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Voglio ritornare in Italia!  イタリアに帰りたーい①Orvieto

 帰国すると毎日毎日、仕事と家庭のルーティンワーク。ああ、イタリアに帰りたーい!
 というわけで、回顧録を、ちょくちょくと。
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 ウンブリア州の、どこまでも澄みわたる空気が懐かしい。石畳から底冷えするような寒さと、抜けるような青空の下に戻りたい。

 イタリア人らしからぬ、いつも冷静沈着なロレッラが、珍しく慌てて私の肘をつつく。
 「グァルダ! フォト、フォト」
 直訳すれば
 「見て! 写真、写真」
 クールなロレッラらしい、最小限の言葉だが、要は
 「ちょっと、見て御覧なさいよ、Mの姿! ほら、写真撮りなさい、早く、早く」
 と言う意味だ。

 ウンブリアの小さな町、オルヴィエートの日曜の朝。
 前の晩に、若い男女で溢れかえったバレンタインデーの賑わいが嘘のように、ドゥオーモ前広場でさえもひっそりと静まりかえっている。
 こんな日のドゥオーモは、一段と美しい。

 私が写真を撮っていると、息子のMもマイ・カメラをごそごそと取り出して、写真撮影に熱中し始めた。
 ふと気づくと、ドゥオーモ正面の土産屋の軒下によじのぼって、熱心にファインダーを覗いている。
 その姿があまりにもおかしいからと、ロレッラが「ドゥオーモよりMを撮っときなさい」と言うのだ。
 しかし、たった50センチよじ登ったところで、どうしようっていうのさ。少しでも、大人に近い目線から撮りたいということなのか?
 …が、しかし、なかなかどうして。あとで見てみたら、結構いいのだ、息子の撮った写真。
 子供の素直な目線でおさめたドゥーモ。悔しいけれど、私よりうまいかも。
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 13世末、近くの村で起きた奇跡の逸話、キリストの血が滴った聖餐布を祀るために、当時オルヴィエートに滞在していた法王の命で建設されたオルヴィエートのドゥオーモ。ウンブリア州の他の中世都市のそれと比べると、驚くほど華やかで、黒と白の斬新なストライプを見ていると現代アートに近しいものを感じるほど。
 今までオルヴィエートには過去二回来ているけれど、正直、こんなに美しいと思ったことはなかった。
観光客もまばらな真冬のイタリア。空気が澄み切っている分、色彩も、形も、それだけ鮮烈に、ストレートに、目の中に飛び込んでくるような気がしてならない。

 それからロレッラは、「地元の人しか知らない、オルヴィエートの町がいちばん美しく見える場所」に私達を連れて行ってくれた。
 小高い丘の中腹。長年、放置されていた古い家屋を改築して、今では修道院になっている建物の裏庭に、ずかずかと入っていくと、突然視界が開けて、目の前に丘陵都市、オルヴィエートが。
 その全景はまるで大きな船。その先端に、美しいドゥオーモが指揮をとるかのようにそびえが立つ。
 ここでも息子は連写しまくり。むむ、こちらも、負けてなるものか。
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 ひとしきり、絶景を堪能したら、3人とも急にお腹が減ってきた。
 「さ、お昼ゴハン食べに行きましょ。アンディアーモ」
 目指すは、ロレッラのマンマの家だ。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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