときは、「楽しかったけど、もうお泊りはいやだ」と言っていた息子。
しかし私は引き続き冬のスキー合宿にもぜひとも行かせたかった。というのも何を隠そう、この私も、三十数年前にこの団体のスキー合宿でスキーを覚え、高校・大学になるとそのままスキーリーダーのバイトまでやらされたほど。なにより、他の学校の子供たちとのふれあいは、スリリングでありながらたまにしか会えないからこそ芽生える友情もある。そんなことを息子にも味わって欲しかったからだ。
母の意に反し息子が後ろ向きなので、仲良くしている同じ学校の女の子のママに声をかけてみたら、さっそくぜひ行かせてみたいと色よい返事。しかもその女の子は自らパンフレットの内容を読み込み「二泊のより年末の三泊の合宿に行きたい!Mくんと一緒なら寂しくないもん!」と言ってくれたというのだ。
そこまで言われては、クビを横にふっちゃ男のプライドがすたるというもの。ということはさすがに愚息も感じたらしい。
で、二人で仲良く、バスに乗って旅立っていったというわけだ。

さあ、鬼の居ぬ間に、普段は出来ない残業を心置きなくしようと思っていたのだが、おっとどっこい、なんと、26日も27日も週末ではないか。誤算であった…。
もう7年も子供と3人の家族生活をしていると、いざ夫婦ふたりだけになってみると、久々の新婚気分どころか、これがまた…結構つらいのである。
26日は運よくママ仲間と外出の予定が入り一日中遊んで帰る。ちなみにその間、夫からは「夕飯、どうする?」のメールすら一通もなかった。
27日は夫も私も、それぞれの掃除やら身の回りの整理整頓に没頭。夜は「坂の上の雲」見たさに外食もせず家でいつもよりますます質素な食事。しかも会話は一切なし。
二人で顔をつきあわせている時には私には微塵も見せてはくれなかった笑みを、夫は、夜中のお笑い番組でひとりテレビにむかって思い切り見せている。
子供が巣立って二人きりになった老後にますます不安を覚えざるを得ない。
ああ、Mよ、早く帰ってきておくれ…。淋しさからか、はたまたここ数日の疲れが出たせいか、3週間ほど調子がよかった耳も、久々に超悪化。おまけにプチ・ギックリ腰も再発して、ああ、もう最悪の状態である。

で、28日。息子のいない最後の日がやってきた。
子供がいないからって、ブルーなままじゃいけないよな。とお互いどこかで思っていたのだろう。まるで勇気を奮い立たせるかのように、どちらからともなく半ば渋々という感じで「夜ごはんでもどこかに食べにいくか」ということになった。

基準は、子供がいると入れない店。悲しいかな、そうでも思わないことにはモチベーションが湧かない。
しかしイタリア料理屋でお子様お断りという店は、元来好きではない。子供のことをテゾーロ(宝)とも呼ぶイタリア本国ではそんな店はまず無いからだ。
すると必然的にフレンチということになる。
フレンチで、美味しくて、良心的で、ワインも法外に高くなくて、居心地のいい店、というと、やっぱりここになってしまう。四谷と信濃町の間にある「ベレコ」という店だ。

夫が選んだワインは、フランス南西部マディラン地方のシャトー・ブスカッセ。
ボルドーなどの名産地に日の目を奪われた少々マニアックな地方の赤ワインなのだけど、これがまた、タナという渋みの強い品種を使ったワインで、その渋みをまろやかにするために、渋みの代名詞でもあるカヴェルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしているという、それくらい渋々のワインなんだそうな。
夫婦ふたりっきりの渋々ディナー、その食卓を彩るはずのワインまでもが辛口をも通り越して、タンニンだらけの渋々のワインというわけだ。

それでもまあ、「ほら、肘ついて食べないの!」とか「左手をちゃんと上に出して!」などと息子に注意ばかりしてないといけない外食に比べれば、ウニとニンジンのコンソメゼリー仕立ても、豪華なウズラの野菜の詰め物も、繊細で上品なタルトタタンも、それはそれはゆっくりと堪能できるわけで、食べている間は本当に幸せなんだけど、でもなあ、子供が巣立っていった老後に、二人で毎日フレンチ食べに行けるわけでもないしなあ。

子供に修行させるつもりで出したスキー合宿が、気がつけば親の方が修行させられる3泊4日になっちまったではないか。
翌日、子供は、「すんご~い楽しかった。春も絶対行くもんね」とハイテンションでスキー合宿から帰ってきたものの、ひきかえ、親にとっては深刻な老後シミュレーション合宿であった。

夫婦二人で老後をどう生きるか。
子供が結婚し、家を出て、そしたらそしたら、私たちはどうすりゃいいんだろう。
答えはいまだ見つからず。
とりあえず、私は私でイタリアに行って、夫は夫で家で夜中のお笑い番組でも見てるんだろうな、きっと。
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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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