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「さむっ。でもキモチいっ」 イタリア携帯通信

notizia da italia sul cellulare(2)

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「ね、今回はどんな料理が習いたい?!」
 朝食もそこそこにロレッラはペンとノートを持ち出して、滞在中に私に教えてくれる料理メニューをあれやこれやと考え始める。 本来なら冬のオフシーズンで宿は休業中のところ、ただでさえ私たちのためにわざわざ宿を稼動してくれてるようなものなのに、今回も、明日からはみっちり料理をおしえてくれるという。そればかりか、今日は一日、私たちをいろいろ案内してくれるというのだ。
  午前中はORVIETOの町へ。久々の青空らしいが、今朝の気温はマイナス三度。宿のプールも氷が張っていた。肌をさすような寒さだが、なぜかキモチがいい。子供の頃の、張り詰めた空気の冬の朝を思い出す。
 ぶらぶらしたあと、ロレッラの幼な馴染みで恋人のダニエーレと合流。国内外でも有名なカンティーナでマーケティングをつとめるダニエーレは地元でも顔が広い。馴染みのワイン屋で午前中からANTINORIのスプマンテをごちそうになる。店の主人が自慢のハムやサラミ、パスタまでだしてくれて早くもお腹いっぱい。 午後はロレッラと近郊の名勝地、チヴィタディバーニョレッジョヘ。
 以前から一度行ってみたかったのだが、いつも、ローマ空港へ直接出るための足掛かりとしてこの近辺に泊まるため毎回行く時間を逸していた。そんなことまでロレッラはよく覚えてくれている。 崖っぷちにそびえ立つ中世の村は、まるでイタリア版万里の長城。駐車場に止めてから、長くて急な傾斜の橋を登っていかなければならない。谷を渡る冷たい強風に吹き飛ばされそうになりながら渡る橋は、本当なら足がすくみそうなところ、あまりに急な坂に息切れして恐怖どころではない。息子ひとりが平然とすたすた先に行き、私たちを手招きしてる。若いってうらやましい…。 城塞さながらの村の中に入ると、風は遮られるものの、冷たい空気に耳の奥が裂けそうに痛い。それでも天空の城からの抜けるような青空と絶景に思わず俗世間で汚れまくった心が洗われる気分になる。

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一度宿に帰って息子を昼寝させたあと、夜はダニエーレと四人でリストランテへ。ダニエーレおすすめの郊外の店は残念ながら予約でいっぱい。街中にある、老舗カンティーナが経営するおしゃれなリストランテへ。 店内はカップルで埋め尽くされている……はっ、そうか、今日はバレンタインか!こんな日に、親子でとんだおじゃま虫ではないか。 しかしダニエーレもロレッラも、サンヴァレンティーノをこうしてみんなでお祝いできて今年はラッキーだったと言ってくれる。 「あれも食べなさい」「これも味見しないとダメだ」と言われるがままにさんざんたべつくし、すっかりごちそうになってしまう。
 なんだか、お姉さんとその旦那夫婦のところに遊びにきたみたいな、この二人といると不思議な安堵感に包まれてしまうのはなぜなんだろう。 しかし彼らのところへ来たのも、実はまだ二回目。やっぱ図々しいんだろうな、私って…。
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ritz

広告代理店コピーライター
イタリア家庭料理研究家
HP→http://www.ristorante-ritz.com
著書に「トルテリーニが食べたくて」
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
イタリア料理、子育てから、オペラ、日本の旅、秘湯まで。

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