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イタ馬鹿日誌

昼は会社員、夜は母、週末は自宅で料理教室。ristorante-ritz.comのイタリア馬鹿な日々。

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 卒園式の感傷に浸る間もなく、この一週間、なんとまあ疾風怒濤の日々であったことか。

 卒園式後、夜のパーティー、二次会、さらに三次会を経て、帰宅したのが夜11時半。
 疲れ果てた子供と夫が寝静まった後で、私は一人、おもむろに料理を始める。
 そう、翌14日は、日伊協会でイベント「切り立てパルミジャーノとそのレシピ」にて、パルミジャーノを使った料理を紹介すべく、50人分の試食を持ち込まなくてはならないからだ。
 今日のうちに下ごしらえすべきものはすべて済ませ、床に就いたのは3時過ぎ。翌朝は8時からパスタを練り、生地を寝かせている間に鍋で肉団子を仕上げ、今度はパスタを伸ばしてカボチャのペーストを包み込み…。
 こうしたできあがったのは、「カボチャのトルテッリ」と「ポルペッテ(イタリア風肉団子)とグリーンピースのトマトソース煮込み」と「簡単バジルのパスタソース」。もちろん、すべてパルミジャーノをふんだんに使う料理だ。
 肝心のイベントのほうは、昨年に引き続き大入り満員。(ちなみに昨年の様子はコチラ)生暖かい風と雨が吹き荒れる天気にもかかわらず、たくさんの方においで頂けたのは、もちろん、パルミジャーノ・カットの魔術師、PIATTI岡田さんの求心力だろう。
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 ひとかたまり40kgもの重さがあるパルミジャーノを、十種類近いクサビ型のナイフを使い分けながらカットしていく岡田さんの手さばきは何度見ても惚れ惚れするが、毎回そのお話を聞いていると、ぐいぐいとパルミジャーノの奥深さに引き込まれていく。
 いくつもの厳しい基準をクリアして初めて「パルミジャーノ・レッジャーノ」と刻印されるわけだが、しかし、その味わいは一つひとつ微妙に、でも確実に違う。たとえば原料となる牛の乳の成分によっても、チーズの味に歴然と差がでる。考えてみれば当然のことだけれど、しかし、どんな牛が、どんな季節のどんな草を食べているか、そこまでさかのぼって製品を考えたことが、私たちにあるだろうか。
 パルミジャーノやプロシュートといった世界に誇る一流ブランドも、支えているのは実は「農業」そのもの。すべての食製品が「大地」と直結している、それが、イタリア食産業のすごいところだ。
 岡田さんの話を聞くたびに、パルミジャーノを通してイタリアの食に対するこだわりや誇りが見えてきて、ああ、やっぱイタリアって、イタリア料理って、懐深いよなーと、毎度イタ馬鹿魂を磨かれる思いである。

 さて、今回岡田さんが輸入したパルミジャーノは、生産者が、産後100日以内の牛だけのお乳にこだわって作った、栄養分がぎゅぎゅーっと凝縮された一品。お味の方は、ピリピリ感が微塵もなく、どこまでも芳醇で豊かな風味。うん、うん、まさに、「母の偉大さ」を感じるような味わいだ。
 試食の方も、参加者のみなさんにまんべんなく行き渡ったようで一安心。
 終了後、みなさんから口々に「おいしかったです!ご馳走さま」とお礼を賜ったり、レシピに対して熱心な質問を頂いたり。こんな風に、自分の料理を通じて、少しでも誰かの役に立てた瞬間は、ああ、イタリア料理を続けてきてよかったと思える瞬間でもある。


 パルミジャーノのイベントが終了すると、放心する間もなく、月曜はT木さんチームの料理教室。前々日のイベントで、「売り物にならないから」と岡田さんがくださったパルミジャーノのかけらが、うれしいことにたっぷりと手元にあるので、今日の料理教室もパルミジャーノづくしのフルコース。肉料理は、イベントでも作ったポルペッテ(肉団子)に。
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 もはや古いおつきあいとなったこの面々と過ごす時間は、私にとっては「料理教室の仕事」というより「癒し」に近い。
 連日、高級パルミジャーノを贅沢にも料理しまくり、食べまくったこの体も、まさにカルシウムたっぷり で元気倍増といったところだ。


 と、余裕をぶっこいていたのもわずか一日、水曜~木曜は、会社の仕事で早朝から深夜まで撮影がつづく。
 こんな時に限って、年に2~3回しかない保育園の遠足と重なるというオマケつき。朝4時起きで弁当を作ったあと、慌てて家を出て6時シュートのロケ地へ向かう。ああん、もう二日も、子供の寝顔しか見てないじゃん。
 終日の屋外ロケは20度近い初夏の陽気。青空の下、花粉とびまくり=寝不足のカラダは、花粉吸いまくり。…ああ、もう、ダメ。
 その晩、帰宅した私は、もう死人のようであった。

 卒園式から、あっという間に嵐のように過ぎ去った一週間。でもおそろしく濃い一週間。卒園式の日が、遠い遠い日の彼方のよう。ああ、あの感動を、呼び戻したい…。








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ritz

Author:ritz
イタリア家庭料理研究家
本業は広告代理店コピーライター
1999年以来、毎年有給休暇を使い果たす作戦でイタリアへ料理修行。年に1〜2回のペースで子連れでイタリアの農家やマンマの家々を転々としています。
HP→http://www.ristorante-ritz.com
Facebook"マンマの台所Ristorante Ritz"→https://www.facebook.com/ristoranteritz/

著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
U.M.A.O.オリーブオイル鑑定士
イタリア料理、子育てから、日本の旅、秘湯まで。

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