FC2ブログ

いい話と、よくない話と、そしてまた、いい話と。

沈黙の一ヶ月間。

にするつもりは、そもそも全然なく、本来なら
ニュース①ap-bank主催のWEBマガジンhttp://eco-reso.jp/ で連載を始めました!
てなお知らせや
ニュース②ristorante-ritzのホームページをリニューアル・オープンしました!
てなお知らせを、
意気揚々とお伝えしているはずだった。
(ニュース①に関しては、すでに連載を無事に開始したので、覗いてみてください。ニュース②に関しては、もう少し、というところで以下が勃発)

思いもよらず、突発性難聴という病気に襲われる。
原因はストレスだと言うけれど、こんだけ適当に長い人生歩んできて、いまさら思い当たるフシもない。
「最近、忙しかった?」と先生。
「うーん、しいて言えば、子供が1年生になって生活パターンが変わったこと?くらいしか思いつかないですけど」
「あー、毎朝、早起きして弁当つくるようになったんだ。ダメだよ、早く寝なくちゃ」とバッサリ。
仕事からはいくらでも逃げられる人間も、母親業からは逃げられなかたっという証なのか。
一週間くらいたてば治るだろうと思ったけど、これがまた一進一退で。人によってさまざまなケースがあるとは聞かされていたが、今日は完治したかと思ったら、翌日はまた耳鳴りと激しい耳閉感が復活したりと、なかなか治らず、もどかしい。そしてかなりへこむ。

そうこうしているうち、気がつけば、大好きなあるイタリア人マエストロの日本公演が近づいていた。
日本ではあまり有名ではないけれど、4年前の紀尾井ホールでの演奏にすっかり魅了された私は、以来、客演指揮者として来日するたびに足を運んでいたのだ。
そんな私のファンぶりを知ったある方が、マエストロと大変親しいというKさんという日本人の男性をご紹介くださったのは2年前。なんでも、イタリアで仕事をしていた時代に知り合った「マブダチ」なんだそう。
以来、Kさんを通じて、何度、マエストロの楽屋に運ばせてもらったことだろう。素人の私に「僕なんか、もっと音楽オンチだよ。あいつが指揮者かどうかなんて、僕には関係ないワケ」とかなんとかいいながら、スノッブそうな音楽関係者をいつもズケズケと掻き分けて楽屋に乗り込んでは、ほかの誰よりもマエストロに歓迎されていた。そしていつも気さくに、マエストロと私の間をつないでくださった、そんな方だった。

そのKさんが、突然亡くなったのは今年の2月。
異国の地で訃報を聞いたマエストロがその心痛を、自らの掲示板に書き込んでいたのは知っていた。
今回の公演は、もう誰も、チャオ~!と彼の楽屋にズケズケと入っていく人はいないのだ。そう思ったらなんだか急に、2月に味わった悲しみが蘇ってきた。
さんざん悩んだ挙句、マエストロの掲示板にそれとなく書き込んでみる。
すぐに日本代行オフィスの人から連絡があり、マエストロより「演奏後に楽屋に来るように」と。

そして昨日。公演の日がやってきた。
耳の調子は今ひとつだが、病院のあとに滑り込みで開演時間に間に合う。
前半は、ラヴェルのピアノ協奏曲。
後半は、マエストロにしては珍しい選曲、ホルストの組曲「惑星」であった。

この組曲を聴きながら、私はじわじわとこみあげる涙を抑えることができなくなる。
何気なくしか聞いたことのなかった組曲「惑星」。
でもこの曲の中には、生があり、戦いがあり、創造があり、死があり、そして最後は死を超越した魂の声で終わる。
今回のマエストロの選曲が、最大の友への鎮魂歌であり、オマージュであったことに、私は初めて気づいたのだ。
旋律の一つひとつが、すーっと天国に上っていくような不思議な感覚にとらわれたあと、最後にはとてつもなく穏やかな魂で私自身が満たされていた。

公演が終わって、私は楽屋へと向かう。Kさんの足元にすら及ばないけれど、マエストロに最大の笑顔で迎えてもらえるべく素人むき出しのイタリア人ノリで、チャオ~!と言う練習を何度もくりかえしながら、
メディアで見たことのある多くの音楽評論家たちをかきわけながら、マエストロの部屋を目指して。





スポンサーサイト



コメント

似非料理人

お大事に
初めましてritz様、つい最近「トルテリーニが食べたくて~」を知りこちらにお邪魔する様になりました者です。図らずもいろんな事が被さって、最後にはマエストロの書き込みで思わず知らず書き込みさせて頂きました。最近自宅近くに出来ましたカフェでその本に出会い、行く度に虜になりこちらのページ知り本も買いました。
奇しくも最近続けて友人知人と二人続けて突発性難聴で入院となり、お二方とも無事退院はされましたがやはり完治は難しいと伺いました。が、お二方とも至って元気にふるまっておられます。ritz様も病気に負けないでお仕事続けられて下さい。
そうそう、マエストロの事はよく知りませんでしたがお調べしたら二年前ですか辻井さんのラフマニノフ聞かれたんですね。何故か先ほどから辻井氏のCDかけながら思いを巡らせていたんです。
そして不覚にも「惑星」のくだりで熱いものがこみあげて来てしまい、こうして長々と書き込む次第です。
そんな演奏ににはなかなか出合えないもの、うらやましい限りです。
ますます、こちらのページが楽しみになりました。では、お大事に。

ritz

似非料理人さま(もっと素敵なNameを名乗ってくださいませ。笑)

嬉しいお言葉を賜り、勇気付けられました。
私生活の切り売りブログですが
こうしたお声をかけていただけた瞬間、
細々とした活動も、報われる思いが致します。
どうか今後とも、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

loto

ご自愛くださいね
色々と大変な時にわざわざメール送ってくださったんですね…。
どうか無理をせず、お体を大切になさってください。

-

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます

ritz

鍵コメさま(もといtsuさま)
ご心配おかけしてすみません…。症状はおかげさまで安定してきて
このまま完治するのではというのが医者の見解。
イタリア行きもOKが出ました。
ところで、ご帰国中と思いつつ、ご連絡しそびれていました。
今は、関西、それとも関東ですか??
12日に戻ります。それからでも間にあいますか?
ぜひお目にかかりたく!
非公開コメント

ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

Profilo

ritz

Author:ritz
広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

Calendario

01 | 2020/02 | 03
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム