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「モデナの師匠たち」 イタリア携帯通信

notizia da italia sul cellulare(10)

20090222080924

午前中、ミレーナが水泳教室に行ってる間、Mとチェントロへ。

モデナに来たからには本当なら毎日顔を出さないと、至極怒られる人がいる。
小さなリストランテをひとりで切り盛りしている女シェフ、アデーレ。十年前、誰ひとりモデナに知り合いのいなかった私を厨房で一ヶ月働かせてくれた、私にとって母でもあり姉みたいな人でもある。
今回モデナに着いた晩に、真っ先にY子さんとM子さんをお連れして夜ご飯を食べに行ったきり、ゆっくり尋ねにいく時間がなかったので、改めて師匠に挨拶へ。

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午後はモデナから二十キロほど離れた小さな町、カステルフランコに住むイリスの家へ。
私がそもそもイタリア料理を志すきっかけになったトルテッリーニを供する宿で、半世紀もトルテッリーニを作りつづけてきた八十五才のおばあちゃん。
当時は行くたびに「あんた、まだ子供作ってなかったのかい!」とけしかけられていたものだが、Mが生まれてからは、もっぱら私よりM。時々手紙をくれては「またMの顔を見せに連れて来ておくれよ。でないとあたしゃ、あの世からおよびが来ちゃうよ」といつも縁起でもないことを言っている。

イリスが私たちのために焼いてくれた焼菓子クロスタータと、相変わらず磨きがかかった噂話で、イリスがまだまだ元気であることを確認したら、私たちはその足で、カステルフランコ駅まで歩き、電車でボローニャへ。
一泊だけして、明日はボローニャの恩人たちに挨拶まわりすることになっている。
ボローニャ駅まではジョルジオが迎えに来てくれた。
今夜は彼と妻のジリオーラの家に泊まらせてもらうことに。
この二人、もともとは私のボローニャの父母であるフランコとネリーナの旧友なのだが、いつも忙しく出回っているネリーナに代わって、こうしていつでも変わることなく温かく迎え入れてくれる。

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家に着くと早くも台所からはいい匂い。
人体解剖図の権威でもあるジリオーラは、料理も上手。でも自分からは決して自慢しない、イタリア人にあるまじき穏やかで冷静な性格。
子供に恵まれなかった夫婦だが、私達母子をさりげなく見守っていてくれる、叔母さん夫婦といったところだろうか。

さっきまで足が棒みたいに疲れ切っていたことを、いつの間にかすっかり忘れていた。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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