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今年も、この日が過ぎていきました。

42anni
 連休の話題などでごまかしている間に、実はとっくに、今年もひとつ、年齢を重ねてしまった。
 この歳になると、誕生日など、できることなら誰にも気づかれずに、そして自らの意識からも欠落したまま、知らない間に歳をとりたいものだと思うようになる。
 とかなんとか言いながら、毎回うちの亭主には、さんざんブログで愚痴らずにいられないネタをつくってもらっているのが我が誕生日。身内で唯一この日を覚えてくれているであろう亭主に、毎年心のどこかで期待してしまった自分を後なって反省するのも、我が誕生日である。

 「でもさ、いくらなんでも今年は何かもらえるんじゃないの?」
 「さすがにホールケーキくらい買ってくることは学んだんじゃない?」
 ブログネタをご存知の面々からはそんなお声も頂戴したが、ええい、今年こそは、心を鉄の女にして、期待は一切しないのだ!
 
 「そっちの誕生日だけど…桃花林を予約したんだけどさ、いいよね?」
 むむ?期待をやめた途端にこう来たか。いいね、いいね、ホテルオークラ桃花林。目新しい店ではないが、家族のハレの日に1~2年に一度しか行かない桃花林に自分の誕生日に行けるのはやぶさかではない。
 「一応、上の分も人数に入れておいたけど」
 上とは、上に住む私の両親のこと。いいね、いいね、夫婦で顔つき合わせたところで話がもたないのをよく心得ているね。賑やかしにジジババも入れておくのも大事なこと。
 ここまではパーフェクトである。

 さて、桃花林では、首尾よく美味なる晩餐が進む。爺は好物の北京ダックを、息子は小龍包を、婆は白身魚を、それぞれたらふく食べて大満足。焼きそばでしめ、そろそろデザートを頼もうかというところに、お店の人がなにやらメニューで盾をしながら二人がかりで運んでくるぞ。
 え!?まじ!? それは小さいながらもろうそくの立った、ホ、ホールケーキではないか。
 「やばい。おれ、持って帰る用に、頼んでおいただけなんだけど」
 と夫は想定外の展開に焦るも、こちらは悪い気はしない。
 ゆらゆら火の灯るろうそくが6本。
 「ええと、こちらは息子さんの…?」
 「いえっ!私のです!」と私。
 「あの、一応、歌もついておりますが…」
 「い、いえっ!結構ですっ!」と夫。
 結局、ろうそくは息子に吹き消させ、ケーキはまんまお持ち帰りに。
 えー、いいじゃーん、歌唄ってもらたって、吹き消さしてくれたってさー、と言いたいところ、とにもかくにも「ホールケーキ」というものを覚えてくれた夫の貴重な一歩を、素直に認めることにしよう。

 しかし、今年はいったいどうしちゃったんだろう。
 しかも、さらに誕生日プレゼントまで手配済みで、それは明日、宅急便で届くのだという。いやだわー、今年はいったいどうしちゃったっていうのかしら。この私に、今年はブログでおのろけ書けっての~?。
 息子が小学生になってからのこの2ヶ月、毎朝6時起きで欠かさず弁当をつくり、学校の行事や保護者会に足を運びと、超苦手な母親業と、仕事との両立に、身を粉にしてがんばった私のことを、やはり夫はねぎらってくれたのだろう。そう思うと、この2ヶ月分の積もり積もった疲れも吹っ飛ぶようだ。
 それにしても、宅急便で送るほど大きな「プレゼント」っていったいなんだろう。
 恥ずかしいことに、考えるほどドキドキして、その晩はあまり眠れなかった。

 しかし、そんな期待に胸膨らませてしまった自分を、やっぱり今年も大きく後悔すると同時に、引き続き我が亭主はブログネタを提供してくれることになるのだ。
 翌日届いた、その大きくて重い、そのプレゼントとは…

 なんと、「ミシン」である。
 「だって、ミシン買おうかなって、言ってたじゃん」
 そりゃ、そう言ってたかもしれない。しれないけれど、でもそれは、息子の道具袋だの音楽袋だのゼッケン付けだの、学校で必要な袋づくりや裁縫の一切を、うちは年老いた母に押し付けていたから、そろそろ自分でも裁縫環境を整えなくちゃいけないかなと、そう思って言っただけであって、私が「欲しい」と思っていたワケじゃない…。
 これじゃ、弁当づくりの労をねぎらってもらったどころか、もっと働けと言われているに等しいではないか。
誕生日に、参考書が贈られてきたようなものではないか。

 そんなこんなで、今年もひと悶着あった誕生日。
 しかし、家に帰って食べたオークラのショートケーキは、素直に美味しかった。
食事に誘われて初めて我が娘の誕生日だと気づいた母からは、近所の花屋のアレンジメントをもらった。これで十分である。
すべては、今年も、微塵とはいえ期待してしまった私が悪いのだ。

 ちなみに、ろうそくはなぜ6本だったのか。
 夫によると、十の位と、一の位を足した数で「6本添えておいてください」と頼んだらしい。
 さあ、私はいくつになったのでしょうか。そうです、24歳です! なんて言ったら張り倒されるか。
 昭和の生まれ年と、年齢の数字が、見事に一致する、生涯でただ一回の誕生日でした。

 それから10日。ミシンはいまだに箱の中…。

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コメント

たま

大変遅ればせながら
お誕生日おめでとうございます。

いつも楽しく読ませていただいてます。
ritzさんと同学年ということが判明し、益々(勝手に)親近感が増しています。
これからも楽しみにしています!

ritz

たま様 ありがとうございます。
同学年ですか!?
女子高生ブームのときは中学生だったし、
女子大生ブームのときは高校生だったし、
やっとどんぴしゃのアラフォーブームが到来し、
ちょっとうれしい、ですよね?
今後ともどうぞよろしくお願いします。

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ritz

鍵コメさま
私のブログが旅のお役に立ててよかったです。
HPもリニューアルオープン間近でいろいろありまして
アクセス先を閉鎖中のためご不便をおかけしました。
彼らに私から伝えておくべきことがあったら
どうか遠慮なくおっしゃってくさだいね。
よかったらまた鍵コメにてメルアドなど教えていただければ
私からそちらにご連絡さしあげます。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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ritz

Author:ritz
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