
最後の一日、午後はパオロとアドリアーナ夫妻と一緒に隣町のカルピへ。
折しもチョコレート祭りをやっていて、規模は小さいながらもイタリア各地からチョコレート屋さんが出店している。
こうしたチーズを模したチョコレートや、サラミそっくりのチョコレートなど、イタリアらしいチョコレートが目を楽しませてくれる。
私がこの夏を一緒に過ごしたロレッラもオルヴィエートからわざわざ出てきてくれて、みんなで一緒に半日を過ごす。

顔見知りでない人同士を、こちらの時間が限られている関係で、無理やり引き合わせてしまうことが多かった今回、でもそこはイタリア、みんなすぐに打ち解けて昔からの知り合いのように同じ時を過ごしてくれる。日本人だったら考えられないことかもしれない。
さて、チョコレート祭りで賑わう小さな広場からピオ宮殿を抜けると、目の前に突然広がる巨大な広場。
まるでヴェネツィアのサンマルコ広場みたい。エミリア地方にこんな町があったなんて。
小さいながらおしゃれな店が並ぶ町をしらみつぶしに見ていたらもう七時すぎ。
家に帰って本当に最後の最後の夜ご飯。
私がモデナに初めて来た12年前のステイ先、つまりパオロのマンマのミレーナが、ケーキを焼いて来てくれた。
「11月でМはいくつになるんだっけ?」とパオロに何度も聞いてきたというミレーナ、なんと、ケーキの手前には9本の、向こう側には1本のキャンドルが。

Мが何回目の誕生日を迎えるかは、いつも忘れてしまうらしいが、こうして誕生日自体は決して忘れないミレーナ。まるで日本のおばあちゃんみたいだ。
たった8日間で古巣のピエモンテとエミリアロマーニャを回る旅。あいさつまわりだけで終わってしまったことは否めないが、イタリア人相手に、会うべき人にはなんとか一人残らず会えたのは、ある意味奇跡かもしれない。
ところで、今回の旅で唯一心残りがひとつ。
私の大好きなイタリアの焼き栗屋台(カルダロスタ)にどこの町でも出会えなかったこと。
秋の幸、栗やトリュフが不作なのだからいたしかたないが、ポケットいっぱいにあつあつのカルダロスタを詰め込んで晩秋のイタリアを闊歩したかった…
なあんて愚痴をぽろっとこぼしたら、クチーナにいたパオロが、
「今夜、焼き栗やるよ。ほら」
と山ほどの栗を見せてくれた。
イタリア最後の焼き栗に、Mと先をあらそいながら食べまくる。
栗に夢中になってすっかり忘れていたNの存在。ソファの前に放置していたはずが何時の間にか、つかまり立ちして伝い歩きをしているではないかっ。

ちょっと鼻が垂れようが、ほうったらかし。甘すぎるクッキーだろうが味の濃いリゾットだろうが構わず食べさせられ、やれあいさつまわりだ、買い物だと連れ回され…考えてみたら、Nのペースなどまったく無視して行動していたが、人しれず鍛えられ、人しれず成長していたのかも。
この一週間の経験が子供達の中で大きな実になることを願いつつ、イタリア人たちに感謝しつつ、早くも次のイタリア行きに思いを馳せる私は、やっぱりただのイタリア馬鹿かな。
- 2011/11/06(日) 11:10:22|
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