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晴れたぜ、尾道!

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♪瀬戸ワンタン 日暮れてんどん ゆうな~みこ~な~味噌ラーメン♪
瀬戸内海と聞くと反射的に歌ってしまう。世代がバレバレだ。
宿を出て約1時間、尾道に到着。やっと快晴に恵まれた。きらきらと光る尾道水道が眩しい。
まずはロープウェイにのって千光寺山へ。
山頂から見下ろす尾道の町並み、瀬戸内の光景は、文句なしに美しい。この島々を点々と渡っていくと四国は今治に行き着くのだ。
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いろんな見所を楽しみながら、山を下りていけるようになっている。
安藤忠雄大先生設計の尾道市立美術館亜は外観だけ拝むとして、文学の小道と名づけられた林の中の石段を下りていく。志賀直哉、林芙美子から金田一京助、正岡子規、緒方洪庵まで、尾道ゆかりの文人、詩人の詠んだ歌や小説の一説が刻まれた碑が無造作に左右に並ぶのを見ながら下っていくのもなかなか楽しい。
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天寧寺の三重塔を仰ぎつつ、千光寺へ。まるで清水寺のように、崖っぷちに突き出て海を臨むように本堂が建っている。その横の鐘楼だろうか、賽銭箱の前にまるで巨大な数珠のような、ロザリオのようなものが垂れ下がっていて、中に一つだけ赤い玉が混じっている。その赤い玉からはじめてくるくるとひっぱし赤い玉が再び手の中に戻ってくるまで一周させる間に、お願い事をするんだそうな。息子は何を願ったのだろう、聞いても教えてくれない。
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それから旧志賀直哉邸へ。といってもほんの数年しかいなかったそうだが、かの暗夜航路はここで草稿が錬られたとか。
そのまま坂道を迷いながらも下りていく。静けさに包まれた古い石垣や石畳、勾配はかなり急だけど、なんともいえない趣がある。
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まるでイタリアの田舎の古い山岳都市に通じるような…
山の頂には寺があり、神社があり、裕福な家庭の別荘や家があり、そして山の裾野には庶民の活気あふれる暮らしがある。
東京の平坦で人工的な都市構造を思うにつけ、坂、丘、水が豊かな街の大切な要素であることに改めて気づかされる。
急な坂道の途中に、おじいさんがひとりで豆をいっている豆屋さんを発見。甘納豆好きの息子はさっそく2袋購入。
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しかし、地図で見るより、意外と距離のある下り坂、しかもこんなに急だと思わなかった。お恥ずかしいことに、足がガクガクいっている。とほほ。
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さて坂を下りきって、山陽本線の下をくぐれば、尾道水道に沿うようにして、下町のような活気溢れる商店街が広がっている。
そろそろお腹も減ってきたので尾道ラーメンでも食べようかと、広島出身の鍼の先生から教えてもらった「朱華園」に行ってみるも、なんと100メートルを超える大行列。断念して、ちょっと裏道に入ったラーメン屋に入ったけれど、それでも十分おいしかった。

さて、帰りの福山発の新幹線にはまだ少し時間がある。
せっかくここまで来たのなら、さっき展望台から見た、四国へとつづく島々のちょっとでも先まで行って見たいと思うのが心情というもの。
しまなみ海道を突っ走り、尾道大橋と、つづいて因の島大橋を渡って因島まで行ってみた。
島の南端、つまり一番四国寄りの丘の上を目指す。ここにある因島公園は国立公園特別地域に指定されているとガイドブックに書かれていたんだけど、行ってみると人っこ一人いなそれはそれは淋しい場所。車から降りて、恐る恐る公園に入って突き進んでいくと、目の前に急に壮大な瀬戸内の光景が開けた。
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もうあと4つ、この先の島を渡れば、そこはもう四国なのだと思うと、なんとも感慨深い。
ひっそりとした公園の中に、突然、城山三郎の一説が刻まれた碑が。なんでだろう。
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さて、福山駅に戻るには、いまちょっと時間があるので、島の今度は北部にある水軍城なるお城に行ってみる。ミカン畑に囲まれた墓地の間を縫って登っていくと、表れたのはなんとも小さなお城。
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戦国期に毛利水軍の一翼を担ったといわれる因島村上氏の水軍の拠点だったらしいが、近年再現したにしては、あまりにも…しょぼい。
いずれにしても城好きの息子の城見物キャリアが、またひとつ増えたことには違いないからよしとしよう。

しまなみ海道を一気に戻り、福山駅へ。新幹線の時間まで少し時間があったので、駅の裏にある福山城もついでに見物。今回の旅で、一気に3つも、城を制覇したことになる。
あっという間の3日間だったけど、サンライズ出雲の寝台特急から始まって、嵐の出雲大社に、小雨の松江、そして快晴の瀬戸内海と、なかなか濃い旅だったと思う。


家に帰ってから、ふと、因島公園にあった城山三郎の碑が気になって、調べてみた。
なるほど、これは因島を舞台にした城山三郎の歴史小説「秀吉と武吉」の中の一説ではなかろうか。

瀬戸の海に無数に浮かぶ島々に、かつてひしめいていた海賊たちを統率し、見事な指導力を発揮していた総大将、村上武吉。今でこそ穏やかなこの瀬戸の島々で、戦国末期には天下統一をたくらむ秀吉とこの武吉が壮絶な戦いを繰り広げていたわけだ。
さまざまな戦いの歴史、流した血の末にこそ、今のこの穏やかな島々の光景がある。
美しい瀬戸の海を望む因島公園に、ひっそりと立つ城山三郎の碑の一語一句をあらためて思い浮かべてみる。

目を上げれば海
運に任せて自在な海
ああ、人生は海

小柳ルミ子から始まって、城山三郎で終わった瀬戸の一日。
今後、瀬戸内海と聞いて反射的に思い浮かべるのは「瀬戸の花嫁」ではなく「ああ、人生は海」になることを誓う私であった。


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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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