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旅の余韻。

昨日、無事帰国。そして今朝から出社。
すべての有給休暇は一日も無駄なくイタリアに注ぐ私にとっては、もはや毎度のこと。
しかし、今回はいつになく、体中がつらい。肩を中心に腰から首まで激痛が走る。太ももの筋肉痛もひどく椅子に座るにもいちいちよいしょっと声が出てしまう。
さてその理由は…。

今回の旅は思い起こせば起こすほど、充実した料理生活だけでなく、日々感動の再会があり、親が言うのもなんだけど息子も別人のようにいい子で、どこへ行っても皆によくしてもらって、短期間ながら濃度で言えば過去最高といってもいいかもしれない。オンナ+子供だけで旅するイタリアは、心労は多い分、でもその何倍も得をすることの方が多い。
そんな充足感に浸りながら、ボローニャ空港でイタリア携帯通信の最後の写真を撮ったまではよかった。が、問題はその後だ。

チェックインカウンターでちょっとドキドキしながらスーツケースを置く。中にはいろんな人からプレゼントされた何冊もの分厚い料理本、手作りのパスタソースの瓶詰めなどの食材でぎっしり。できるだけ身軽な状態にして、トランジットのローマ空港でショッピング!ショッピング!のつもりだったから、さらに余計に詰め込んだ。もしかしたら、重量オーバーするかもしれない…。
ジャジャーン。計りの数字は、37.5キロ。一人分の重量制限が20キロだから、ぎりぎりセーフだ!
「No,no! 一個当たりの重量も35キロまでという制限があるのよ。あと2キロ分でいいから手荷物にうつしてください、シニョーラ。これは国際規約だから見逃せないの。ごめんなさいね」
アリタリアのくせに、しかも地方空港のくせに、最近は結構厳しい。

仕方なくその場でスーツケースを広げ(ああ、一番恥ずかしい光景)、未使用の計りを借りながら2キロ分の荷物を選ぶ。料理本2冊に、ノートパソコン、あとで再びNG出されるのも嫌だから、念のため余裕を見て3キロ分を取り出し手荷物のボストンバッグへ。
スーツケースを再梱包し、ベルトを巻き(これだけで汗びっしょりだ)、再びカウンターに戻ってスーツケースを載せると…
計りの数字は、30キロ。
ええーっ。てことは、最初の荷物は33キロだったってことじゃないの!? ちょっとー、だったらセーフだったってことじゃないのー!?
こんなとき、今まで使っていたソフトケースだったら、直前にポケットにしまいこめることもできるが、今回はスーツケース。再び広げて重量を調整する気力もなし。それに、どうせイタリアの計りなんていいかげんで、計るたびにきっと数値が違うんだろう。

あきらめてそのままチェックイン。ただでさえ子供の着替えやら予備薬などでいつも膨れ上がるボストンバッグはさらに3キロ分がプラスされてずっしり。斜め掛けする自分のショルダーバッグもカメラや機内持ち込み洗面具でパンパンだ。

しかし、こんなことで、当初思い描いていた行動を制限されるのは性格上どうしても納得がいかない。
ガシガシと荷物を背負いながら、トランジットのローマでは、息子にせがまれ、やれ、チョコレートだ、Tシャツだ、甥っ子のお土産にあっちのターミナルのサッカーショップだと、二時間半、いろいろ歩きまわって買い物をする。
うわあ、私って、すごいわ。こんな思い荷物を左右に背負いながら、かつ左手にパンパンの紙袋、右手で息子の手も引いて歩く、なんて逞しいオンナなの!? と自分で自分を誇りに思ったりして。

さて、ラストショッピングも満喫し、東京行きの飛行機へ乗り込むと、息子は早々に熟睡、さあて、あとは私もぐっすり寝て行けばいい。
…はずだった。ところがなんと、たった2時間で目覚めた息子は、そこから先、「気持ち悪い。気持ち悪い」を連発。「ママ、後ろ行って、立って抱っこして…」と訴えられるままに抱きかかえ、16キロがずっしりと腰に襲い掛かる。
結局、座ったり立ったり抱っこしたりで12時間、一睡もしないで成田着。
飛行機を降りたら、息子が放棄した彼のリュックも手荷物に加わって、とてもじゃないけど、一人の人間が持つ荷物の許容範囲を超えている。そこから先の肩は、もう痛みなど通り越して、まるで自分の肩じゃないみたい。イタリアだったら、すかさず誰かが手を貸してくれるだろうに、日本ってなんて冷たいんだろう。
息子の方は、迎えの夫の顔を見たらコロっと元気になり、帰りの車中もハイテンション。家に着けば、バーバ自家製のちらし寿司を3杯もおかわりする変貌ぶり。
「ぜんぜん、元気じゃん」と夫には機中のできごとを信じてもらえず、しかし私の肩と腰にだけは激しく深い痛みが残る。か、かなしい…。

11日ぶりに入る我が家は、とてもじゃないが、人間が留守番していたとは思えない光景。
観葉植物は枯れ果て、急須の中のお茶にはカビが生え、冷蔵庫ではヨーグルトが腐り、野菜室ではプチトマトがひからびている。っていうかさ、プチトマトなんて洗ってまるごと食べればいいだけじゃん。包丁だっていらないじゃん。ったく、プチトマトくらい食ってくれよっ。

夢のようなイタリアの日々から、毎回こうして一気に現実に引き摺り下ろされる。
ああ、10日前に戻りたいよぅぅぅぅぅ。

ところで、この太ももの筋肉痛のほうはどこから来たんだろう。いろいろ考えた末、思い当たるフシが一つだけ。
これ、最後の日曜日にパオロたちとヴィニョーラのお城に登ったときのものだ!
つくづく自分の運動不足を思い知ると同時に、でも、この太ももの筋肉痛は、なんだかずーっと残っていてほしいような、そんな気も。
この際、肩と腰の激痛も、こうして出社早々打ち合わせ続きで夢から覚めざるを得ないことを思うと、旅の証として少しでも長く残っていて欲しいかも、と思えてきた。

駅の階段をイテテっと上り下りしながら、イタリアの余韻にしがみついている私である。
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コメント

carissimi

お察し致します。
大荷物を運んで一睡もせず、16キロのもうひとつの荷物(?)をずっと抱きかかえた後の体の辛さ、同じ16キロの息子を持つ毋として、心からお察し致します。私も息子がまだ13キロ程度だったころ、機内の後方でずっと抱っこして立っていなければならず、大変辛い思いをした事がありました。それを16キロでやるなんて、もう考えたくありません。我が家に戻っても、ゆっくり出来ない辛さもお察し致します。でも、Ritzさんのバイタリティーには感服致します。私もやんちゃ盛りの息子を持つXX代の毋として、勇気づけられました。お疲れさまでした。

ritz

夫にはわかってもらえなくてもcarissimiさんにわかってもらえて、う、うれしい…。
会社では人一倍の「体力無し」「やる気無し」「執着無し」で通っているのに、
イタリアに行くとなぜこんなに体力が、いったいどこから湧いてくるのか
自分でも本当に不思議です。

で、今はすっかり、元のか弱い人に戻ってます。とほほ。

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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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ritz

Author:ritz
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