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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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クリスマスにもらった歌声

2009_12_26
先週行われた学校のクリスマス会で、校長先生が「サンタさんにプレゼントをもらうばかりではなく、一人一人が誰かに贈り物をする気持ちも忘れないでください」というような趣旨のことを仰せられていた。
そういう意味でいうと、我が家の今年のクリスマスは、24日、25日とつづけて、母も子も、奉仕の二日間だったかもしれない。

物心つかないころからとにかく歌好きで、おトイレではウンチでうなりながらも歌を歌っていた息子。親が引っ張り出して懐かしのCDを聴いていると、ユーミンからスピッツ、サザン、ジュリー、オフコース、RCまですぐに覚えて歌っていた息子。
だから、そんな彼が自分から合唱団に入りたいと言い出したのも別に不思議ではなかった。
都内にある少年合唱団としては有名な某合唱団に入団させたのは、小学校生活にもまだ慣れない5月に入った頃だったと思う。
最初のうちは、なかなか馴染めず、やれチビと言われただの、誰それにちょっかい出されただのの、何かと理由をつけては行くのを嫌がり、レッスンに連れて行くたびに、泣きわめく息子を見るにつけ、こちらもますます後ろ向きに。いっそやめさせてしまおうかと何度思ったことだろう

それが不思議と、二学期に入ってしばらくした頃からピタリと文句も言わずに通うようになった。クリスマスコンサートに向けて、たくさんの曲を覚え始める中で仲間意識も芽生えてきたのだろう。上級生との合同練習が始まりまさに合唱の醍醐味を体得し始めたこともあるかと思う。
ちょうど学校でも、2学期に入ってから急に友達も増え、縮こまってばかりいた1学期がうそのように、自分らしさを前面にさらけだし、それを受け入れてもらえる仲間を見つけ、やっと息子本領の明るさを発揮し始めていた。

11月に入るとクリスマスコンサートに向けて合唱のレッスンは厳しさを増し、週に3回に。送迎する親の方も結構大変だ。
「先生がね、クリスマスの夜に歌を聴きにきてくれるお客さんたちに、ああ、クリスマスっていいなーって、そう思ってもらうように歌いなさいって。どんな気持ちで歌えばいいんだろうな~」
ご飯を食べながらも、宿題をしながらも、お風呂に入りながらも、ラテン語だかドイツ語だか親が聞いてもわからない歌詞の歌を何曲も暗譜しては鼻歌交じりに家でも歌っている様は、しかし、楽しくて仕方が無いといった様子。

そんな息子を見ていたら、なんだか私もじっとしていられなくなった。
母たちがコンサート時にバザーで出す手芸品を作る会合などにはほとんど顔を出せなかった私だが、そのせめてものお詫びに、当日の手作り菓子の提供を買って出ることにした。
幸い、イタリアには、北から南まで地方ごとに素朴な焼き菓子がたくさんある。お茶の子さいさいだ。
河童橋でラッピング用の袋やケーキの台紙、リボンまで揃えやる気まんまん!

…がしかし、よくよく考えてみたら、コンサート本番の24日、25日とも、なんと平日ではないか。でも後に引けないし、引きたい性格でもない私。
ゆえに、明け方に起きて菓子を焼き、会社に行って打ち合わせをこなし、再び家に戻って朝焼いておいたお菓子をラッピング。ジジババ宅で待機させていた息子とお菓子をホールに早々に搬入し、再び会社へ行って仕事、そして夜にコンサート会場へ。
なあんてことを二日も繰り返す羽目になった。正直、ヘロヘロである。

しかし、何より頑張ったのは、息子たち新入団生だろう。
5月からたった半年ちょっとの間で、発声から姿勢まで先生方のそれはそれは厳しい指導にも耐えながら、親の手が一切介入しない場所で、上級生に助けられながらも慣れない衣装に着替え、こうして大きなステージに立つわけだ。
8時だよ全員集合の合唱コーナーの衣装みたいな、赤いドレスに割烹着みたいな白の上着を重ねたそれも、小学校1年生から6年生までの清らかな男子たちが身にまとうと、まるでお人形のよう、と言ってしまったら親バカだろうか。

同じ新入団生のママ仲間が、「男子だけの合唱団って、邪心がないところがいいのよね」とよく言っていたけれど、その意味が改めてよくわかる。
誰の目を意識するわけでもなく、ただただ歌が好きで、皆とハモるのが楽しくて仕方がないだけの少年50名余りが、一糸乱れず歌いあげる聖歌やクリスマスソングの数々。
天使の歌声とは、まさにこのことだろう。
指揮者の先生をじっと見つめながら、口を大きくあけて歌う息子の顔をみながら、一人一人の集大成である素晴らしい演奏を聴いていたら、ああ、不覚にも涙が頬をつたってしまった。続けてきて良かった…と。

お受験でたとえ志望の小学校に入れたからといって、それがゴールなのではない。
本当に大変なのは、小学生になってから。
思い起こせば、そんなことを日々痛感しつづけた8ヶ月であった。
どんな学校に入ったにせよ、いかにわが子がわが子らしく、あらゆる場面と局面で自分らしさを存分に発揮していくか、自信をつけていくか、正しく進歩していくか、そのための道のりこそが、これから始まる新たな子育てのステージなのだ。
その、たった第一歩にすぎないけれど、息子もこうして、やっと、1年生というステージに堂々と立つことができたのだと、4月から親子でまさに暗中模索の日々だった月日を思い起こすにつけ、いろいろなことが頭をよぎり、つい涙が止まらない。

母も負けてはいられないぞな。
お菓子だけ作って満足してる場合ではないぞな。
息子からもらった、大きな大きなクリスマスプレゼントを胸に刻みながら、来年に向けて決意を新たにするのであった
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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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